さくらんぼの種抜き器ー小粒対応アダプタを追加する改造

今年も庭のさくらんぼがたくさん実をつけました。

うちのさくらんぼは粒が小さいのでこれまで種を抜くなんて諦めていたのですが、アマゾンでさくらんぼ用の種抜き器が売られていることを知って試しに買ってみました。しかし、懸念していたとおり小粒のさくらんぼには合いませんでした。それでこの種抜き器を改造して小型のさくらんぼに使えるよう改造しましたので紹介します。

我が家のさくらんぼ

我が家には暖地桜桃という品種のさくらんぼの木があり、毎年5月上旬頃に実をつけてくれます。

防鳥網を張ってたくさん収穫

防鳥ネットを張ったさくらんぼの木

5月の連休頃になると実が大きくなってく色づくのですが、酸っぱさがなくなるまで熟すのを待っているとヒヨドリなどの鳥がやってきて食べられてしまうのです。

昨年はほとんどやられましたが、今年は右写真のように防鳥網を張ったのでたくさん収穫できました。

たくさん取れると、どう消費するかが課題

たくさん取れると生食に飽きた残りをどう処理するかが課題です。収穫したさくらんぼは日持ちはしません。軸付きかどうかで変わりますが、冷蔵庫で数日でしょう。

この品種は実が小さくて種抜きがやりにくいので、これまでは主に、種をそのままで処理できる砂糖漬けジュース果実酒にしていました。(下記記事参照)

サクランボの砂糖漬け(チェリージュース)
今年も写真のように庭のサクランボがたくさん実りました。 先の記事梅仕事1-梅酒と梅ジュースで紹介した砂糖漬けによってジュースを得る方法は、他の果実でも応用できると教えてもらい、サクランボで作ってみ...

種抜き器を知る

先頃ふとしたことで種抜き器なるものがあることを知り、アマゾンで調べてみるとさくらんぼやオリーブ用などが販売されていました。

ただ、さくらんぼ用と言ってもアメリカンチェリーなど大粒を想定したものらしく、「小粒のさくらんぼには合わない」という、購入者の評価がありました。

種抜き器を購入

使い物にならなければ改造するつもりで、さくらんぼの種抜き器を買って見ることにしました。

2つの製品で迷う

候補はドイツのWestmark社製の下記2製品です。穴径等の寸法は重要な要素ですが、販売ページに記載がありません。

チェリーストーナー WM4000

WM4000(画像をクリックするとアマゾンへ飛びます)

さくらんぼの種抜き用で、アマゾンでの価格は1,191円(2021.6.4時点)

受け部の穴の大きさなどの知りたい寸法の記載がありませんが、次のWM4040と同程度だろうと想像していました。

(後にこちらのほうが内径が大きいことがわかりました)

オリーブ芯抜き WM4040

WM4040(画像をクリックするとアマゾンへ飛びます)

こちらはオリーブ用になっていて、カップ形状が深いように見えます。アマゾンでの価格は2,417円(2021.6.4時点)

こちらも穴径などが記載されていませんが、評価者が実測して書いておられ、助かりました。

  • 外形 20mm
  • 内径 10.8mm
  • 芯棒 6~6.5mm
改造を覚悟して安い方を買う

値段が安く、改造も容易に見えたWM4000を買いました。右のような箱に入っており、開けてみると下記の写真の様なものでした。

本体はアルミダイカスト製で、実を置くところはすり鉢状になっています。底にあるスリットは、種が詰まって残った場合に容易に外せるようにしているのでしょう。

手で握ると片側を支点として閉じますが、途中でストッパー板(アルミ)が当たり止まります。このとき下からの芯棒が受け皿の穴より少し飛び出ます。芯棒の先の断面は十字形状で、先は中心が凹形状になっています。

 

横から見たところ

 

芯棒の様子。棒の先は凹形状になっています

実を載せるすり鉢状の部分

種が抜ける仕組み

実を受け皿に置いてストッパー板で止まるまで種抜き器を握ると、芯棒が実の中心を突き、種を押し出しながら突き抜け、先は受け皿の孔から少し出ます。それで種が実から外れて落下し、受け皿に種の抜けた実が残るわけです。

サイズ

うまく種が抜けるかは、すり鉢状の受け皿と芯棒の寸法が大事です。

サイズ比較

WM4000の穴径などを実測してWM4040と比較すると以下の表になります。

 

受け皿外径

受け皿内径(穴径)

芯棒の外径

WM4000

20mm

12.4mm

6mm

WM4040

20mm

10.8mm

6~6.5mm

(WM4040は評価者(こぷくさん)が実測した値)

注目すべきは内径で12.4mmと10.8mmの差があります。

WM4000をうちのさくらんぼで試してみる

我が家のさくらんぼとその種

うちのさくらんぼの外径は14~16mmぐらいが多いです。右写真はさくらんぼ(16mm)と種子(10✕7.6mm)です。

WM4000の受け皿の中央に、軸を取ったさくらんぼを頭(軸のついていた部分)を真上にして置き、種抜き器を握ります。いくつか試してみると

  • Φ16程度のさくらんぼはOK
  • Φ14程度のさくらんぼはNG

でした。全体として見れば、半分は程度は失敗すると思われます。

WM4000(穴径12.4mm)でなくてWM4040(穴径10.8mm)ならほぼ行けるかもしれません。

穴径を小さくする対策

対策の座金を置く

対策は穴径を小さくすることでしょう。

手持ちの座金を探したところ、内径9.4mmのものが見つかりました。右の写真の様に載せて試しました。

これだときちんと実を置けばほとんど失敗しません。

ただ、種を抜いたあと、座金が落ちます。これでは毎回座金を設定し直さなければなりませんので大変面倒です。

この座金を接着剤で固定しても良いのですが、

  • うちのさくらんぼ以外の大きな粒の種を抜く場合に外して使えたほうが良い
  • 座金だと穴径は小さくなるが、底が平らになります。すり鉢状のほうが理想的。

と考え、以下の案を考えました。

小粒対応アダプターを追加する構想
  • 受け部の底に穴径を小さくする別金具「アダプター」を追加する
  • すり鉢の底カーブを延長した形状で鉢の底を深くし、粒の外径にフィットようにする
  • このアダプタはネジ止めにして外せるようにもしておく

種抜き器の改造

ストッパー板の改造も必要

アダプタを追加するとその厚み分すり鉢のが深くなりますが、それでも芯棒が底面より突き抜ける必要があります。そのためには握ったとき今より深く芯棒が入るように、ストッパー板を改造する必要があります。

ストッパー板が取れた

ストッパー板はアルミ製でなので、手工具で曲げなおそうと格闘していたら、取れてしまいました。

下写真はストッパー金具が取れた本体と曲げ直したストッパー板です。

本体はアルミダイカストでできています。おそらく本体側から出ている凸部の押しつぶしで止めていたのが、潰し方が弱くて取れたのでしょう。あるいは接着剤で固定していたのかもしれません。

種抜き器のストッパー金具を外したところ

ストッパー板が外れた種抜き器の本体(中央)と曲げ直したストッパー板(右下)

小粒用アダプターの作成

厚さ3mmのアルミ板の端材を次のような手順で加工しました。小さい部品なので加工しやすい大きさのうちに孔やスリットの加工を先に行い、その後外形を作ります。

できた受け皿(裏側)

  1. 罫書
    端材に外形や穴位置を罫書きます。マジックを使いました。
  2.  すり鉢孔を形成する
    • φ7mmのキリで穴あけ
    • φ12mmのキリで皿取り
      本体のカーブとなだらかにつながるまで深く掘りました。結果として底穴の直径が8.7mmに広がりました。
  3. 取り付け穴を加工
    • 3.2mmの孔を開ける
    • 使用する皿ビスに合わせて皿取りをする
  4. すり鉢部のスリットを入れる
    下の記事で紹介している「ボール盤を改造した簡易型フライス盤」を使いました。

    ボール盤でフライス加工 (3)ボール盤のZ軸機能改造
    最近の記事でおわかりのように、今ボール盤を使ったフライス加工がマイブームです。今回はボール盤をフライス盤のように使うためのℤ軸の精密移動機構とデジタルスケールを追加する改造を紹介します。
    •  
  5. 仕上げ外形に近い形に切る
    この加工にも上記の簡易フライス盤を使いました。
  6. ヤスリで形を仕上げる
    棒ヤスリや紙ヤスリで形を整えました。

こうして右上の写真のようにアダプターが出来上がりました。

下は全部の部品を並べたものです。右下に見える平板については次に説明します。

改造のために揃った部品。アダプター(受け皿)の右がストッパー板固定用の平板

ストッパー板を固定する平板

ここまでで大体部品が揃いましたが、取れたストッパー板をどう固定するかが問題です。「押し潰し」は空間が狭くてやりにくいし、接着剤では弱そうです。

それでネジ止めしたアルミ平板で押さえて止めることにしました。

平板は3mm厚アルミの端材に、M3のネジを切り、本体の溝に収まる大きさに切りました

ストッパー金具の手元側を平板で挟んで押さえ、本体の裏からネジで固定します。そのため本体には3.2mmのビス孔を開け、ビスの頭が出ないように皿取りをします。

塗装
これで加工は終わりですので、罫書きしたマジックを除去します。
 
そして作業中に一部塗装が剥げてしまった部分を塗装します。
車の傷補修で使った残りの塗料に似た色があったので、スプレーしました。よく似ていると思ったのですが、乾くとやや黒っぽいので写真でもわかりますね。アダプターと平板はアルミ地金のままです。

組み立て

準備ができたので組み立てると下の写真のようになりました。

完成した種抜き器。受皿の下にアダプター、ストッパー板の右端には固定平板が見える

完成した種抜き器の底面。右の白っぽいのがネジ止めしたアダプター(受け皿)

閉じたところ。芯棒がアダプターより少しでている

アダプー(受け皿金具)をすり鉢の底にネジ止めしています。

ストッパー板は、裏からねじ止めした固定平板で挟んで固定しています。

右は閉じたところですが、ストッパー金具を曲げ直しているのでアダプターより芯棒が少し出ています。もう少し出たほうが理想的かもしれません。

なお、追加部品が握った手に当たらないよう、突起の出ない皿ビスを使い、受け皿の形を考慮しています。

使用してみる

さて使い心地ですが、下記動画を見てもらうのが早いでしょう。

ほぼ失敗することがなく、効率よく種が抜けます。

クッキングの下処理も、これなら苦痛ではなく楽しい作業になりました。

種を抜いたさくらんぼを使ってクッキング

種を抜いたさくらんぼを使ったクッキングについて少し紹介します。

ジャム

以前さくらんぼのジャムを作ったときは、ある程度煮たところで金網を使って種を取り除きましたが、きれいに種が取れず苦労しました。以降さくらんぼのジャムは作っていませんでした。これからは、これで最初に種を抜いておけば、あとはブルーベリーなどと同様に作れます。

ドライチェリー

お菓子の材料につかえるようドライチェリーを作ってみました。

  1. 種をとったさくらんぼと砂糖をまぶす
  2. 冷蔵庫2日間保管する
    果汁が出て来ます
  3. 鍋で炊く
    煮汁がなくなるまで煮詰めます
  4. オーブンで乾燥

今回はベタベタが少し残り、干しぶどうみたいにカラッとはなりませんでした。もっと乾燥すればよいのかもしれませんが、固くなりそうなのが心配でやめました。

チェリーパイ

妻がチェリーパイを作ってくれました。

  1. パイシートにカスタードクリームを載せる
  2. ドライチェリーを載せる
    今回は乾燥途中のものを使用しました
  3. オーブンで焼く

チェリーパイ

別のやり方として、パイ生地だけをタルト型に焼いて、後でカスタードとチェリーを載せても良いかとも言っていました。

あとがき

一般にさくらんぼは冬の低温がないと実がならないので温暖な地域では栽培が難しいとされます。また実がなる時期が梅雨と重なり水分過多で実がはじけたりします。

その点「暖地桜桃」という品種は栽培しやすくて5月に実がなるので梅雨の影響もありませんので家庭果樹として適しています。

ただし実が小さく種が邪魔なのが欠点でしたが、今回種抜きが簡単にできるようになったのでより楽しめるようになりました。

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