DIYで、箱の中側や壁の向こう側にナットを取り付けたいことがありますが、内側の中空部に手が届かない場合はあきらめていました。今回は浴槽の鎖止めの取り付け検討中に便利なものが見つかり解決できました。
お風呂のゴム栓の鎖止めが取れた
我が家の風呂はステンレス浴槽ですが、ゴム栓が鎖で浴槽の壁に繋がれています。
もうだいぶ前になりますが、この鎖止めが取れたのです。右上が取れた部品で、右下は取れた後の孔です。
鎖止めはビス(ネジ、直径4mm)になっていて、反対側からナットで固定する設計でなぜ外れたか不思議です。
推測するに、ナットの付け忘れてきつめの穴の部分のネジだけで固定されていたのが外れたのでしょう。ひょっとすると最初からナットを使わず板のネジ部だけで止める設計だったかもしれません。
これまでDIY修理で接着剤(水中エポキシ)で取り付けていました。
接着剤は一年ほどで取れる
ターンナット
薄くて硬い板にネジで物を取り付ける場合、木ネジに似たセルフタッピングネジがよく使われますが、もっと強度を上げる方法はナットを板の裏側に付けることで、鋼板を使った製品ではよく採用されています。しかし、内側の中空部に手が届かない場所には、後からナットを入れ込むことができないのです。これを解決してくれるのが、ターンナットです。
右が買ってきた、ターンナットとビスの2組がセットになった商品のパッケージです。
ビス径より大き目の孔をあけ、ナットを内部に入れて中で回転させる仕組みです。
右の4mmビスのサイズですと、8mmの下穴を開け、ナットを差し込みむと、ツバで止まります。ビスを突っ込むとナットが中で回転し、ネジ部分が正面を向きます。
4mmビスが付属していますが、JIS規格ですので一般のビスも使えます。
材質は、ビスと板金部はステンレス、ナット部は亜鉛ダイカスト製です。
下の写真は、取り出したものです。
この付属の4mmのビスの代わりに元の鎖止めビスを試してみると、思惑通り使えました。
右のようにアマゾンでもばら売りもしています。
工事
孔の拡大
元の穴は4mm強ですので拡大します。説明書にはドリルの場合は8.2mmの孔径指定でしたが、手持ちにないので、8mmのステンレス用錐先と電動ドリルであけました。
ステンレスの加工はコツがいります。
ステンレスは熱の伝導性が非常に悪いので、加工時にはすぐ局所的に高熱になり、硬化するのです。下手だと時間がかかり、摩擦で高温になって硬くなるため、益々開けにくくなります。
穴開けのこつは、冷却のため切削油を使うことと、できる限り早く錐を食いつかせて、高熱になるまでに一気に加工を済ませてしまうということです。一気に行けないときは休んで冷やすなど、要するに摩擦で高温にならないようにします。
写真は8mmで開けた後12mmで角のバリを取ったところです。内部に見えているのは、浴槽の裏側に貼られている保温材の一部です。
ターンナットの挿入
8mmなので心配でしたが、簡単にナットが入りました。写真のようにツバで止まります。
少し小さめの孔をあけ、角が当たる部分をやすりで仕上げると回転止めになって理想的だと思いました。
ツバがこちら側にあり、その厚み分やや隙間ができるので、何らかの防水対策が必要です。
写真の状態でビスでつつくと、ナットが回転してネジ込み可能になります。
水漏れ防止策の接着剤で失敗
接着剤を併用して防水を兼ねようとしました。接着剤は
で紹介したエポキシパテ水中用です。
接着剤を塗ってからビスを締めようとすると、ナット部が供回りしてしまいました。ネジ部についたパテ状の接着剤で抵抗になったのが原因です。
ゴムワッシャー使用
方向転換して接着剤を使うのをやめ、ゴムパッキン(ゴムワッシャー)を使うことにしました。
ホームセンターに走ろうかと思いましたが、その前に部品箱を探したら、写真のように丁度良いものが見つかりました。
接着剤はできるだけふき取りました。
取り付け
ゴムワッシャーを通して捻じ込みます。
接着剤が多少残っていて供回りしたのですが、細いラジオペンチで止めながらネジ込んで行くと、ある程度荷がかかってきたら供回りしなくなりました。
こうして無事下のように取り付けることができました。