右の写真は、我が家で使用中のテレビアンテナのブースタ電源部(TY-BP1506C)です。 BSアンテナへの給電も兼ねています。(きれいに見えますが、20年近く前に購入したものです)
1Fにあるテレビの横に置いていますが、2Fのパソコン予約録画機のためこれまで常時給電していました。 この電源の定格消費電力は11Wですが、節電上、常時オンしていると無視できません。
今回、これを必要なときのみ給電するように改善しました。
節電する方法
節電の方法は、常時給電を止めて必要なときのみ給電するということ。
具体的には下記二通りの場合に、それぞれ機器側からアンテナを使用する時のみ給電するようにするようにします。
①1Fのテレビを見るとき
②2Fにある録画しているホームサーバーが電源オンのとき
理想的には「チューナーを使用しているときのみ」にしたいが、良い検出方法がないため「電源オンのとき」とする
1Fはテレビから直接電源供給
1Fは、ブースタ電源部を外し、テレビのアンテナ端子から直接電源供給すれば、テレビオフのときは電源供給も止まる。 我が家の場合、BSアンテナとブースターの両方で7~8wくらい電源供給するので、テレビの供給能力(表示は4W)が足りるか心配だったが、実際に接続してみると実力でいけた。さすがPanasonic TV!
PC連動で給電
2Fは、サーバーPCに使用しているPT2チューナーからBSチューナーに電源供給することも考えたが、さすがにブースター分までの供給能力は期待できない。
それで、今のブースタ電源部を使って給電し、そのAC電源をサーバーPCオンと連動することにします。
そのためには、PCのオン状態と連動するコンセントが付いているテーブルタップを利用できます。PCのオン状態は、一次側AC電流検出(またはUSB端子の電圧検出)により行う仕組みですが、今回は手元にあるAC電流検出型の連動テーブルタップを使います。
2Fからの給電
あとは1F、2Fどちらからでもアンテナに給電できることが必要ですので、2Fからの給電ができるか調べます。
1Fで外したブースタ電源部を2Fに設置して実験してみるとテレビが映りません。2Fからの給電ができないようです。
昔主流だった「1端子電流通過型」が使われているのでしょう。
このタイプは右の写真の例のように一端子のみ電流通過と表示されています。要するに一端子のみ直流を遮断するコンデンサーが入っていないということです。
現在は「全端子電流通過型」が主流です。右の写真は4分配器の例で全端子から電流通過です。
同時に多数から給電した場合、負荷には一番高い供給電圧の端子から給電されます。各端子にはダイオードが付いていて電圧が高い端子から低い端子に逆流しないように保護されます。
現状のアンテナ配線の調査
家のどこに分配器があるか、昔の工事のときに立ち会っていないのでわからないのですが、配線から検討をつけて探すと2F上のロフト(物置)にありました。壁の中に埋め込まれていたりしないかと心配したが、リーチしやすい場所でした。
やはり使用している4分配器が「1端子電流通過型」であり、これでは2Fから給電できないわけです。 現状の配線を調べた結果をまとめたのが下図です。
アンテナ配線の改善
これを最小限の変更で改善しようとするのが下図の配線です。
主なポイントは
- テレビには直接ケーブルをつなぎ、テレビの設定を「テレビから給電する」に変更
2階からも給電できるよう「全端子電流通過型2分配器」を追加して上図のように配線変更 - ブースタ電源部を2Fに設置
- パソコン連動のテーブルタップを設置し、連動コンセントからブースタ電源部のACをとる
実際に設置した分配器近辺の様子が右の写真。(場所柄、実にたくさんの埃がたまっていた)
一番左が既設の4分配器で、これとACコンセントの間にあるのが、今回を追加設置した「全端子電流通過型2分配器」です。
なお、写真に写っているACコンセントは、今は照明用に使用しているが通常は使用していない。おそらくブースター用に設置したものと思われる。
変更後は、ブースターの電源はパソコンと同じくUPSから電源を取ることになります。これまでは録画中に停電が起こるとアンテナへの給電が止まり録画が途切れたのですが、今回の変更により、短い停電だとUPSによりバックアップされ途切れずに済みます。
節電効果の計算
この電源部の消費電力は実測で10.5Wです。常時電源供給の場合の一月あたりの電気代は、1kW当たり電気代が22円として計算すると
10.5W×0.001×24時間×30日×22円=166.3円
結構食っているものですね。
節電については、一日24時間のうち、3時間テレビ視聴+5時間録画等サーバオンで、残り16時間をオフできたとすれば、2/3を節電できることになります。
一月あたり、前記常時給電の2/3の約111円、年間に換算して1,330円節約できます。 追加した分配器やコネクタなどの部品代は一年足らずで回収できる計算になります。
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