11月8日に皆既月食がありました。今回は長い皆既月食であると同時に天王星が月に隠れるという超稀なものでした。当地では最初は雲がかかっていましたが、途中で雲が晴れてなんとか撮影できました。
目次
今回の月食について
以下の情報は国立天文台の情報に基づきます。
長い皆既月食
今回の皆既食は高度40度あまりという高い天空で86分間も続きます。
日本での皆既食は
- 前回は2021年 5月26 日
- 次回は2025年 9月8日
たいへん珍しい惑星食が見られる
今回、月食中の月に天王星が隠れる「天王星食」が起こります。
皆既食中に惑星食が起こるのはたいへん稀なことです。
日本での皆既食中の惑星食は
- 前回は1580 年 7 月 26 日(442年前、織田信長の時代)の土星食
- 次回は2344 年 7 月 26 日(322年後)の土星食
月食と天王星食のデータ
国立天文台の情報によると
- 月食の始まり:18時9分
- 皆既月食の始まり:19時16分
- 天王星食の潜入開始(京都で):20時32分
- 皆既月食の終わり:20時42分
- 天王星食の出現開始(京都で)21時21分
- 月食の終わり:21時49分
にとなります。
月食・天王星食の撮影
今回当地では月食の最初の方は雲がかかり観察できず半分あきらめていましたが、19時を過ぎた頃雲が切れて見えているのに気づき、慌てて撮影開始しました。
19:27 皆既月食の初め頃
下が最初にきれいに取れた一枚です。すでに「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる、赤黒い色になった皆既月食の状態です。
20:05 深い月食
この頃、月が地球の影の中央付近にあり、月の全体が一番暗い状態です。
20:38 天王星が月に接近
月の左下に天王星が近づいてきました。他にも近くに星がありましたが、他の星と違って青色の星が月に向かってかなり速く近づいて行きます。天王星です。
色は青く、水玉のように見えますが、ピントが甘い影響があるかもしれません。
更に近づいた時点(20:39)の拡大
21:34 天王星再出現
月に隠れた天王星が21時20分すぎに現れるはずだと待っていましたが、なかなかカメラに捉えられません。月の欠けが半分以下になって明るくなったため、暗い天王星が見えないのだと気づき、露出を上げてなんとか撮れたのが下の写真です。見にくいですが、右斜め下の黄色の円内にかすかに見えます。
拡大
上の写真を見やすく拡大したのが下です。
21:59 月食後の満月
月食ショーが終わり最後にきれいな満月を撮影しようと思ったのですが、あいにく雲が出てきて隠れてしまいました。暫く待って少し顔を出したところを撮影しました。
最後も雲に邪魔されましたが、皆既月食と天王星食が見えたのは幸いでした。
使用した機材
下記前回の記事で紹介した内容と全く同じですのでここでは省略します。
今回の撮影で悔やまれるのはレンズフォーカスが甘くなってしまったことです。使用したレンズは超望遠でマニュアルフォーカスのため難しいのです。オートフォーカスのありがたみを実感しました。