今、家の排水関係の改善にDIYで取り組んでいます。その一環で家からの排水を調べたところ、風呂の排水路の低さが課題であることが判明しました。そして調査の過程で壊した土管排水路の修復工事をしました。
目次
排水が溜まるのを解消したい
家の裏手の道路との間に素掘りの水路があります。昔は井戸からのきれいな湧き水が常時流れていたのですが、今は地下水位が下がって湧き水はなく、雨水と生活排水(下水がないので)が流れています。
3年前に排水経路にあった田んぼを宅地化した関係で経路の途中が高くなったため、水はけが悪くなり常時水が溜まるようになってしまいました。それで、以前紹介しましたが、下記のように黄菖蒲が自生して繁茂状態にあるわけです。
この水はけをなんとか良くしたいと検討を始めました。
排水経路を調査
一般に水が溜まらないようにするには、低いところに土を入れて地盤を高くすればよいわけです。雨水はそれで良いのですが、今回の問題は生活排水が水路に出る排水口の高さが低いことです。一旦下流より低いところに落ちた水はそこに溜まってしまいます。なので排水口を下流の高さより十分高くし、宅内からの排水溝を下流に向けて徐々に低くするようにする必要があるのです。
会所枡の位置と高さ関係の調査
それでまず、家庭排水が家裏の水路に出るまでの経路を調査しました。
流し等からの排水は家から出たところで会所枡という四角いコンクリートの箱に入っていて、家の敷地から水路に出る直前にも会所枡があります。排水の設計では、メンテナンスがし易いように合流点や直角曲がりに会所枡を設け、枡同士の繋ぎは直線にするのが基本ですが、実際その通りになっていました。
透明チューブに水を入れて両端の水位を比較する水盛り管の方法を使い、高さ関係の測定を行いました。結果、家から出た所の会所枡や途中の会所枡の位置は高いが、水路に出る直前の会所枡が低い。この出口枡を高くすれば上記の下流に向けて徐々に低くなる排水経路が実現できることが分かりました。
但し、風呂の排水が直接出口枡に行っており、この風呂の排水を高くしないと実現できません。
風呂排水路の調査
次に、風呂の排水を高くできるかの調査をしました。昔の工事で図面など無いので、実際に地面を掘って水路を確かめるしかありません。
経路を推定して掘る
家から出たところの高さを調べることにし、出口枡からの管の向きと風呂の位置関係から当たりをつけます。
上の写真で上部の白いコンクリート部分が家の犬走で、このあたりの地下を写真の上から下に通っていると予想し、思い切って掘り始めました。
掘っていくと途中ガス管があり、傷めないように注意して更に掘ると、予想より少し右にずれて下記写真のように土管を発見しました。
隙間が見えますが、今回割れたものではありません。下の方にも赤い煉瓦が見えたので、そちら方向も掘ると下写真のように別の塩ビ管が表れました。こちらは水道管のようだ。
更に土をどけてみると、土管の水路を通ってきた風呂排水は、この接続で向きが少し変えられて煉瓦で作られた水路を通り写真下方にある出口枡に行っていると分かりました。
風呂排水路の水位測定
排水の水位を調べるため、思い切ってこの接続部分を壊したのが下の写真です。
土管の下側は、他の排水路(台所、洗面など)と比べ随分深く、今回目的の水位より約30cm低い。
これを高くするには、家の中の排水経路から高くしなければなりませんが、その経路は床下あるいはコンクリート土間の地下を10m以上続くので大工事になり、とても私の手に負えません。
以上の結果から、風呂排水だけは上流から下流へ徐々に低くして自然に排水することは無理だと分かりました。
ポンプアップしかない
これを解決するためポンプアップ(揚水)しかなく、その方向で進めることにします。
まず、今回壊した所に枡を設けてポンプアップする方法を思いつきましたが、近くにあるガス管や水道管を逃げなくてはならないので工事が面倒です。それでどうせポンプアップするなら従来の出口枡からポンプアップするのが、工事の手間が最小で済みベターと考えました。
排水土管の修復
上記結論より、この場所は元通り修復することにします。
修復のため一定まで壊してきれいにする
土管の上に隙間など前の工事がいい加減に思えたので、きちんと修復することにしました。
上写真のように土管の出口の割れ方が汚いので、カットして整形します。ディスクグラインダーとダイヤモンドディスクを使うと簡単に切れ、下の写真のようにきれいになりました。
延長土管とカバー片を作る
切った土管を延長するのに、古い土管が残してあったので利用します。下写真のように土管の片方に継ぎ目のためツバがついています。
ツバから必要な長さまでを切って使います。上記と同様ディスクグラインダーで切りました。
カバー片を作る
土管の残った材料でカバーするためのカバー片(曲面板のパッチ)を作ります。
カバー片一枚では曲面のカーブが合わないので2枚に分けることにし、カットしました。
土管は真円でないので、曲率が小さいところを切り出すと上記写真のようにうまく重なりました。
仮組み立て
下の写真は延長の土管を仮に置いて、傾斜の確認とカバー片の具合を見ている。写真はカバー片一個を当てているが、もう一個を土管の上部に乗せます。
煉瓦側も整形のカットをしたので、その粉で周囲が赤く染まっています。
組み立て工事
土管の下地
土管を置く下地にはドライモルタル(砂とセメントを混ぜたもの)を敷いた。それが下の写真の白い部分で、設置時は位置の微調整ができ、時間が経過すると水分を吸収して固まってくれる。と思ったのですが、この後、通常のモルタルを敷いたので土でよかったかもしれません。
土管を取り付け
接続部ツバに水漏れ防止のコーキング材を塗って、延長土管を元の土管に被せます。反対側はレンガ水路の口に入れ、下まで押しつけます。つなぎ目の開口に先に作ったカバー片2枚で覆うと下の写真のようにピッタリ納まりました。
モルタルで巻く
上記仮固定の状態でモルタルで固定したところが下の写真ですが、作りすぎたモルタルを使い切ったので大げさになりました
埋め戻し
モルタルが乾くのを2日ほど待って土を埋め戻し、修復が完了しました。
今後の予定
これで一段落ですが、まだ序章にすぎません。当初の水はけをよくするという目的の実現のためには、次の3点が必要です。
- 家から下流まで徐々に低くなる新しい排水路を作る
- 風呂の排水を新しい排水路に流すためのポンプアップ装置を作る
- 旧水路など低い所に土を入れて高くする
それぞれ、そう簡単ではありませんが今後取り組んでいきます。
その後の状況[2022年追記]
その後予定通り1,2,3の工事を行い、もう6年が経過しました。
風呂の排水については水中ポンプで汲み出しています。風呂を流す前にポンプのスイッチを入れ、排水が終われば切ります。自動化の計画もあるのですが、新しい風呂の計画もあるのでこのまま使い続けそうです。
コメント
土管がある排水のDIYについて読ませていただきました。ありがとうございました。
私も似たような課題を抱えています。水位差については問題ありませんが。
雨水桝の最終桝が宅内にあります。家が立ったときは、台所の排水と雨水が、それぞれ別の土管の中を通り、桝に流れ込んで、桝から下流側は道路下に流れ出ていました。
現在、台所の排水は塩ビ管に変わり、家の外側の桝に流れていて、したがって台所用の土管は使っておらず、当桝には雨水しか流れ込んでいません。そこで、私は雨水の土管と下流側の土管を塩ビ管で直結するようにしました。ご存じの通り、上流での接続は被せるようにし、下流での接続は、穴に入れ込むようにすべきですが、上流の雨水が流れる土管は先が3、4センチくらい欠けていて、被せることができません。モルタルで割れを修復するのも心もとないので、応急処置の第一の方法として、75VUのまわりにパッキンを取り付け、雨水の土管100に差し込み、また下流側はチーズをつけて掃除用点検口をつけて下流側に流すようにしています。まだ本格的な雨が降ってないので確認できていない状況です。なぜ直結するかといかと、流入と流出が一つずつで、桝の意味が無いこと、また、宅内だと湿気があると良くないことからです。
しかし、この方法はいちばん良い方法とは言えません。第二の方法として、欠けた部分を修復するため、雨水の土管100の内側に75の土管を入れエポキシで接着し、また欠けた部分もモルタルで作る、そして継いで持ち出した75の土管の外側に丁度100VUが被さるので、あとは下流側は穴に入るように75あたりに変換しようかと考えています。
今回の場合は欠けた部分は桝の奥というか、外側に位置していまして、ダイヤモンドカッターなど入るところではありません。
いろいろ細かく書いて申し訳ありません。
図をお送りすれば、簡単にお分かりになるかとは思います。ご意見いただけたら幸いです。
閲覧ありがとうございます。返信が遅くなりました。
「桝を壊さないで上流側の土管100と下流の土管100を直結したい」と理解しましたが、よろしいでしょうか?
上流と下流の土管が直線上にあるのなら、U字溝または塩ビ管を桝の中に仕込み、モルタル等で固定する方法もあると思います。大雨の時を考慮して管の内径を細くしないほうが良いと考えます。
土管の欠けている箇所については、何か当てものをしてモルタルで巻けば良いのではないでしょうか
文章での説明では難しいですよね。図面を提示してくださるのなら、
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