クロスカブにシフトポジションインジケータがなくて不便だというので、息子がDIYで取り付けるのを手伝うことになりました。ホンダドリーム(タイカブ)の部品を利用して後付け感なく純正に見えるインジケータ表示を実現できました。
【追記】インジケーターの光源をカラーLEDに交換しました。(2018-1-11)
目次
クロスカブのシフトインジケーター問題
クロスカブとは
右がホンダのバイク・クロスカブで、ホンダのリリースによると『ビジネスモデルとして取り回しやすさや経済性などで定評を得ている「スーパーカブ110」をベースに、アウトドアイメージのスタイリングと装備を施したレジャーモデル』という。
エンジンは110cc、定地走行燃費はなんと62.5km/ℓ。
クロスカブにはシフト(ポジション)インジケーターがない
クロスカブのギアチェンジ方式はカブ独特のロータリー式ですが、ベース車であるスーパーカブ110と同じくシフトポジションインジケーターがありません。そのため交差点で止まった時など、今どこにポジションがあるのかわからなくて困ることが多いそうです。
通称タイカブ(タイ生産のためこう呼ばれる)のホンダドリーム125ccにはシフトインジケーターが付いています。右はクロスカブの表示でスピードメーターの左右のスペースは一部しか使っていませんが、タイカブはここにシフトインジケーターがあるのです。
シフトインジケーター追加のDIY
角目といわれる外観デザインが似ているだけでなく関連部品も共用しているんでしょうか、実はクロスカブには(ベース車であるスーパーカブ110と同じく)センサーが装備され配線も来ているのです。市場にはインジケータ追加のための関連部品も出回っています。
これはDIYでインジケータを取り付けなさいと言われているようなもので、ネット上でもDIYのブログが賑やかです。例えば下記のブログ。
タイカブの表示部を移設する案
ただ、息子の希望は「後付感がないインジケーターを取り付けたい」と贅沢です。
ネット情報ではクロスカブとタイカブの表示部の外形は同じで、信号も取れるらしい。ならばタイカブの表示部(中身)を移設すればよいのではないかと考えられます。
タイカブの部品を購入したが
それで息子はタイカブのスピードメーター表示部を部品購入しました。しかし、実物を入手してみると内部ケースの取付構造が違ってクロスカブに取りつかないのです。ネット上で調べてもその辺の情報はなく、「お父さん、いい方法ない?」と相談されたわけです。
シフトインジケータといえば以前数字式の物を付けるとかで、そのケースの加工を手伝った記憶が…(写真右)
ま、いっか。そりゃ、後付け感満載の数字が表示されるモノより、あくまで純正っぽくが理想だろう。
ということで、タイカブの表示部の移設を手伝うことになりました。ネット上にはたくさんの情報がありますので、配線などはそちらで調べればわかります。ここではケースの加工について紹介します。
メーターケースの加工
まず、どうしたらタイカブの表示部を移設できるかの検討から始めます。
ケースの比較検討
クロスカブから取り外したケースと購入したタイカブのものを見比べます。
クロスカブ用の色は白いですが、タイカブ用はグレーがかっていて、3方に取り付け用と思われるツバが出ています。クロスカブに比べ、ランプが入る穴が左3個、右1個、計4個多い。
両者を見比べた結果は
- 必要なインジケーターランプの穴はタイカブ用がそろっている
クロスカブ用は穴が少ない。 - クロスカブへの取り付けはクロスカブ用のケースが合っている
タイカブ用はクロスカブに取り付けられない
という当然なことを確認したわけです。
(どうもタイカブとスーパーカブ、スーパーカブ・プロとクロスカブが、それぞれ同じ取付構造らしいです。)
今回の目的については
クロスカブにない4つのランプ部分をタイカブのケースから切り出し、クロスカブに追加接着する
ことで実現できそうです。
クロスカブのボスが邪魔?
位置関係見るため下写真の様に二つを重ねてみると、クロスカブの穴の位置は全てタイカブと同じで問題ありません。ただ、クロスカブのケースの今回追加したい場所(裏側)にボスがあります。(下写真の緑の丸印)
取り付け等に使っている場合は、これを削除するとやばいかも?
しかし、よく調べるとこのボスは使われておらず、削除しても問題ないことが分かりました。取り付けに必要なのは、写真上側左右のビス用ボスと下側横から止める金具の合計3か所です。
切り出し加工
タイカブケースから必要部の切り出し
下のようにランプ3連部と2連部を切り出しました。2連の方の追加したいのは一つですが、加工がやり易いよう2つまとめて加工します。
写真は切り出したものをバリ取り成形したのち、説明のため元の位置に置いたものです。
切り出しは主にフライス加工で行いました。フライス加工はボール盤を改造して使っていますが、改造については下記記事で紹介しています。
クロスカブケースの切り欠き
次にクロスカブのケースに、切り出した部品を取り付けるための穴を開けます。下の写真は加工した結果です(左が内側、右が外側)。これも主にフライス加工で行い、やすりで仕上げました。
ランプ3連の所も含め、周辺の枠が途切れないように切り取っています。
仮組み
前記でできたもの組み合わせてみます。削りが不足して干渉するところところはやすりで削って、下記写真のようにキッチリ嵌るようになりました。(左が内側、右が外側)
写真右でわかるように一部隙間が大きい部分もあるのが少し不満なのですが、後記のようにエポキシ系接着剤で埋めるので実用的には全く問題ありません。
接着
使用接着剤
接着剤に何を使うか迷いました。樹脂を溶かしてくっつける塩ビパイプ用接着剤が良いかと思ったのですが、試すと全くつきませんでした。樹脂の場合種類により化学的性質が違うので難しい。
結局、ポリプロピレンも接着できてプラスティック用と謳っているGPクリヤーで接着後、エポキシパテ プラ用で固めることにしました。
なお、同じGPクリヤーでもポリプロピレンに対応していない品番もあるので注意が必要です。
接着作業
GPクリアーは薄く塗った後、10分ほど乾燥させてから接合します。(これ大事です)
次にエポキシパテを爪楊枝や丸箸を使って隙間やリブやボスの間に詰め込み、表面の継ぎ目部分は指でならしました。これで各段に構造強化されます。
下が接着後の様子です。エポキシパテ プラ用は青みがかった灰色です。
取り付け
息子が結線をしてバイクに組み込みました。
タイカブと同じ表示部を使用していますので当然ですが、純正のように見えます。速度表示のMAXが160km/hになっていますが。ヽ(;´Д`)ノ
息子はランプを高輝度の白色LEDに替えているので、下のように夜は眩しいです。
次はランプに色付きのフィルタを入れる計画だそうです。
インジケータに色を付ける【2018年1月11日追記】
純正のインジケータは、色のついた樹脂カバーを背面から豆電球で照射することにより色分けして見やすくなっています。
今回二つのケースを合成したので、樹脂カバーの色がうまく合いません。
樹脂の染付け
息子は樹脂を染色する方法があることを知って、染色材を購入しました。
私も手伝って実際やってみると、確かに染まるのですが、色が薄いのです。染料を濃くしたり、温度を上げたり、時間を長くしたりしましたが、どうしても欲しい濃さになりませんでした。
カラーLED
それで私が提案したのがカラーLEDです。
背面照射している白色のLEDをカラーLEDに交換するのです。ただしこのケースに使えるT10タイプのカラーLEDが入手できるかですが、値段は少し張りますが売っていました。
それでカラーLEDに交換したのが下の写真です。これも夜の写真ですが、輝度も落ちて見やすくなりました。
コメント
65歳JA10クロスカブ乗りですが楽しく拝見しています。
私もよく似たタイカブメーターを入手できそうなので、ぜひ参考にさせてください。
ケースの加工、切ったり貼ったりお疲れさまでした。
①速度メーター自体はタイカブ用を使ってみえますが、速度表示・積算計の誤差など問題はないですか?
②また、元のJA10速度メーターでも装着できますよね?
どうぞよろしくお願いします。
遅くなりましたが、回答します。
>①速度メーター自体はタイカブ用を使ってみえますが、速度表示・積算計の誤差など問題はないですか?
速度表示については感覚的ですが問題ありません。(タイヤの直径が同じなら問題ないはず)
積算計
は別になっていますので、速度メーターの交換には関係しません。も同様です。>②また、元のJA10速度メーターでも装着できますよね?
本記事では
・シフトインジケータの表示のためにタイカブのメーターユニットを使用
・メーターを車体に取り付けるためにクロスカブのメーターケースを使用
このため、両者のメーターケースの必要な部分を切り取って合体しています。
JA10も同じ方法で行けるように思いますが、本記事のクロスカブと違う点があるかもしれないので、JA10と入手したタイカブのメーターケースをよく見比べてください。以上です。改造頑張ってください。
<追記>2018.8.2 JA10とは新型でないクロスカブのことなんですね。私の理解不足があったので修正しました。
追記します。
>②また、元のJA10速度メーターでも装着できますよね?
もし質問が、タイカブのメーターユニットではなく「JA10の元のメーターユニットを使用する」という意味ならうまく行かないと思います。
JA10(クロスカブ)は最高速度表示が120kmと160kmと異なって針の振れ角が違いますので、メーターユニットと表示パネルを対で交換しなければなりませんが、JA10の表示パネルにはシフトインジケーターの穴がなく、ニュートラルランプの位置も違います。
<追記>2018.8.2 表示パネルの速度表示はJA10を、インジケータなど左右部分はタイカブパネルを利用する方法が考えられますね。
いろいろと詳しくありがとうございます。
めっちゃハードル高そうなので、まだ着手出来ておりません。毎晩美しいタイカブメーター眺めてます(汗)がんばります。
あちこちクロスカブのインジケーターについて
調べてたらこちらにたどり着きました
このタイカブのメーター入手したいのですが
どちらで購入されましたでしょうか?
わたしもやってみたいと思いますので
よろしくお願い致します。
返信が遅くなりました。以下、息子からの情報です。
このインジケーターはタイからの留学生のツテで仕入れました。
一般的な入手法としては、
①タイカブを取り扱っているショップでパーツだけ売ってもらう
②spiralspinner(https://spiralspinner.jp/)という店で、これとはメーターパネルが違うが取り扱いがあります。
大変参考にさせて頂きました。自分はJA45に乗っていますが、メーターケースを確認したら
タイカブのように左右のランプを入れたい箇所に必要な穴が元々付いておりましたので、
自分の場合はタイカブメーターを取り寄せて、純正ケースを使いつつタイカブのメーターパネルの左右の必要な部分だけを切り取って純正パネルに移植するという作業でやりました。
ですので、見た目はクロスカブのメーターにシフトインジケーター1~4までが
標準でついているかのように見えております^^
タッチさん、参考になり良かったです。