田んぼで耕耘作業中のトラクターに、アマサギがまとわりついています。耕耘で出てくるミミズなどの餌を求めているのですが、普段は用心深く人が近づくと直ぐ逃げてしまうくせに、トラクターなら怖がらずすぐ近くまで寄ります。安全だと知っているのです。
アマサギは世界中の暖かい地域の草原、湿原、農耕地に広く分布し、日本の本州以北では繁殖のため夏に飛来する夏鳥で、冬は南方へ移動して越冬します。
夏季以外はほとんど全身白色で、他のシラサギと一緒にいていることも多く、他のサギより幾分小型なだけで見分けがつきにくいですが、夏の繁殖期になると、頭、胸、背中の羽毛がうすいオレンジがかった黄色(飴色、亜麻色)に変わるのでよくわかります。これが名前の由来になっているわけです。
食性は動物食で、昆虫、クモ、魚類、両生類、小型爬虫類、甲殻類など多種。牛などの大型の草食獣の背中に止まり、寄生虫を採る写真も見かけます。
亜麻色
亜麻色 |
亜麻色(あまいろ)とは、亜麻を紡 いだ糸の色のような黄色がかった薄茶色のこと。日本では、明治以降に使われるようになった比較的新しい色名です。アマサギの色は亜麻色より飴色の方が当たっていると思います。
『亜麻色の髪の乙女』という曲が有名であるため、一般的に髪の色として知られています。
我々の時代の『亜麻色の髪の乙女』はヴィレッジ・シンガーズですが、今は島谷ひとみのカバーバージョンでしょうね。クラシックではフランスの作曲家ドビュッシーの前奏曲「La Fille aux cheveux de lin」(亜麻色の髪の少女) です。
亜麻色の髪は「金髪の一種」という理解が多いようですが、いわゆる「ブロンド」とはイメージが異なり、金髪から「金色の光沢」をとったような淡い髪色、正しくは薄い栗色の髪を指しているようです。
亜麻(あま)
亜麻はヨーロッパ原産の麻の一種で、比較的寒い地方で栽培され、日本では北海道のみが栽培適地です。亜麻の種子を絞れば亜麻仁油 に、茎からとれる繊維で織ったリンネル(リネン)製品は高級な麻織物になります。
亜麻は、大麻(おおあさ、ヘンプ)よりも柔らかくかつ強靭で上等な繊維、その強靭性から、かつてテントや帆布として広く利用され、大航海時代の船の帆布はアマの繊維であった。現在は大麻がロープや麻袋などに使われるのに対して、亜麻は、通気性・吸湿性に優れて肌触りが良いことから織られて高級な衣類になります。
亜麻はヨーロッパの言語で、「リン」、「ラン」、「ライン」などと呼ばれ、それぞれリネン、ランジェリー(亜麻の高級繊維を使用した女性の下着から)、英語のLine(細くて丈夫な亜麻糸から)の語源になっています。