我が家は田舎ですので庭に植木や果樹が多くあります。よく茂る木々の剪定はDIYでやっていますが、たくさん出る剪定屑の処理に困ります。今回新しいガーデンシュレッダー(枝木粉砕機)を導入したので紹介します。
目次
我が家の剪定屑処理の現状
家庭で剪定屑(せんていくず)を処理する方法は
今どきの処理法は、以下のような方法が考えられます。
- 焼却する
野焼きが原則禁止になってやりにくくなりました。 - ゴミとして出す
そのままだと嵩張るし、枝先がゴミ袋を破ってしまいます。 - チップにしてマルチングに使う
雑草を防止し、時間がたてば堆肥になるのでエコな処理法です。
細かく粉砕すれば早く堆肥化できます。
家庭用ガーデンシュレッダー(剪定枝木粉砕機)
このうち、3.のためには枝木を細かく粉砕する必要があります。2.のゴミに出すにも粉砕すれば体積を減らせます。つまり焼却以外の処理で活躍する、枝木を粉砕する機械がガーデンシュレッダーです。
現在保有のガーデンシュレッダー
実はだいぶ以前に写真のリョービ製ガーデンシュレッダ 「バリバリータ GS-2000」を購入しました。
原理は上から枝木を入れて、下にある回転刃に押し付けて裁断するものです。
枝木は上から入れます。枝木を手で押し、掴めないほど短くなったら押し込み棒を使います。なので、
- 枝木を手で押し続けなければならない
機械は引き込まないので手で押し込む必要があります。刃が当たる振動が手に伝わります。 - 押し込み棒ではうまく押せない
手でつかめなくなった後は押し込み棒を使うのですが、枝木を縦にしたまま押し込むことは困難です。 - 押し込み棒がすぐ破けた
空洞のプラスティックでできており、数回使ったら先の部分が破けました。仕方なくガムテープで補修しました。 - 屑が詰まりやすい
枝木がうまく入らなかったり、葉が多いとよく詰まる。詰まると、下の写真のようにカバーを開けて詰まった屑を取り除かねばならない。
要するに効率が悪く、実用的とは言えない。近年ほとんど使わなくなりました。
市販ガーデンシュレッダーの調査・比較検討
今年は、ここ数年サボってきた剪定をまともにやりだしたら剪定枝木がいっぱい出た。それでまともなガーデンシュレッダーが欲しくなり、最近の機種はどうなのかとネットで調べた。
家庭用ガーデンシュレッダーには2つの方式がある
枝木を細断する方式に次の2種類あります
カッター式
上記GS2000の方式で、円盤に取り付けられた刃が回転して粉砕します。
- 音や振動が大きい
音はうるさいし、枝から振動が伝わり、手がしびれることもある - 枝は押し込み
手で持ち続ける短くなると押し棒で押し付ける必要(最近の機種は引き込むものもある) - できるチップは細かい
- 枝の太さによる調整は無い
ギア(ローラーミル)式
右の写真のように歯車(ギア)のような刃が回転して粉砕します。特徴は
- 音や振動が小さい
- 枝は自動的に引き込まれる
- できるチップは大きめ
- 枝の太さにより刃の隙間調整が必要
カッター式を購入された方は私と同じ思いをされているようで、ネットの評判はギア(ローラーミル)式の評判が圧倒的に良く、購入の価値ありと判断しました。
各社ガーデンシュレッダーの比較検討
家庭用に販売されている各社のガーデンシュレッダーを調査しました。主な機種を比較してまとめると下の表のようになります。
メーカー | リョービ | インターファーム | ミナト | YAMAZEN |
品番 | GS-2010 | LSG-2100 | MGS-1510Si | YRM-35A |
外観 | ||||
方式 | カッター | ギア | ギア | ギア |
粉砕片 ボックス |
箱 50L | 集枝バッグ | 箱 50L | 箱 50L |
消費電力 | 1450W | 1500W | 1500W | 1500W |
ACコード | 延長コード5m | 延長コード付属せず | 延長コード10m | 延長コード4m |
定格 使用時間 |
記載なし | 記載なし | 25分 | 60分 |
売価 (税込み) |
25,759円 | 23,265円 | 24,800円 | 29,800円 |
販売店 | Amazon | Yahooストア 楽天 |
Yahooストア 楽天 |
Yahooストア |
価格は私が執筆時(2016年8月)にネットで調べた範囲で最安値です。販売店名をクリックするとそれぞれの商品販売ページにジャンプします。2017.5.31値段修正。
リョービのGS-2010は、私の持っているGS-2000からは改善されているようですが、カッター方式の欠点を完全にはカバーできていないようなので除外して、ギア式から選択することにします。
粉砕片ボックスがあるほうが良いので価格でミナトのMGS-1510Siに心が動いたが、定格使用時間が25分しかないのが気になった。結局、値段は高いが耐久性を考えてYAMAZEN製YRM-35Aを購入することに決めました。
YRM-35Aの入手と組み立て
右が段ボール箱で届いたYAMAZEN製YRM-35Aです。生産地は中国でした。
YRM-35Aの主な仕様は
- ローラーミル刃粉砕方式(ギア式)
- 隙間調節機構
- 逆転付き
- 安全レバー付き粉砕片ボックス
- モーター過負荷防止ブレーカー
- 延長コード 4m
- 定格時間:60分(20℃)
開梱
下は開墾して部品を取り出したところ。本体、粉砕片ボックス、押し込み棒、車輪の部品、工具、防塵メガネです。
組み立て
本体重量はありますが、下記のように組み立ては簡単です。
- 本体を粉砕片ボックスに逆さにおく
本体重量は19kgあり、女性一人ではしんどいかもしれない。 - 足を上に持ち上げ、車軸と車輪を取り付ける
付属しているスパナと六角レンチを使います。 - 車輪にホイールカバーを取り付ける(はめ込み式)
YRM-35Aの使い心地
使ってみた印象
早速使ってみました。動画で見てください。
(YouTubeを参照するようにしました。2016.11.28)
月桂樹の元口2cmくらいの長い枝ですが、このように簡単に処理できます。
最初枝が食い込むと、後は自動で引き込まれます。途中引き込みが止まることもありますが、軽く手で押せばまた引き込みを再開します。
やはりギア(ローラーミル)式は使いやすい
- 枝は自分で引き込まれるので、枝を押し続ける必要がない。押し棒で押したりすることもほとんど必要ない。
- 枝が暴れることもあるが手に持っていないので平気
- 粉砕片ボックスがあるのが良い
- 刃の交換がやりやすい
- 音がカッター式に比べ静か
ただし。できたチップ(粉砕片)は細かくはない。
使いこなしのコツなど
この機械は従来のものより格段に良くなっていますが、完璧ではありません。以下具体的に書きます。
枝の太さ対応能力
柔らかい木なら35mmの枝も粉砕できた。仕様の最大粉砕能力25~35mmは額面通り信じてよい。
ただし、刃の隙間調整が狭いと太い枝は負荷が重くなり止まる。隙間を広げ過ぎると数珠のように繋がって出てくるが、その場合は隙間を小さくしてもう一度通す。
あと、完全に乾燥した枝木は固くなるので、乾き過ぎないうちに処理すること。
刃の隙間調整の目盛りがない
上手にチップにするには、処理する枝木の太さに合わせて、ノブを回して隙間の調整を行わなければならない。
ところが、目盛りがないのでどれくらい隙間を開けているのかわかりにくい。私は右写真のように、ノブ(ダイアル)にマジックでマーキングし、閉めたところから何回転開いたかで隙間を調整している。
なお、同じくらいの太さの枝木をまとめて処理すると調整回数を減らせて効率が良いです。
葉の詰まり
ヤツデなど、葉が大きくて多い木は、葉が塊になって内部で滞留し噛みこまなくなることがあります。その時は枝などでできるだけ葉を取り除き、別の適当な枝を入れれば一緒に噛みこみ回復します。付属の押し棒はあまり役に立ちませんでした。
まだ経験していませんが、それでも詰まりが取れない時は、六角レンチで4本のビスを緩めギアのカバーを外したり、ビス6本を緩めて上部のカバーを取り外さなけれななりませんので面倒です。
予防としては、葉が多い枝木は枝を切るなどして、葉の処理が一度にかたまらず分散されるように投入することです。
電源コード
付属の延長コードは4mしかありません。作業場近くにコンセントがあればよいのですが、通常はさらに別の延長コードが必要になるでしょう。
本体から出ている短いコードと延長コードの接続部分はちょっとしたことで抜けやすいです。
対策としてコードの引っ掛けを作ろうかとも思ったのですが、下の写真のように延長コードを足に絡ませるだけで十分抜け止めの効果がありました。
剪定枝木の処理後の利用
できたチップをマルチとして撒いた
たくさんチップ(粉砕片)ができたので、下の写真のようにブルーベリーの木の周辺に撒いてグランドカバーしました。
木の太い部分は薪として利用
粉砕できない太い木の部分は、薪ストーブ用の薪として使いたい。薪ストーブはまだありませんが将来的には導入したいと思っているのです。
そのために長さ40cmくらいに切断します。この時に活躍するのが下の写真の電気チェーンソーです。
もちろん立木の枝切りや、木(太さ10cmくらいまで)を切り倒したりにも使っています。リョービ製ですが、こちらはよく働き大きな不満はありません。自動供給のチェーンオイルが収納時にも、にじみ出てくることくらいです。
切った木は雨のかからないところに積んで自然乾燥させます。(もっと太い木は薪割りも必要です)
一年ほどで薪として使えるはずです。早く薪ストーブいれたいにゃー(=^ェ^=)
コメント
初めまして
ミナトのMGS-1510Siのガーデンシュレッダー購入したものです。
山善のYRM-35Aのものとほぼ同じ構造で製造メーカーも同じではないかと思います。
使いかっての質問です。
動作は満足でしたが、刃の清掃をしようとして、カバーを開けて清掃後、カバーを閉めようとネジ閉めしたところ、ネジばかになり、カバーを閉められなくなりました。
同じような問題は発生してませんでしょうか?
もし、さしつかえなかったら、教えてください。
ミナトのものは返品して新しいものを検討しています。
訪問ありがとうございます。
確かにミナトのMGS-1510Siと山善のYRM-35Aは似ていますね。
ねじバカの件ですが、私は写真を撮るために一度カバーを開けましたが、問題はありませんでした。
これだけでは大丈夫とも言えませんが、今後注意して取扱いしようと思います。
私も同じものを2016年6月に購入しました。大変使い勝手がよく、気に入っていたのですが、2017年11月にモーター付近から異臭がして止まりました。廃品処分のため解体してみて驚いたのですが、内部にかなりの埃がたまっていました。モーターにはファンがついていて内部に空気を送り込む構造になっていました。もちろんフィルターがついているのですが、その内部に埃が入ってしまったようです。回転子と固定子との間に埃が入っている。焦げ付いたのはそのためではないかと思います。
ミナトワークスの製品の写真をみると前面に空冷のためと思われるフィンがついているようですが、このような環境で使われるモータの場合、どのメーカーでもおなじような構造なのでしょうか。
リョービでも2020はギア式のようですので、買い替えはどれにしようか迷っています。
この機種で焦げ付いたとの情報ありがとうございます。
そのようなことがないように定格時間が明記されているものを選んだのですが、埃の問題があるのですね。私も時間があるときに内部の点検をしてみようと思います。