前回の記事で北陸へのドライブ旅行を紹介したように、初めて車中泊を経験しました。その体験談とともに、これから車中泊を考えている方に参考になると思う事項をまとめました。
目次
車中泊旅行のための準備
下の記事で紹介したように北陸に出かけ、初めて車中泊をしました。
車は下記記事で紹介しているステップワゴンRP3です。
まず、私がした事前準備について紹介します
車中での宿泊に備え準備したもの
改造などはしていない乗用車なので、車中泊するにはそれなりの準備が必要です。今回私が車中泊のために準備したものを紹介します。
シュラフ
昔キャンプで使っていた封筒型のシュラフを使います。一つは下に敷いてクッション代わりにするつもりで2つ用意しました。
遮光カーテン
車にカーテンはつけていません。寝るためには覗かれないためと遮光のため、窓に対策が必要です。今回は2列目から後ろを寝室化するため、簡易タイプのカーテンを買いました。
仕切りカーテン
右は、前席の後ろにつける仕切りカーテンです。これを使えばフロントウインドウと前席左右の窓は省略できます。
ピラー上方の隙間に金具を入れて取り付けるタイプです。ステップワゴンはうまくつかないとの情報があったので試しに付けてみたところ、ピラーの隙間のすぐ上がカーブしているのでやりにくいですが、つくにはつきました。
後部用カーテンセット
右のカーテンはワゴンの横と後ろの5つの窓用のセットです。
前記仕切りカーテンと同じ取付法であり、どうせ仮止めなので何とかなるだろうと取付確認は省略しました。(これが失敗のもとでした)
収納袋
前記後部用カーテンセットには収納袋が付属しています。
試しに仕切りカーテンも入れてみたら、右のように全部一緒に入りました。
空気枕
耳栓とアイマスク
光や音で眠れなくて困ることがあるかもしれないと、保険で用意しました。これらも百均で調達。
クッション
座席の凹凸をカバーするためクッションとして座布団を使うことにします。2列目の座席部分が低いのを2枚使って埋めます。
整理用プラスティック箱
百均でゴミ箱にする予定で買いましたが、丁度座席の間に置けて三脚などカメラ用品、携帯の充電用品、折りたたみ傘などの整理箱として役に立ちました。
2列目がキャプテンシートなので座席間の隙間があるのですが、今回はこれを置いて埋めました。
ヘッドライト
懐中電灯の代わりにヘッドライトを持っていきます。両手が使えるし、見た方向が照らされるので非常に便利です。
普段から愛用のヘッドライトは右商品と同等品です。
明るくて、ライトと電池が前後に分離していて重量バランスも良いです。充電式で電池交換が不要なので重宝しています。将来充電バッテリーがへたってきても18650タイプの電池なので交換できます。
携帯とタブレットの電池切れ対策
携帯とタブレットは大事な情報源ですので電池切れ対策を忘れずにしておきます。
USBカーチャージャー
車には普段からシガレットライターからスマホに充電できるUSBカーチャージャーを積んでいます。右写真がそれで一年以上前に買ったものですが、2.4A出力が2つあり、タブレットにも対応できます。
この類の商品は驚くほど安く売られていて、右は上記機種の新製品です。
モバイルバッテリー
スマホやタブレット用に普段使っているモバイルバッテリーを持参します。
上記カーチャージャーがあれば通常は出番がなく、寝る前にタブレットを使うときの電池切れ対策ぐらいです。
これも大容量の物がずいぶん安くなりました。右は私が使っているものです。
カーナビの事前設定
マップ等のデータの更新ができていなかった
カーナビ(カロッツエリア楽ナビAVIC-RL99、2015年モデル)を購入してから一度もデータ更新していないので、情報の古さを感じることがあります。もっと早くしておけば良かったのですが、出かける前日になって思い出してデータ更新を行いました。この機種は発売から3年間データ更新が無料です。
データ更新に時間がかかった
次の3ステップで更新します。
- 更新ページからデータをパソコン(HDD)へダウンロード
- SDカードへの書き込み
- SDカードを使ってナビの更新
環境にもよるでしょうが、今回プログラムも含む大規模更新だったので全部で数時間もかかりました。
最後のナビの更新にも一時間以上かかります。走行中にでも更新できるのですが、その間ナビが使えません。出発するときからナビを使いたかったので、ACC(アクセサリ)モードでバッテリー上がりを心配しながら更新しました。
あらかじめドライブ計画を入力
ナビには、当日臨機応変に素早くルート変更ができるように地点データなどを登録しておきます。
- 目的地や途中立ち寄る可能性のある道の駅や観光スポットを地点登録
- ナビの機能でドライブプランを作成
分割しておいた方が修正など融通がききますので、半日ずつ4つに分けて作成・登録しておきます。
車中泊旅行の初体験
車中泊したのは台風通過翌日の10月23日、石川県にある道の駅 山中温泉ゆけむり健康村の駐車場です。5時頃に着いた時は、100台以上収容の駐車場にたくさん車がありましたが、夜中になっても残って車中泊と思われるのは7台ほどでした。
カーテンの取り付けでトラブル
暗くなる前に車のカーテンを取り付けをしようと思い、開始しました。
ところがうまくつきません。ピラーの隙間と天井が近くて特に後席のカーテンは全くダメです。もっとちゃんと取付を確認しておくべきでした。(≧◇≦)
ここでネットの情報を思い出しました。予備に持っていた紐を切って両端を結び、金具に通したのが下の写真です。全部で16個作りました。
これを右の写真のように紐のくくった部分をピラー上部の隙間に入れるのです。紐が太めで隙間が広がりますが、実用上は問題ないでしょう。
こうして時間はかかりましたが、カーテンを付けることができました。
就寝はまずまず
寝るために用意したものが実際どうだったかを報告します。
遮光カーテンは十分効果があった。
遮光には十分でした。ただ、薄い生地なので断熱、遮音効果はありません。後述のように他の車のエンジン音がうるさかったが効果はなかった。
クッション
座布団2枚で座席はほぼフラットになり、3列目が少し高いが頭を後方(3列目)にすれば気にならなかった
空気枕は有効だった
やはり枕は必要ですね。空気で好みの固さに調節できましたし、フェルト付きなので枕カバーが無くてもビニール感はありませんでした。
封筒型シュラフ一枚だけでは寒かった。
最初一枚を下に敷きクッション代わりにしていましたが、夜がふけるにつれて寒くなり、途中から2枚重ねにして対策しました。
以上のように用意が妥当だったようで、まずまずの就寝ができました。アイマスクと耳栓は使いませんでした。
マナー
エンジンをかけっぱなしの車があった
深夜になってもエンジンをかけっ放しの軽ワゴンがあり、エンジン音が30秒ごとに5秒間ほどうなり音が大きくなるのが気になり寝られませんでした。車を一番離れた隅に移動したら音が小さくなりやっと寝られました。
さすがに朝にはエンジンをかけていませんでしたが、深夜にエンジンかけっ放しは重大なマナー違反だぞ~。ヾ(。`Д´。)ノ
ドアを閉めた時の音が響く
車のドアを閉めたときのバタンという音は大きくて、他車が寝ている状態では非常に迷惑です。この点スライドドアは大きな音がしないのでよいです。私はこちらで出入りしました。
ロックを解除せずにドアを開けたら警告音が鳴り響いた
車内に暫く過ごした後、外に出ようとうっかりノブでドアをあけたら大きな警告音が鳴り響いてしまった! w( ▼o▼ )w
急いでリモコンでロックの解除をして止めましたが、周囲に迷惑をかけてしまいました。
ステップワゴン(おそらく最近のホンダ車全て)は車に乗ってエンジンをかけないでいると、一定の時間が経過したときにドアの自動ロックがかかり、室内照明が落ちます。安全対策とバッテリー上がり防止でしょう。
ロック状態で室内からノブでドアを開けると警告音が鳴るのでドアを開けるとき要注意です。ロック中は先にロック解除を行なわないといけません。(リモコンでドアを開けてもよい)
ゴミは持ち帰りを徹底
以前は観光地等でゴミ箱に入りきらないゴミがはみ出している光景をよく見ましたが、最近は持ち帰りが定着してきましたね。車中泊でも当然ゴミ持ち帰りの袋などを用意しましょう。あと、旅行者に限りませんが、たばこの吸い殻の投げ捨てがまだ結構あります。やめて欲しいです。
ロングドライブで文明の利器はどうだったか
カーナビのありがたさ
やはりカーナビは便利でした。
- 知らない土地でも迷わず行ける
- 到着予定時間がわかる
- 現在の交通情報(通行止め、渋滞)がわかる
道の駅 氷見の近くで道路工事のため通行止めでしたが、ちゃんとナビに反映されていました。
ドライブレコーダー
ドライブレコーダーは万一に備える他に旅の記録になります。
長時間録画で失敗
今回、きれいな画像で残すため1080Pで録画したのですが、後日データを見たら帰路しか残っていなかった。エンドレス録画なので容量が不足し消えてしまっていたのです。(≧▽≦;)アチャー
感覚的にSDカードの容量が64GBなので十分行けるだろうと思い込んでいたが、丸二日分を1080Pで残すのは64Gでもできません。
今後の長距離ドライブのため、対策法を考えてみました。
- SDカードを複数用意
一般的なナビで使用できるSDカードは32GB、フォーマットし直しても64Gまでです。それ以上は別に用意したSDカードに交換するのが手間が最小で手っ取り早い。 - 途中でデータをパソコンなどに移す
パソコンなどを用意してコピー作業が必要です。 - 特に残したいところだけ1080Pで他は720P以下で録画しメモリを節約する
ドライブ風景等残したいところが限定している場合は有効です。
西日本(60Hz)の信号消え対策
西日本設定の場合、信号が消える現象を回避する対策の副作用で定期的にカクカクした動画になります。ここぞという場面で旅の記録を撮影するときは西日本設定を解除するとスムーズになる。ただし信号が消えて録画されるので、必要なくなれば60Hz設定に戻すのを忘れないこと。
タブレット
今は家を出てからでもネットから観光情報やグルメ情報が得られます。ただスマホは画面が小さいですが、タブレットならPC向けのホームページも見やすくてよいです。
寝る前のネットサーフィンもタブレットで楽しめました。道の駅には無料WiFiがあることが多くて通信量を気にしなくて済むのが助かります。
車の運転補助機能
愛車のステップワゴンスパーダにはホンダセンシングという運転補助機能がついています。
前車追随のアクティブクルーズコントロール
これは前車の速度に合わせてくれるので以前より便利になりましたが、前車が加速したとき追いつこうとし過ぎでもう少しエコ運転をして欲しいです。
車線保持機能
高速道路などはいいのですが、一般道で道路端の白線がはっきりしていないと動作しませんので、今回は働いてくれる期間が短かかった。
ホンダセンシングの運転補助機能は整備された自動車専用道路ではかなり楽だが、上記のように現状は未だ頼りきれるものではなく、あくまでアシストに過ぎません。
交通標識の検出表示
今回40km速度制限の見落としでネズミ捕りにかかってしまいました。カーナビは地道も含め最適な道案内をしてくれますが、生活道路になっているところは速度制限が道幅に比べ思いのほかきついです。
ホンダセンシングには交通標識の検出表示機能があり、この時も表示が出ていたはずですが気づきませんでした。制限速度より大幅にオーバーしているときは、一旦停止(これはポンと鳴ります)と同じように軽い警告音でも出てくれればいいなと思います。
衝突防止機能
普段から交差点などでたまにありますが、対向車に誤反応して一瞬警告動作をすることがあります。対向車が本当にぶつからないか正確に判断するのは難しいのでしょう。
また車間を急に詰め過ぎた場合も警告動作することがあります。危険運転の警告を受けている感じです。このように安全機能は万一の時の衝突防止や誤発進を防止するだけでなく、グレーゾーンでも警告を発することが、ドライバーに運転法を反省させる効果があります。経験上(^_^;)
車中泊のステップアップについて考える
車中泊についての調査と経験から考えたことを自分ためのメモにと整理しました。
車中泊に適した車
車中泊に使う車は宿泊設備があるキャンピングカーが理想的ですが、購入者の中には年に数回しか使わない人もいるとか。冷静に考えればキャンピングカーは非常に高くつく出費です。
それで普段使いの乗用車で何とか車中泊する工夫を皆さんやっておられます。
セダンや軽のワンボックス車で工夫して車中泊されている方もおられますが、やはり車内の広いワンボックスワゴンやミニバンは有利です。
もちろん私はキャンピングカーは買えないので、車中泊を考慮してワゴンカー(ミニバン)にしておいて良かったと思います。特にステップワゴンは後部ハッチドアの一部が横にも開くので応用が利きそうです。
この車で車中泊旅行を楽しむためどうすればよいかを考えました。
車中泊の第一段階 まず体験してみる
今回の私の車中泊旅行がそれですが、まず最小の費用で体験してみることです。
最初に必要なのは
- シュラフ
- 簡易遮光カーテン
- クッション
の3点でしょう。実際経験して最低限の装備としてはこれでよかったと思います。
車中泊の第二段階 体験を元に必要な改善を行う
次の段階としてやりたいことは第一段階の不満の改善です。重要度が高くて比較的簡単にできることとして下記3項目あります。
天井照明
車に乗ってエンジンをかけないでいると室内照明は暫くはついていますが自動で切れてしまいます。バッテリー上がり防止のためでしょう。それで対策としては
- 車の室内照明に細工して消えないようにする
この場合バッテリー上がり防止のため別電源から供給が必要 - バッテリーランタンを用意して天井に近い位置につける
現状はサブバッテリー電源がないので、2.の方法になりますが、右のようなLEDのランタンが安く売られているので手軽に実現できます。
窓の遮光・断熱・遮音対策
カーテンの取付は少し手間がかかるし、今のピラーの隙間に入れる方式はピラー上部の天井カバーがヘタってきそうです。もっと取付を簡単にするか常設化したい。
また、気候が良いシーズンはカーテンでよいが、冬は寒さ対策で断熱効果のある物が欲しい。さらに遮音効果があればもっといい。実際に吸盤で窓に取り付ける商品が売られていますが、車種ごとに窓の形に合わせなければならないためか、結構高い。
いわゆる銀マットを窓の形に切り抜いてはめ込む方法ならDIYでできそうで、実際ネット上でも見かけます。固定方法は二つあります。
- 大きめに作ってはめ込む
- 吸盤で固定する
体裁を良くするなら銀マットの上にフェルトなどを貼ったり、アルミ箔側を塗装してもよいでしょう。
このような方法でDIYにトライしてみたいと思っています。
就寝のための床の平坦化
今の状況で改善したい床の状況は
- 椅子の段差(2列目の背もたれと座席の高さ)
- 椅子の間の隙間空間
ですが、対策には2種類の方法があります。
1.ボードで平坦化
就寝スペース全体にボードで平坦な床を作る方法です。
- 床下を荷物入れに利用しながら塞ぐ
- 分割式で簡単に取り外し・設置ができ収納性もよい
- クッションを付ける
下の動画で紹介されている商品は値段が高いのですが、DIYにたいへん参考になります。
2.クッションで平坦化【2017年12月6日追記】
シートの凹みをクッションなどでだいたい埋めて、その上に厚めのマットを引く方法です。
重量増加が少なく、椅子自体のクッションもある程度利用できます。インフレータブル(栓を開けると自動で膨らむ)タイプで、8cm~10cmの厚みなら座席の多少の凸凹は気にならないとの評価が多いです。床ボード方式と比べて組み立て時間や収納性で優れますので、ステップワゴンの場合こちらの方が良さそうです。
車中泊の第三段階 より快適にステップアップする
私の今後の取り組み計画を上げてみます。私の思う優先順位の順です。
常時バックモニター
以前から後方のドライブレコーダーと兼用で取付予定なのですが、今回大きな荷物がリアウィンドウを塞いだので必要性を痛感しました。
ポータブルトイレ
コンビニや道の駅などがあるとはいえ、保険としてポータブルトイレがあれば何処へ行っても安心感があり、トイレ呪縛から抜けられます。トイレがないキャンピングカーも多いですが、いかがなものでしょうか。
右のような車載に適したポータブル水洗トイレがあります。
- 匂い
遮蔽扉と薬品で匂いがしない - 後始末
介護を経験すれば何ともないことです。必要が無ければ使わなければよい。 - 設置場所
これが問題です。
ステップワゴンの場合は3列目座席の後、もしくは3列目を床下に収納して設置可能です。
将来的に固定設置はするとして、とりあえず積んでおくだけでも安心です。
テーブル
車内で食事したり、パソコンをいじったりできるようにしたい。
荷物棚
荷物が増えてくると整理が大切。常設しておいてその気になったら直ぐに出かけられるのが良い。
天井スペース活用の物入れ
アシストグリップにを利用して、カーゴネットを張るか棚をつければ、DIYで手軽に荷物スペースが作れます。下のブログが私のイメージに近く参考になります。
サイドの棚
棚を作りつけるわけですが、人がたくさん乗るときは外したいので工夫が必要です。DIYには少しハードルが高いかなあ。 (´ε`;)ウーン…
サブバッテリー電源
車内が快適になるにつれ欲しくなるのが電気製品のためのサブバッテリーです。
安い自動車用バッテリーで自作する方法もありますが、他にAC充電器、AC100Vインバーター、メインバッテリー保護のためのアイソレータ等が必要でトータル結構高くつきます。
近年ではリチウムイオン電池を使った大容量のポータブル電源が出てきています。(例えば右の商品)
性能・効率が良いうえ、充電機能やACインバーターも内蔵しており、値段もかなり下がっていますのでこれを購入するのが得策と考えています。
シンク
自然の中に入っていっても料理ができるのはいいですね。シンクがあれば料理、手洗いの他、食べ残しの汁も排水して持って帰れるので自然に優しい。
冷蔵庫
冷蔵庫にはペルチェ素子使用のものとコンプレサー使用の2種類があります。
ペルチェ素子の物は安くて手軽ですが、冷却効率が悪いです。冷蔵庫というより保温庫で、温蔵庫にもなりますのでその点は便利です。
右の物はコンプレッサー式で冷凍の能力もがある本格的なものです。予算があれば、車にはこれくらいがピッタリなんですけどね。
以上、夢も含めて並べてきましたが、一度に揃えると出費がかさむので、できるところはDIYをしながら徐々にステップアップして行きたいと思います。