我が家の洗面化粧台は相当古いものですが、蛇口を混合水栓に取り替えたりして今も現役で使っています。ただ上部についている照明が黄色っぽくて暗くなっています。今回蛍光灯型LEDを使って明るく省エネな照明に改善します。
目次
現状
右写真が我が家の洗面台ですが、おそらく40年以上前の物です。
下記記事で紹介したようにシングルレバーの混合水栓に変えたりして今だに現役です。
洗面台の照明は20W直管蛍光灯
上部についている照明は、20W直管蛍光灯に白い散光カバーを付けたタイプで、グロー球を使って点灯するものです。
散光カバーが黄ばんできたので改善したい
古くなって樹脂製の散光カバーが黄色く変色しています。蛍光管からは紫外線が出ますのでその影響が大きいでしょう。対策として色が青白い昼光色の蛍光灯に替えていますが、それでも上写真のように十分ではありません。このカバーを白い散光板に替えたいのですが、古いものなので部品等は当然売っていません。
蛍光灯をLED化したい
また、明るさももっと欲しいのでLED照明に替えたいと思います。LED照明のメリットは言うまでもなく、省エネで直ぐ点灯するという点です
手頃なLED照明に電球型LEDがありますが、発光面積が小さく光源が視野に入ると眩しさがあるので洗面台には適しません。
蛍光灯をLED化
直管蛍光灯を交換できるLED
ダイソーに売っていた
ダイソーで蛍光灯タイプのLEDが売っているのを見つけ買って来ました。
球交換
蛍光灯をLEDに交換
注意点はグロー球を外してからLED型直管を取り付けることだけです。
- 蛍光灯を外す
- グロー球を外します
昇圧トランスはそのままでも良いのですが、私は邪魔になるので取り除きました。 - 蛍光灯型LEDをつける
たったこれだけです。スイッチを入れると下のように点灯しました。
散光カバーの実験
散光板を探す
次は蛍光灯型LEDの光を散光するカバーです
散光板に適当なものがない
散光効果が高くてロスが少ないものはなかなかありません。
例えば障子紙は散光効果は高いですが、50%くらいロスがあリます。
ホームセンターで探す
ホームセンターで探しましたが、商品の照明器具に使われているような散光効果の高い樹脂は販売されていません。それで次善策として散光効果は劣るが透過率の高いものを見つけました。
- アクリルサンデー PPクラフトシート PS-1 ナチョラル
サイズL 565✕980mm 厚み0.75mm
散光効果は少し物足りない感じですが、家で実験して2重にするなりの工夫をすることにします。
散光効果の実験
買ってきたPPシートをLED直管にかざして見ると光源がぼやーとはしますが、従来と比べ散光が十分でありません。
内側散光板の追加
カバーの内側にもう一枚散光版をつけて二重にすることを検討しました。下の写真のように付いていた蛍光灯器具の筐体を利用して取り付けました。
点灯して正面から見ると下の写真のようになりました。
写真ではまだ光源である直管の形がわかりますが、これに外の散光板を追加すれば目的の散光状態が得られそうなのでこれで進めます。
散光外カバーの制作
旧カバーの利用に失敗
当初、取り付け構造は旧カバーを利用し、照明の散光板を新規にする計画でした。そのため旧カバーの中央部を切ろうとしたのですが、樹脂が割れてしましまいました。割れたのは樹脂が劣化していたためで再利用は無理と判断しました。
オリジナルカバーを作る
それでカバーを一から作ることにしました。
外カバーの設計
簡単で見栄えの良いものをと考えました。概略構想は直管の周りにPPシートを丸め、両側の側板で丸い形を保ちながら洗面台に固定するものです。設計図は書きましたが、紹介するほどではないので、具体的には後ほど紹介する写真等をご覧ください。
外カバー部の材料
- 散光板
上記のPPクラフトシート PS-1 - 木板
軽くて加工のしやすい桐の板が百均にあったので買ってきました。 - アルミ製見切り金具
右の写真のもので、PP板シート下側端の保護強化に使います。ホームセンターに売っていました。
側板の制作
散光板を丸めた形で保持し、洗面台に固定するための側板を作ります。
2枚重ね構造
百均で買った桐の板で作った外板と内板の2枚を貼り合わせた構造とします。
PPシートを内側の板にネジ止めし、外板はPP板の側端部をカバーして体裁を良くします。
外板を作る
買ってきた桐の板のサイズが手頃な大きさです。加工のための罫書きは、設計図を原寸大で印刷したシールを貼り付けます。
先に散光版を差し込む溝を彫ります。
フライス盤方式でボール盤にエンドミルを取り付け、板の方を動かして削ります。
円弧部分は、右写真のように板を回転させる事により行います。そのため回転中心に5φの孔を開けてビス止めしています。
右写真は加工できた左右の外板です。
片方に出ているツバは洗面台上部に固定する部分です。溝加工で一部ミスしていますが、見えない部分なので問題なしとします。
溝切りのために開けた中心孔は、外板と内板のビス止めに使います。写真では裏になって見えませんが、外側はビスの頭が沈むように座ぐり加工しています。
内板を作る
内板は、外板の溝の内周の大きさに切り出します。
円周部分は外板と同様中心に孔に開けて加工します。そして内側にはビス止め用の鬼目ナットを付けます。
内板と外板の貼り合わせ
貼り合わせ面に木工用ボンドを塗り、内外の側板を位置を合わせてビス止め(一箇所)し、接着します。
カバー樹脂の加工
必要なサイズに切り出し
カッターと1mのアルミ定規を使って所定の寸法に切りました。
アルミ見切りの取り付け
アルミ見切り板は下側の補強のためです。
横板と組付け確認
側板に組み付けて確認します。
問題なく行けそうです。
側板のツバとPP板の飛び出ている部分は、洗面台の天部にネジ止めするためです。
カバー部の完成と取り付け
上部は天板にネジ止めしますが、下部は引掛け金具で止めますので、その金具を作ります。
引っ掛け金具の作成
引っ掛け金具はホームセンターで見つけた金具(右写真上)を改造して作ります。
この金具を切断して切り込みを入れ、写真下のように加工します。
切り込み部分は、少し頭を浮かした洗面台のビス引っ掛けるためです。
側板の端面に取り付け
引っ掛け金具を下写真のように、側板の洗面台に当たる端面下方の内板側にネジ止めします。こうすれば洗面台に取り付けた状態では、隠れて見えません。
洗面台にビスを打つ
側板を洗面台の取り付け位置にあてがい、金具の切り欠きに合わせてビス位置をマーキングします。マーキング位置に少し頭を浮かせてビスを打ちます。
側板を仮止めして確認
引っ掛け金具の切り欠きをビス頭に引っ掛けて洗面台にあてがい、上部ツバを上からネジ止めします。
右写真のように、想定どおりで問題ありません。
一旦外して側板の完成です。
外カバー部の完成
できた側板の溝にPPシートを差し込んでビス止めすると、下写真のように外カバー部の完成です。
外カバー部を洗面台に取り付け
作業中見やすいようLEDは点灯しておきます。
外カバーの左右側板下部に付けた引っ掛け金具を洗面台のビスに引っ掛けて洗面台に押し当て、側板上部のつばを上からビス止めします。
PPシートも飛び出した部分も洗面台の天部に押し当てて5箇所ビス止めします。
以上で散光外カバー部を取り付けできました。
点灯した状態を洗面台の前からみたのが下記写真です。
第三の散光板の追加
それで更に一枚散光版を追加します。
正面から見る方向にだけの効果になりますが、細長い平板散光板を写真のように取り付けました。
PP板の材料の残りを切り、セルフタッピングネジで止めました。
これに再び外カバーを取り付けると下記写真の様になりました。
完成の姿
洗面台の前に立ったときの見え方です。
普段は見えませんが上方から見下ろすと下の写真のような感じです。
洗面台が明るくなったし、散光も満足レベルです。また消費電力も半分ぐらいになリました。当面この洗面台を使っていきます。