車のバッテリーを緊急充電

改造した充電器S

最近車のエンジンを始動するとき力がなくなってきた。 4年をこ超えたのでバッテリーがそろそろ寿命かもしれない。

応急対策として外部充電したいが、専用の充電器は持っていない。 急遽、手持ちのポータブルVTR用電源を改造して充電器を作成した。

【追記】お薦め充電器の購入先を追加(2014年8月17日)

1.経緯と情報調査

車のバッテリーが弱ってきた

  1. 秋のディーラーでの点検
    バッテリーが寿命が近いので交換を勧められたが、ディーラーは高いので自分で替えるつもりで断った。
  2. 最近ちょいのりばかりで充電が追いつかない
    車はステップワゴンであるが、荷物を後部座席に置くため電動スライドドアーの使用頻度が多いのも原因と思う。
  3. 冬になって一段と能力が落ちてきた
    気温が下がりバッテリー能力が落ちたのだろう。最近エンジンを始動する音が弱々しく、始動できなくなる可能性が出てきた。

車のバッテリーについて情報調査

1)車のバッテリー電圧(12V車)
  • 12.4V以下になるとセルモーターが始動しなくなるおそれがある
  • スタータのマグネットスイッチの最低作動電圧は一般的には約8V
    キースイッチをST位置に回す前の電圧が12Vあったとしても、マグネットコイルに電流が流れ始めると、 弱ったバッテリだと8V以下に下がってしまって、スタータが回らない。
2)充電について
  • 充電電流は一般には容量の十分の一以下とされる
    例:46B24Lなら5時間率容量は性能ランクの7割程度なので、46×0.7×0.1=3.26A 以下 (2015.3.20 充電電流値を修正)
  • 充電が進むにつれて電流を減らす
  •  充電が完了に近づいても充電電流が多いと水素ガスが発生し、密閉されていると爆発の危険性がある
  • MF(メンテナンスフリー)はガス発生防止のため充電電流を抑え、代わりに充電電圧を高くしている
  • 充電満了時は15V近くまで上がる(軽負荷時)
3)バッテリーの寿命を伸ばす方法があるらしい
  • バッテリーの寿命は一般的にはサルフェーションと呼ばれる現象が支配的である
  • サルフェーションはパルス電圧を加えることで除去可能である
  • 実際にサルフェーションで寿命がきたバッテリーを回復できるという製品が販売されており、自作のキットも販売されている
製品販売

クリックでAmazonへ

エルマシステム バッテリー寿命延命装置 のびー太EX12 12V 鉛バッテリースターター用 のび~太EX12 NE-12(右写真)

ナノパルサーPG12 http://www.hi-grove.com/products.html

自作情報・kit販売

バッテリー復活・延命器 http://www4.ocn.ne.jp/~tekuteku/jisaku-futukatu.html
現在リンク先が下記に移動しています。キット販売を継続しているかは?
自作工房てく・てく/バッテリー復活器

2.充電器の作成

寒くなって何時エンジンが始動しなくなるかわからない状況になってきたので、緊急対策としてまずはバッテリーを外部充電する必要がある。

使えそうな電源を探す
電源の後面

電源の後面

専用の充電器は持っていないので、急遽、手持ちの使えそうな物を探したところ、使えそうな古い電源が見つかった。
大昔のポータブルビデオデッキのACアダプターである。
・SANNYO製VAR-800
・入力AC100V、出力12V、2A (定電圧出力型)
出力に2.5Aの遮断型保護回路があり、リセットスイッチが付いている。
右の写真は電源の後面で、そのリセットスイッチが見える

車用充電器に改造
改造後の電源
改造後の電源

電流容量は2Aでも時間がかかるだけでOKだが、課題は、2.5Aで遮断タイプの保護回路が動作すること。

  • 内部を調査すると、基板上の半固定抵抗で出力電圧を調整可能だった
  • 充電電流は、バッテリーの放電具合と充電電圧によりが変わる。電流が2.5Aを超えてはいけないので、2A以下になるよう出力電圧を低めに仮調整する。
  • バッテリー端子用のワニ口クリップはちょうど手持ちがあったので使った。他のコネクタも使うことができるように 充電器とは中継コネクタを介して接続している。

右の写真が改造終了した充電器である。

3.車のバッテリーを外部充電する

できた充電器で早速車のバッテリーを外部充電します。

テスター
デジタルマルチテスター KEW MATE MODEL2000
  • 極性を間違わないよう慎重につないで充電開始
  • 出力電圧を調整して14V弱に設定すると、初期充電電流は2A弱になった。
    定電圧充電なので充電が進めば電流は減少するはず
    ちなみに車のジェネレーターで充電時は14V以上あった
  • 充電電流の測定はデジタルマルチテスターの電流プローブを使用(写真右)
    線を切らずに電流を測定できて便利だが、DCの場合ゼロ調整が必要。
    写真でもゼロにできていないが、この調整が非常に微妙(クリティカル)でやりにくいのが欠点。

半日ほど充電すると始動時の力が戻り、ほっとした。(^。^;)ホッ
やはり、ちょいのりばかりで充電が追いついていなかったようである。

4.新しいバッテリーの購入

いつ完全にバッテリーの寿命がくるかもしれないので、並行して新しいバッテリーの購入を検討。
車購入時付属のバッテリーのタイプは46B24L。性能ランクを表す最初の2桁が46以上のものを探す必要がある。
電解液の補充は面倒なのでメンテナンスフリーのタイプにしたい。
近所のカー用品店やホームセンターで探すと一万円以上する。
ネットで下記格安品を見つけた。さらにキャンペーン割引が利いて5千円代で購入できた。

MonotaRO 韓国 現代(ヒュンダイ)エナセル製58B24L-MF

  購入バッテリー箱入り 購入したバッテリー

 届いた実物を見ると外箱や外観は安っぽくない。バッテリー液の比重と液面状態を同時にチェックできる「インジケーター」を装備し、運搬用の取っ手まで付いている。もちろんメンテナンスフリータイプ。

入手したものの、緊急充電以降は古いバッテリーがもちこたえているので、まだバッテリーの交換はしていない。  →その後2013年12月に交換しました。


1)リンク切れ修正【2018年7月13日】
ここにバッテリーの購入先をリンクしていたのですが、ついに MonotaROが当製品を扱わなくなってしまったようです。韓国製にしては良い製品だったのに残念です。

2)充電器の購入先を追加【2014年8月17日】

新しい下記記事で紹介しているように、右の充電器が市販されているのを知りました。とても安くて優秀ですので、改造よりこちらをお薦めします。

バッテリー充電器DRC-300を使用した
自治会に備え付けの可搬式消防ポンプ(写真)のバッテリーが2年余りでダメになった。 充電器の常時接続による過充電でバッテリー液が蒸発したのが原因だった。 それでバッテリー交換とともに、常時接続でも過充電の心...

続編記事

車に「バッテリー復活・延命器」を取り付け
先ののバッテリーを緊急充電 の記事で紹介した「バッテリー復活・延命器」のキットを購入しました。 組み立てて右写真のように車に取り付けましたので経過を紹介します。 【追記1】その後、長期外部充電を実施(...

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コメント

  1. roni より:

    はじめまして。
    バッテリー復活・延命器 KIT
    は発売中止されてます。
    試作品を他のサイトで作ってはいますがうまくいきません。
    キット内容をお教え願えんでしょうか。
    どうぞよろしくお願いいたします。

  2. e-farmer より:

    回答が遅れてすみません。
    (コメントに気づくのが遅くなりがちなので反省しています)

    > バッテリー復活・延命器 KIT
    > は発売中止されてます。
    > 試作品を他のサイトで作ってはいますがうまくいきません。
    > キット内容をお教え願えんでしょうか。
    > どうぞよろしくお願いいたします。

    確かにリンク先がなくなっていますね。
    別記事 "車に「バッテリー復活・延命機」を取り付け" の方に掲載していますで、およそのことはおわかりになると思いますが、もう少し詳しい内容の加筆を検討します。

  3. e-farmer より:

     記事に加筆したように、バッテリー復活・延命器 KIT のサイトが移動していました

    移動先に従来通り回路図や動作波形など紹介されていますので参照ください。

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