今年の8月の天気は雨ばかりでどうなってるんでしょう。外の仕事がはかどらず、家の中もじめじめしています。
写真のナショナル(Panasonic)製掃除機MC-A87Pが、一年以上前に突然動かなくなっていました。 その後放置して別の小型充電式掃除機を使っていたのですが、雨で暇だったので、思い出して修理してみることにしました。
ナショナル掃除機MC-A87P
右写真が故障している掃除機で一見新しそうに見えるが、製造年月のラベルを見ると95年製。さすがナショナル製よくもったと思う。
今使っているのはマキタ 7.2V充電式クリーナー CL070DS(下写真)です。
部屋の目立たない所の壁に掛けてあり、必要なときにさっと手軽に使えてたいへん便利です。 バッテリーは7.2Vで充電式ドライバーTD021Dと共通ですので、1本を共用しています。(後に互換バッテリーを買い足しました)
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しかし、本格的な掃除にはやはりちゃんとした掃除機が欲しいと思っていました。 掃除機を修理するのは初めてで自信がないが、直らなくてもともと、という軽い気持ちでトライすることにします。
操作部を調べる
故障しているのが本体と操作部のどちらかがわからないので、まず簡単な操作部を調べます。
右は吸引力の切り替え等ができる操作部です。 操作部は2本の電極によって本体と接続されていますので、この一対の線により操作信号を本体に伝えているようです。
もし全く動かない故障の原因が操作部とすれば、2本の線がどこかで断線またはショートしていることが考えられます。
操作部の抵抗を測る
それでスイッチ操作したときに抵抗値が変化していれば正常であろうと見当がつきます。
そのため操作部の抵抗を測ります。右写真は抵抗値を測定するためテスターのクリップで電極をつかんでいるところです。
結果は、操作に応じて抵抗値の変化がありましたので操作部が原因ではないと判断しました。
内部を調べる
本体内部を調べるために分解にかかります。この掃除機を観察すると、下半分の本体に上半分のカバーが取り付いている構造に見えます。
カバーを開ける
右の写真はゴミパックが入る所の蓋を開けたところで、ビス穴が4箇所見えます。 このビス4本と、後ろの持ち手の下に1本隠れているビスの合計5本を緩めました。
ここからカバーの外し方がわからなかったのですが、持ち手を持って思い切って引き上げたら外れました。
中は右写真のようになっています。
右がゴミパック、左手前にコードリール、左奥にがモーターがあります。わりと簡単な構造です。
コネクタが外れていた。
コードリールを裏側から見ると、右写真のように黒いリード線のコネクタが外れているではありませんか。
このリード線はモーターとコードリールを繋ぐもので、モーターに電力を供給するものでしょう。
これが故障の原因に違いないと思いました。
相手のメスコネクタはコードリール側に有り、形状で直ぐわかりましたので、挿入したのが右の写真です。 コネクタにはロック機構は無いタイプでした。
早速掃除機を試運転してみると予想通り正常に動作しまた。 \(^▽^)/
なぜ抜けたのか疑問ですが、後でわかりました。
組み立てて元に戻す
掃除機を掃除
修理を収束させるにあたり、まず内部の汚れを掃除しました。
モーターも一度取り出してみます。モーターはその短い円筒状の出っ張りを成形の樹脂の溝にはめ込む形で固定されていました。
ここでモーターの固定に問題を発見。回転方向の位置決め構造が無いのです。 これでは取り付け時に回転方向の位置がばらつき、モーターの側面から出る黒のリード線の位置もばらつきます。結果黒リードの長さの余裕の無い場合も出てきます。
悪いことにコネクタには抜け止めのロック機構が無いので、余裕のない突っ張った状態で振動等の力が加わって外れてしまったのでしょう。
組み立て
分解時と逆に、カバーを本体に被せ、5本のビスで固定して組み立て終了。
もちろん動作も問題なし。 保管時は右写真のように立てて置いています。
ホースを操作部付近で固定する白いフック部品が見えますが、付属品を無くしてしまい、先代の掃除機もナショナルでサイズが合ったので、色違いですが使っています。
設計上の配慮不足を感じる
元エンジニアとして書かせてもらうと、この掃除機の設計には
- モーター取付の回転方向の位置決めが無いので、黒リード線が突っ張る要因になる
- コネクタに抜け止めのロックがないので、黒リード線に力がかかった時に抜ける
という、配慮不足があると言えよう。
そのため、かなりの数のまだ使える掃除機が、今回のような故障で捨てられてしまったのではないだろうか。