前の記事で紹介したように車(ステップワゴン)の通路の拡張ができましたが、入ってきて出て行くまでの切り返しを少なくするためには駐車スペースの拡大が必要です。今回は駐車場前方の花壇を縮小して駐車スペースを拡大する工事を紹介します。
目次
必要な拡張スペースの算定
現状は車が入ってきてまた出ていくまでに、ハンドルの切り返しを何度かする必要がありますが、毎日のことですから切り返ししなくてもよいようにしたい。そのためには駐車スペースをどれくらい拡大する必要があるかを検討します。
車の諸元
RP3 | RG1 | 差 | |
全長 | 4735 | 4630 | 105 |
---|---|---|---|
全高 | 1860 | 1770 | 90 |
全幅 | 1695 | 1695 | 0 |
ホイールベース | 2890 | 2885 | 5 |
トレッド | 1470 | 1470 | 0 |
1485 | 1480 | 5 | |
最小回転半径 | 5400 | 5300 | 100 |
乗っている車、ステップワゴン・スパーダ(RP3)の諸元は表のようになっています。
以前乗っていたステップワゴン(RG1)は、現車と比べ小さくて扱いやすかった感覚があるので、比較してみました。
全長と最小回転半径が10cmほど差がありますが、思ったより差は少ないですね。
今の車が大きく感じるのは、軽の前車(N-BOX)に感覚が慣れてしまったからかもしれません。
どれだけ拡張すればよいかを検討
敷地の実測と上記車の諸元から、下のような図面を書いて検討しました。
外から帰ってきた車は南奥まで侵入してそのまま駐車します。
出ていくときは右に曲がりながら後退して。車を東向きにします。
この時、車のハンドルをいっぱい切った状態でゆっくり動いた時に前輪(の中心)が描く軌跡が円になり、その半径を最小回転半径と呼びます。その円の中心は後輪の車軸の延長線上にあります。
現状では図のようにハンドルを右いっぱいに切って後進しても、左後輪が障害物(植木壇)に少しぶつかります。
対策は駐車位置の前方を拡大して最初の停止位置をもっと奥(南)にすることにより、この軌跡全体を南にずらすことです。その量は
- 後退完了時の車の左右の余裕スペースが同じ(約30cmずつ)になるようにしたい。
- 実際はタイヤが真っすぐの状態からスタートする(据え切りしない)分を考慮すると更に20cmぐらい必要
ということから、合計50cm上方にずらせば良いと算定しました。
一方車が入ってくる時の切り返しをなくすには西側への拡張も必要です。こちらの検討内容は省略しますが、駐車スペース拡大必要量は、
- 車前方(南)へ50cm拡張
- 車右手(西)へ20cm拡張
と算定しました。
今回は前者の南方向の拡大を行います。この机上計算の値が、実際に車を動かしてほぼ当たっていることを確認しましたが、出来上がったときに広いのは問題ありませんが狭いのは困ります。更に10cm余裕をみて60cm拡張することに決定しました。
これで、車を車止めに当たるまで前進した状態から、右いっぱいハンドルを切リながら後進し、直角になるまで障害物に当たらず曲がりきることができるはずです。あとは前直進で出ていくことができます。
もうないと思いますが、もっと最小回転半径が大きい車を買ったときはどうするか?
その時は植木壇側を縮小することにします。
花壇の縮小
現状駐車場の前は花壇になっていて、縁石で区切られています。この縁石を移動して花壇を縮小しなくてはなりません。
まず、下の写真のように縦方向の縁石が長いので邪魔になります。
縁石を切る
この石を切っても良いのですが、長い石は貴重ですので他に使うため移動します。一人では運べなかったので檜の伐採のときに叔父さんに手伝ってもらいました。
入れ替わりに短い石を2つの運び込みました。(下の写真)
2本だと長すぎるので形が悪いところを切り落として調整することにしました。
過去何回かの経験で石やコンクリの切断にも慣れてきました。
今回もディスクグラインダーにダイヤモンド砥石を付けて切断します。
手持ちのグラインダーは本来直径100mm用ですが、120mmのディスクを取り付けました。それでも石の中心までは届きません。周囲を切ったところでハンマーで叩くと、下の写真のように簡単に割れました。
牡丹の植え替え
駐車場を拡大しようとするところに牡丹の木があるので、奥に移動する植え替えを行います。
木の周辺を掘っていくと意外と根鉢が大きいのです。移動できるように周囲と底の根を完全に切ります。移動先の穴も掘って準備ができたので移動しようとしましたが、根鉢が大きいため重くて動きません。
それでも何とか動かそうとしているうちに根鉢が崩れてきました。根鉢の土が散れて軽くなるとなんとか運ぶことができました。
この時期、牡丹の花蕾がついていましたが、移動による株の負担を小さくするため、全て摘み取りました。来年は咲いてくれることを願って。
縁石を移動
次に手前にある横方向の石を移動します。金棒を使っててこの原理で動かします。
コツをつかむと一人でも案外簡単に移動できます。石の中央ではなく、端の外側に「てこ」の台を置き、外から鉄棒を入れ、片方づつずらすように動かすとうまくいきました。
下地
石を動かした後は、適度に土をどけ、下の写真のように砂利を投入しました。
次に砂を入れて地盤を締めるため転圧します。本格的にはランマーという専用機械を使いますが、今回使ったのは下の写真のように電動ハンマーに手製の鉄製プレートを取り付けたもので、借り物です。
拡大したスペースのコンクリ打ち
10cmくらいの深さに整地して準備ができたので、いよいよコンクリートを打ちます。
底コンクリ打ち
まず底のコンクリートを打ちます。コンクリートは、下記記事で紹介している電動ミキサーを使って楽々練ることができました。
ミキサーには車輪がついているので移動が簡単です。下の写真は現場に移動して、ミキサーから直接コンクリートを投入しているところです。
ワイヤーメッシュを敷いて更にコンクリート打ち
高さの半分ぐらいまでコンクリを流し込んだところで大まかにならし、用意しておいたワイヤーメッシュを置きます。(下写真)
こうして、いわゆる鉄筋コンクリートにするとコンクリートの強度が大幅に増し、ひびが入ったりしにくくなります。
この上からさらにコンクリートを流し込みます。鏝でならして仕上がり高さまであと1cmくらいにします。
表面モルタル仕上げ
最後は目的の面になるまでモルタルを流し込んで、鏝で表面を仕上げます。強度と見栄えの向上のため、乾燥まで数回に分けて仕上げの鏝抑えを行います。
乾く前に箒(ほうき)で履いて、筋目模様を入れました。美観と滑り止めのためですが、滑るくらいの方が方向転換のときタイヤが減りにくくて良かったかなあと反省しています。
下は完成してモルタル(コンクリート)の表面が乾いた状態です。
右側が中途半端ですが、後述のように右側への拡大工事の予定があるので敢えて途中までにしています。
車止めの改善(予定)
上記の写真のように縁石が車止めを兼ねています。それでタイヤを受け止めるのは石の角になりますが、これはタイヤに優しくありません。
対策として、市販の車止めブロックを置くことも考えましたが、スペース節約のため、直角の凹み部をモルタルで埋め車止めブロックと同じ形にする予定です。この工事ができれば写真を追加アップします。それまではタイヤを優しく当てる運転を心がけます。
出来上がった結果
実車テスト
出来上がって実際車を動かしてみると、設計上余裕を見たつもりが、ギリギリ、ヘタすると切り返しが必要になるではありませんか。(≧▽≦;)
原因の一つは、以前は低かった車止めにしている縁石を今回は高くしましたので、その分車の位置が手前になることを見逃していました。これで余裕を見た10cmは食いつぶしたでしょう。
それと実際は前輪が真っすぐな状態からスタートする件です。据え切りすれば別ですが、通常車に負担をかけないように動かしながらハンドルを切ります。その分曲がりが遅くなるわけですが、設計時はその影響を20cmと見積もりましたが甘かったようです。
対策は前進で停止する直前にハンドルを右に切っておく
それで、前進で車止めに当たって停止する直前にハンドルを右に切る、つまり停止した状態でタイヤが右に曲がった状態にしておきます。この状態からバックすると意図どおりの位置に収まりました。(^。^;)ホッ
今後の計画-横方向の拡大
これで切り返しは一回で済むようになりました。\(^o^)/*
切り返しゼロのために次は横方向の拡大ですが、こちらはカーポートの移動が必要で大がかりになります。当面は時間が取れず後日やるつもりです。
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