日本料理に欠かせない和包丁は切れ味が良く、和食のプロはもちろん、海外のシェフの間にも人気が出てきているようです。しかし、家庭で使うとき、和包丁は錆びやすいのが欠点です。今回は錆対策を工夫しました。
和包丁はよく錆びる
和包丁を使うプロは毎日研いで手入れするそうです。一般家庭では大抵そうだと思うのですが、普段はステンレスの包丁しか使わず、和包丁はたまにしか使いませんので、いざ使おうとすると錆びていることが多いと思います。
先日も生魚を料理しようと、久しぶりに刺身包丁(片刃)を取り出してみたら、
ごらんの通りひどい錆です。
もう1本の万能包丁(両刃)も
この通り鋼(ハガネ)の部分が酷く錆びていました。
日本包丁がステンレスと違い錆びやすいとは認識していましたが、ここまでとは!
研いだあとそのまま流しの下に包丁を置いていたのが良くないようです。
仕方ないので錆を落としと研ぎ直しをします。
サンドペーパーで錆落とし
まず、錆を落とします。この刺身包丁の面は平面でなく曲面なので、砥石では部分的にしか錆を落とせません。
耐水紙やすり(サンドペーパー)で落としました。最初600番で次に1000番を使います 。
このように大方の錆は取れました。
砥石で研ぐ
次に研ぎます。
砥石はノミや鉋用に使っているダイヤモンド砥石(写真右)を使いました。 両面の砥石になっており、粗砥ぎが#300と中砥ぎが#1000相当です。
研ぎ方
- ダイヤモンド砥石は力を入れすぎない
軽く当てても硬い刃物を早く砥げます。力を入れ過ぎるとダイヤモンド粒が落ちて寿命を短くします。 - ダイヤモンド砥石は水をかけて使う
油は目詰まりを起こすので使用禁止と説明書きにあります。 - 包丁を砥面に平行に保って動かす
砥石で研ぐ時の基本です。 - 片刃のものは、刃の裏側はごく軽く研ぐ
いわゆる「返り」を取るだけです。 - 切れ味は、爪の面に刃を当てて確認
引っかかればOK。研げていないと刃が滑ります。
もう1本もこのとおり綺麗になりました。
錆防止策
錆を落として片面を砥ぎ、もう片方を砥いでいると、もう先ほどの面に錆が発生し初めています。前回は砥いだ後そのまま流し台下の包丁差しに入れていましたが、工夫が必要です。
錆を防ぐ対策
要するに表面を酸素、湿気から防護すればよいということで、次のようにしました。
- 使った後、汚れと水分を取る
洗った後、乾いたふきんかキッチンペーパーで拭う。
拭く前にお湯に浸けると、残った水分が熱で乾きます。 - オリーブ油を塗る
食用油の中で酸化しにくいオリーブオイルを刃全体に塗ります。 - ラップでくるんで保存する
ラップで空気が触れないように丁寧にくるみます。
効果
最初、新聞紙には油が含まれていて空気を遮断してくれると思って試したのですが、一定の効果はありましたが、特に刺身包丁の方は長持ちしませんでした。
次に、上記のようにラップで試しました。数ヶ月後取り出したら、錆は少しありましたが、凸凹したものではなく、使用したら切れ味そのままバッチリでした。下は使用後再び包んでいたものを、今回取り出して撮影したものです。