5月半ばを過ぎた土曜日、約6年ぶりに沖島を訪ねました。島に降り立ってみると以前に来たときと同じ雰囲気で変わっていませんでした。渡船の待ち合わせ時間に近くの伊崎寺も訪ねましたので一緒に紹介します。
目次
アクセスと駐車場
海なし県の離島
下記の記事で、日本で唯一「人が暮らす湖上の島」と沖島を紹介しました。
近年「海なし県の離島」というキャッチフレーズも使われています。
「船で5分あまりで着くのに離島って?」と思いますが、行政的に国の「離島認定」を受けているそうです。確かに陸に近い島ではあるけど、島に入ると陸側と全然雰囲気が違うのでそういう意味で離島感はあります。
思いついてお出かけ
渡船の時刻も調べずに出かける
コロナも大分落ち着いてきたしどこかでかけようか、ということで妻がまだ行ったことがない沖島に行くことにしました。
向かう車の中で渡船の時刻を調べたら・・・
次は10時15分発だが、間に合うかどうか。その次は2時間後…急げ。
駐車場が変わっていた
以前の記憶で駐車場に行くと、今は会社の敷地になっているではないか。
ネットで調べると、別のところに移動していたのでそちらに向かう。「沖島来島者専用駐車場」と看板があり、かなり広い場所で車が30台ほどあった。看板に有料300円とあるがお金を払うところが書いてない。
隣の山甚水産という店でも300円の有料駐車をやっていました。
なお、港にも駐車場はありますが、関係者専用であり、一般車は止められません。
渡船に合わず 2時間待ち
駐車場から港まで歩いて5分ほどですが、もう出港時刻を過ぎてしまってます。約2時間の待ち時間ができたので、近くにある伊崎寺に行ってみることにしました。
伊崎寺
アクセス
駐車場を出てファミマ方面へ向かうとすぐ看板があり、そこを左折して細い道に入って行くと、しばらくして伊崎寺の駐車場に着きました。
駐車場の脇に伊崎寺へ道とその門がありました。(下写真)
本堂に向かう
この門から続いている道は荷物の運搬車を通すためか、広めで段差が無くて、歩きやすい道でした。森林浴をしながら気持ちよく歩いていましたが、なかなか着きません。この調子だと船の時間に間に合わないかもと心配になってきた頃、ようやく境内らしきところに到着しました。
近くには山門があり、来た道とは別の方向に下って行く道へ続きます。昔は湖に囲まれていたため、船で参詣するための船着場があったそうです。
その少し奥に本堂がありました。
伊崎寺は天台宗延暦寺の支院で天台修験の三大聖地の一つとされています。この本堂は1813(文化15)年に建てられたもので、重要文化財の木造不動明王坐像(附:木造二童子立像)が安置されています。(Wikipediaから)
棹飛び(さおとび)の棹
伊崎寺といえば、毎年8月1日に行われる「棹飛び」の行事が有名です。
本堂の横を通って海岸に近い方へ回るとお堂があり、その向こうに棹飛びの棹が見えました。琵琶湖に向かって大きく突き出しています。
お堂の上からは下のように棹が見えます。
こんなものどういうふうにして設置したのか、落ちないか、木が腐らないのか、何年間隔で取り替えているのか、などと色々疑問に思ってしまいました。
昔は地元の元気な若者が飛び込んで遊んでいましたが、今は棹に乗れないように柵がしてあります。
沖島
伊崎寺から戻ると丁度良い時間になり、ファミマに寄ってから船着き場に向かいました。(島内にコンビニはありません)
船を待つ人は沖島の住民、釣り客、観光客など十数人ほどでした。
渡船料は乗船して自動券売機でチケット(500円)を買います。駐車料金を入れる箱も船室に入る前のデッキにありました。こちらは原始的で箱に300円を入れるだけです。乗船券チケットを見ると「おきしま自治会」とあり、船も駐車場も自治会の運営なんですね。
沖島漁港には5分あまりで到着しましたが、島独特の雰囲気は6年前に訪れたときと全く変わっていませんでした。
昼食
昼時でしたので港の前にある湖島婦貴(ことぶき)の会に向かいました。他に予約無しで食べられる食堂は無いので貴重です。
曲がりエビ他、地元の食材を用いた天ぷら定食(1,000円)を頂きました。
コーヒーを求めて散歩
食後のコーヒーが飲みたくなり、散歩を兼ねていっぷく堂に向かいます。
3輪車とガンガン
沖島といえば、猫とガンガンです。今回は猫は一匹しか会いませんでしたが、ガンガンは相変わらずです。
自動車がない島内の交通手段は自転車です。道のいたるところに3輪の自転車が止めてあり、サドルには缶(地元ではガンガンと呼ぶ)が被せてあります。近頃菓子の缶が手に入りにくくなったのか鍋のもありました
万葉歌碑
広場に万葉歌碑がありました。
《淡海の海 沖つ島山奥まけて わが思う妹が 言の繁けく》柿本人麻呂
沖島に本格的に人が住み始めたのは保元・平治の乱(1156~1159)による源氏の落武者と言われていますが、それよりずっと昔に詠まれた万葉の歌です。
いっぷく堂は休み
この後いっぷく堂に向かいましたが、路地奥にあるため前回の記憶やグーグルマップで探してもなかなか見つかりません。ようやく探し当てたら、運悪く休みでした(店主都合による不定休)
がっかりしましたが、気を取り直して沖島小学校方面に向かうことにしました。
沖島小学校に向かう
湖岸沿いの道を東へ、もちろん歩いて。途中すれ違ったおじさんも3輪自転車でした。3輪だと荷物が多く積めますが、カーブは慣れが必要だとか。スピードも出ませんが、ここでは急ぐ必要がありません。
汀の精(みずのせい)
小学校に到着する手前で汀の精というお店があり、丁度店の方が表におられたので聞いてみると、コーヒーは予約無しで頂けるとのこと。
嬉しくなってお店に入りました。店内は、下写真のように船の底板を使ったテーブルが印象的で、おしゃれな雰囲気です。
ご主人はもともと沖島出身の女性ですが、島に戻ってきて開業されたとのこと。色々島のお話を聞くことができました。
後で紹介する「もんてみてマップ」はここで頂きました。
汀の精:CAFFE+GALLERY
土日のみOPEN(平日は予約制)
- 御食事 1,620円から 全日予約制10:30~20:30
https://mizunosei88.web.fc2.com/
- 天然繊維を中心にした洋服、小物のオリジナル製品を販売
- ミンネでネットショップ
沖島小学校
突堤から小学校の全景が見えるのですが、今は木が茂って校舎が見えにくくなっていましたので、近づいて撮影しました。
比較的新しいのに木製校舎です。雰囲気があっていいですね。
生徒は2021年度で11人、その内、島の子は二人だそうな。映画「24の瞳」を彷彿させます。
植物
小学校から更に進んでいくと、細い道の両側に朽ちた小屋や小さな畑があり続きます。小さい畑がありますが、小屋に絡みついたツタや野生のいちじくの木もありますが、陸地とは違いの雑草も珍しいものが多いのです。ここで2種類紹介します。
トウワタ 唐綿 ツルワタ
弁天に向かう道の脇に立派に育っている植物がありました。
見たことがない植物なので、写真をグーグルで調べたらトウワタと出ました。Wikipediaによると南アメリカ原産のキョウチクトウ科(旧分類ではガガイモ科)の多年草。
ロサ・カロリナ
こちらは後に桜のトンネルに向かう道端に咲いていました。
野薔薇に似た植物です。こちらもグーグルで画像検索するとロサ・カロリナ。Wikipediaには北米東部に自生するバラ科の多年生の低木とあります。
グーグル先生が正しいとすると、上記2品種ともかなり珍しい外来種となりますが、なぜこの島で自生しているのわかりません。
弁財天厳島神社
弁財天(厳島神社)の朱色の鳥居が見えてきました。広島の厳島神社と同じく鳥居が水の中にあります。
上写真は弁財天への階段から見たものですが、鳥居は2つあります。
ケンケン山
沖島小学校まで戻ると、学校の横に道先案内板がありました。その案内先にあるケンケン山に登ることにし、急な階段を登り向かいました。
ケンケン山から降りて来ると沖島漁港が一望できるスポットがありました。
カメラの視野角に入り切らないので実際は3枚に分けて撮影しましたが、グーグルフォトが自動でパノラマ写真にしてくれました。
島の裏側
沖島はひょっこりひょうたん島のような形をしており、2つの山の間の平地に集落が集まっています。漁港がある湖岸を表とすると、反対側の湖岸はどんな様子か興味がわきました。
案内板
山から降りるとコミュニティセンター(公民館)前の広場に出たのですが、下の看板がありました。
民家の脇の狭い路を入っていくので、この案内板がなかったらわからないでしょう。
この案内通りに狭い路地裏を進むと、途中「いっぷく堂すぐそこ」の看板がありました。こちらから行った方がわかりやすかったですね。
島の反対側の湖岸にすぐ出ました。民家は表側と変わりません。
桜のトンネル
左に琵琶湖を見ながら進むと大きな木が覆いかぶさっているところがありました。
下の写真のように長い樹木のトンネルが続き、緑がきれいで雰囲気がいいです。
これは桜の木です。桜の季節はさぞきれいでしょう。この辺の開花は陸側より一週間弱遅れるそうなので、次回はその季節に来てみたいものです。
浄化センターと千円畑
ここを通過してしばらくすると施設の建物がありました。浄化センター(下水処理場)でした。ぽつんと一軒家に出てくるところと違い、島内は電気・水道はもちろん、下水、光回線など完備です。
反対側の水面には、小舟で二人連れが釣りをしていました。しばらく眺めていると丁度大きな魚を吊り上げました。声をかけてみると3kgもあるブラックバスでした。
この先の道が見えなかったのでここで行き止まりだと思い、帰途に着きましたが、後でその先に千円畑があることを知りました。千円畑とは新しく開梱した畑を一区画千円で売り出したところから来ているそうです。次回桜と一緒に訪ねたいです。
沖島情報
もんてみてマップ
汀の精さんで頂いた「もんてみてマップ」というパンフレットを紹介します。
もんてとはもどってくるの意味です。みんなが沖島に「もんて」来ますようにとの願いを込めたネーミングだそうです。
沖島の見どころすべてが掲載されていて大変良くできています。
渡船、あるいはその待合所に目につくよう置いて欲しいです。(気が付かなかっただけで置いてあったのかもしれませんが)
沖島町離島振興推進協議会ホームページ
上記パンフは沖島町離島振興推進協議会の制作ですが、他に下記ホームページで発信されています。
公衆トイレ
漁港の湖島婦貴(ことぶき)の会がある建物近くと沖島小学校体育館の2箇所が利用できます。