毎日寒い日が続きますが、こういう時期は「火」がご馳走ですね。
最近、煤(すす)の発生が少なく熱効率が良いという「ロケットストーブ」なるものを知り、製作実験してみました。上の写真ができた実験型ロケットストーブで、早速焼き芋とコーヒーを楽しみました。
ロケットストーブとは
以前から薪ストーブには興味がありましたが、ロケットストーブは最近知りました。 インターネットで検索するとたくさんの情報がありますが、私の理解したところを簡単にまとめてみます。
ロケットストーブはラリー・ウィニアルスキー博士が生みの親で、その構造の特徴は断熱した燃焼室と断熱した煙突を持つこと。その長所は、高温燃焼で完全燃焼に近く、煙が少ないこと。燃えるときにごうごうという音がするのがロケットストーブという名前の由来です。
実用的には大きく分けて、断熱した燃焼煙突に続く排気煙突から熱をとる室内暖房用と、燃焼煙突だけの野外調理用(コンロ)の2種類がある。暖房用の場合、煙突からの廃熱が低く、高温の煙を廃棄する薪ストーブに比べ熱使用効率が高い。
そしてDIYしやすいことが魅力的です。
製作実験
今回の目的はロケットストーブが実際どんなものか体験するすることですが、剪定くずの焼却に利用できればよいと思い、野外燃焼炉を作ることにします。
材料
値段が手頃で入手しやすいU字溝を使います。ネット検索では150mmサイズでの製作実験が多いのですが、今回はで大きめのものが作りたかったので180mmサイズにしました。具体的な材料は
- U字溝 180×600 mm:2個
- 〃蓋 180×600 mm:1個
- レンガ(できれば耐火レンガ):5~6個
- 庭用敷き板(コンクリ製):2枚
下のU字溝の蓋に使うもの。180mm角以上の大きさ、またはブロックやレンガで代用も可能。 - バーミキュライト(バキュームライト)またはパーライト:24L詰め一袋
バーミキュライト(商品名)は園芸用の土壌改良剤でキラキラ光る軽量のものです。パーライトというのもあり、不燃性で軽量のものであればよいわけです。
製作
- 周囲の安全や風当たりのことなどを考慮して設置位置を決めます。
位置がきまったら、まず穴を掘ります。これはU字溝を地面から断熱するためです。
- 次にレンガを置いてその上にU字溝をおきます。
U字溝が水平になるようレンガの高さを調整します。
- レンガの配置が決まったら、一度U字溝を取り外し、断熱材のバーミキュライトを穴に入れます。 周辺部は後で追加できますのでU字溝の下を中心に入れます。
- 再びU字溝を乗せます
- もう一個のU字溝を縦にして載せます
煙突部です。上に乗せたU字溝は載せただけで固定していませんが、本体が重いので安定しています。 - U字溝蓋をつけ、倒れないように針金でU字溝と一緒に縛ります
これで簡単に煙突が出来上がりました。 - 炊き口のまわりをレンガで囲う
燃焼室は下のU字溝でもよいのですが、後々広くする実験をしたいのでここでは手前にレンガで囲っています。 - 下のU字溝の後ろと上の隙間を庭用敷き板で塞ぐ
以上で完成したのが右の写真です。 もう火が入っていますが、途中の写真を取り忘れました。<(_ _)>
着火
- 乾燥した木材、それを割り箸のように細く裁断したもの、古新聞またはダンボール紙を用意します。
- 最初は細い木材の下に置いた新聞紙に火をつけ、木材に火がついたら通常の木材を入れる ダンボールも着火材に良いです。
- 最初は煙が出ますが、炎が大きくなり煙突方向に吸い込まれると、ごうごう(ぼうぼう)という音で燃え、煙が出なくなります。
写真で煙突の上に乗せているのは石焼き用の土鍋です。火元から遠いので熱量は不足気味で、やかんを乗せている所のほうが熱くなります。
右は焚口からみた燃焼の様子です。
私は燃やしながら昔のかまど(おくどうさんとも言う)を思い出しました。
煙突がついていて、炊き口には窓のついた鉄製の蓋があり、窓の大きさを調整するとごうごうと音がして燃えたものです。ロケットストーブってこのかまどの燃焼とほとんどと同じではないだろうか。
こつ・注意点など
- 点火は細く裁断した木材を用意すると容易
- 使用木材は乾燥していること 。湿っていると煙が出ます。
- 木材は通風を妨げないように、また途切れないように適量を入れる
- 燃焼に最適な吸入口の広さがある。
- プラスティック類は絶対燃やさないこと
この程度の炉ではダイオキシンが発生する可能性大です。
合板類も接着材などに樹脂系を使用しているのでやめましょう。
コーヒーと焼き芋を楽しむ
ただ燃焼させるだけではもったいないので、お湯を沸かしコーヒーをいれました。 ちょうど、中に小石が入っていている石焼き用土鍋があったのでこれを使い、家で取れた芋を焼いてみました。
一時間ほどかかりましたが写真のように中までホカホカです。一般的な品種の「紅東」ももちろんおいしいですが、右の濃い黄色が「安納芋」でこれがすごく甘いんですよ \(^▽^)/
今後やってみたいこと
今回割合簡単に作れたが、本格的なロケットストーブの理論を実現できているかと言えば、疑問である。
生の剪定くずを入れると煙が発生した。コンクリでは断熱が不十分であり、もっと断熱をしっかり行い高温燃焼すれば乾燥が不十分なものもいけるのではないかと思う。
また、実用的には、たくさんある剪定くずを焼却するために燃焼室を広くしたい。