11月の大変寒かった日に早くもストーブを使い始めましたが、12月中旬に2台の石油ファンヒーターに給油したら、直後から2台とも調子悪くなってしまった。 症状はエラー表示が出て点火しない。
原因には心当たりが…後悔先に立たず。 余計な仕事を作ってしまったが、対処するしかありません。
ここに記載のことを真似して事故が発生しても一切責任を負えません。私もけっして深追いはしないつもりです。
目次
使用ストーブと故障経過
我が家の石油ファンヒーターは古いものが現役です
今回故障したのは、以前の記事
で紹介したトヨトミLCR-3Cと、ナショナルOH-308(上の写真)の2台の石油ファンヒーターです。
原因は水入り灯油を給油
今回給油したときに、灯油缶の置き台についているポンプ受け(しずく受け)に溜まった石油も入れたのがだめだったようです。台風の水害時の水が残っていたのでしょう。
トヨストーブ LCR-3C
まずこちらから始めます。
古い灯油を抜く
古い灯油を電池式給油ポンプでバケツに吸い出します。 ストーブを傾けると奥に溜まっている石油が出てきます。本体を持ち上げるようにして振って奥の石油を口に持ってきます。
電池式で吸い残した分はストーブ附属の小型ポンプを使おうとしたのですが、劣化でひび割れて使えませんでしたので、園芸用のスポイトを使いました。
右はこの状態で上から覗いたところですが、水滴がついているのがわかります。 最後にキッチンペーパーやティッシュで石油と水滴を拭き取ります。
分解掃除
この機会に内部の掃除をします。
まず後部のファンを外してみたのが右の写真です。
思ったとおり、綿埃がたくさん溜まっています。 掃除機を使って埃を吸い取ります。
外装全体をバラしてみると、やはり綿埃が相当溜まっています。 右は埃を掃除機で埃を吸い取ったところです。
こうして見るとガラスの筒が汚れでくもっているのが良くわかります。取り出して綺麗にしました。
その下のいわゆる「ホエンバン」の部分は、右のようにそれほど汚れていなかったのでこれ以上分解しませんでした。
試運転
この後、組み立てて元に戻しました。
タンクに新しい石油を入れて点火してみたところ、エラーは出ずに点火しました。
最初は炎が赤く匂いがしたが、暫くしたら燃焼が安定して正常に戻ったではないですか。 良かった!\(^▽^)/
ナショナル OH-308
こちらも石油の入れ替えをすれば直るのではないかと期待しつつ作業開始します。
清掃と古い石油の抜き取り
前の経験から分解したほうが石油を抜きやすいことがわかったので、まず外装を外します。古い石油を抜き取りますが、こちらは一番深い部分がタンクの挿入口の真下にあるのでやり易かった。
掃除をして元どおり組みなおし、これで正常になるのでは、と期待して試運転してみます。
点火はするが、炎の色が黄色く、温風噴出し口から黒い煙が出て臭い。そのうちに改善するだろうと、そのまま運転を続ける。途中エラー表示が出たが電源を入れなおして再運転。
結局30分ほど運転したが改善する気配が見えず、温風噴出し口に煤が付着し、噴出し口近くの畳まで薄黒くなってしまった。(≧▽≦;)
分解と清掃
こちらは石油の入替えだけではだめなようなので、修理のため再度分解します。
後にも書いていますが、取り外したビスなどの小物は紙コップに入れていきます。
このストーブは、気化器らしきものが見当たらず、ポット式と呼ばれタイプのようです。ポンプらしきものはあります。
不完全ですが燃焼自体はしているので、ポンプの故障ではなく燃焼筒を調べる必要があると判断しました。
燃焼筒を分解するため、まずポンプと燃焼筒間につながる油送管を外します。 右は外した油送管です。
燃焼筒後部のビスと上部のつめを外すと、右のように燃焼筒と周辺部ごと一体で取り出せました。
燃焼筒を取り出したあとには、右のように隠れていた部分が見えます。
これは、見えているゴムの管から燃焼用空気を送り込む装置です。詰まっている様子はなく問題なさそうです。
取り出した燃焼筒を調べると底から固定されているのがわかり、燃焼筒をひっくり返したところが右の写真です。 形からポット式のようです。 左の線はヒーターの電源供給のようです。
ビス4本を緩めると保炎板(ホエンバン)ユニットらしき部分が抜けました。
抜いた後の燃焼筒です。余り汚れていません。
右は保炎板(ホエンバン)と呼ばれる燃焼安定と完全燃焼させる部分を取り出したものです。
外周部の空気穴にかなりのタールの付着して塞いでいましたので、取り除きました。写真は清掃後です。 内部を点検するため、見えている3個のナットを緩めて更に分解します。
中を見るといくつかの部品で構成されていましたが、煤などはなく大変綺麗でした。
更に、この保炎板ユニットを取り出します。
保炎板ユニットを全て取り除くと、右のようにポット(壷)が見えてきました。やはりポット式です。 穴が開いているのが見えますが、ここにポンプから石油が送り込まれてきます。
底面には少々硬い汚れが固着していましたのでマイナスドライバーで削り取りました。(写真は清掃後)
試運転
元どおり組み直します。 たくさんある使用ビスの種類に注意しなければなりませんが、紙コップ法のおかげで迷いませんでした。
早速試運転だ。電源オン。点火までが長く感じられる。ポット式は点火するまでの余熱時間が長いのが欠点である。 無事点火。黒い煙は出ない。点検窓を見ると金属粉がパチパチと燃えるような感じで赤みの強い炎だが、徐々に納まってきた。匂いもしない。
暫くすると写真のように点検窓から見える燃焼が、正常な青みの炎に戻った。左に炎検出用電極が見えている。
原因は保炎板の空気取り入れ孔に着いたタールだったようです。 そのタールは過去の蓄積に加え、今回の水、変質灯油による異常燃焼で急増したものと推測します。
教訓
石油ファンヒーターのメンテナンスについて
取扱説明書には注意書きがたくさんありますが、過剰に安全をみていて「いちいちそんなことできるか」と言う気持ちになってしまいます。
実質的に気をつけなければならないことは
- シーズンが終わったら必ず石油を抜いておく
これは大事です。我が家では毎年やっていたので、故障知らずで今まで永持ちしてきたと思います。
ところが、昨年はついサボってしまったら、早速今年は故障というわけです. - フィルタの掃除
時々、掃除機で吸気フィルタについた埃を吸い取って掃除します。 - 調子が悪くなったら フィルタの掃除と石油の入れ替えを試します。
それでも直らなければ、安く売られていますので買い換えるのが良いでしょう。(私のような何でもDIY主義は別ですが)
業者での修理は、故障箇所にもよりますが、一般には部品代と工賃で高くつきます。
古い灯油の処理法
- 古い灯油をファンヒーターには使わない
- 水が混入しておらず変質だけなら石油ボイラー等には使えます。
私は風呂用や石油給湯器のバーナーに使っています。 - 廃棄方法
①ガソリンスタンドに引き取ってもらう
大抵無料で引き取ってくれると思います。
②燃えるゴミにして捨てる
車のオイル処理用が市販されています。吸い取り紙式の廃棄です。代用として、ビニール袋(レジ袋)にトイレットペーパーを巻き解いて入れて作成できます。
修理のノウハウ
この手の修理のノウハウについて自分のためにメモしておきます。
1.修理対象を台の上に置く
床に置いたまま、覗き込むような姿勢での修理は疲れる。台と照明をきちんと整えたい。
今回台は食卓に新聞紙を敷いて代用したが、やはり専用の作業台が欲しいですね。
2.ビスを紙コップで整理する
修理で分解するとき、ビス等小物がなくなったり、余ったり、使用場所がわからなくなったりしがちである。
あるサイトで紹介されていた方法ですが、外した場所ごとに紙コップにいれ、順に重ねていくとよい。組むときは上のコップから順に使用すればよいわけである。
3.写真で残す
修理途中の各段階で写真を撮っておきます。今回、配線の処理法(引き回し)の確認に役に立った。
4.コネクタの番号は紙テープに記入して張り付ける
LCR-3Cの分解ではたくさんのコネクタを抜く必要があった。コネクタには何も書いていないので、紙テープに基板側の表示に対応した文字を記入して貼り付けておけば迷わない。
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