ここ3日ほど寒い冬に後戻りましたが、私はこの記事を写真のコタツに入ってノートパソコンで書いています。快適です。
実は昨秋、椅子で利用できるハイタイプ(背高)のホームこたつを作ろうと計画し、一週間ほど前にようやく使える形になり、何とか今シーズン中に役立つことができました。
【追記】続編記事 DIYで作る椅子式ホームコタツ~継ぎ脚作りとヒーター取付け をアップしました。(2015.11.8)
目次
1.製作にかかるまで
リビング用の背高コタツが欲しい
我が家のリビングの暖房はホーム炬燵(こたつ)と石油温風ヒーターを併用しています。 ホームこたつは足元が温かくてくつろぎ感が良いですね。 ただ、座卓では足をあぐらにしても姿勢が悪くなりますので、長時間座るにはやはり椅子式の方が楽です。
掘りごたつという方法もありますが、床の改造がたいそうなのと位置の自由度が無いのが欠点です。
それと私の場合、畳の上だと「あ~あ疲れた」と後ろに体を倒してそのまま寝てしまうことが多いのです。 椅子だと暫く仮眠しても朝まで寝ることはありません。
このような理由で椅子で利用するホームこたつが欲しくなりました。
市販品の調査と現状使用品の利用検討
市販品に学ぶ
椅子式のこたつとしては「ダイニングこたつ」なるものが市販されています。その名の通りダイニングテーブルにこたつ布団をかけた形です。 しかし、こたつの利用としては食事をするより、食後にゆっくりくつろぐリビングで使いたいので、高さが高すぎるのです。 リビングのコタツとしては、ソファに座るリラックス感とこたつのぬくもりを両方実現できるのが理想です。
ホームセンターに立ち寄ったとき、低めのテーブルと椅子を組み合わせた「ハイタイプこたつ」なるものを見かけました。 テーブル高さ50cmで、座ってみると良さそうで、値段もテーブルと椅子各一台のセットで29,000円とお手ごろでした。
が、やはり私としてはDIYでしょう。身の回りのものも再利用できそうですし、木工入門のテーマとしてちょうど良いと思いました。
旧式ホーム炬燵
右の写真は昭和の雰囲気が懐かしいホームこたつですが、我が家では現役です。
新しいものができればこれは廃棄することになりますので、利用できるところは利用したいと思います。 今回ヒーターを再利用します。天板はルーターテーブルかテーブルソーの天板に利用できるかもしれません。
座卓
下は冬以外の季節に使用している座卓です。天板はたいへん丈夫で実用的。足もビス止めで簡単に取れるのでこの天板を利用し、これに合う脚部を作成することにします。
こたつ布団と椅子
こたつ布団は既製品でサイズの合うもの探して購入します。椅子も既製品から探しますが、高さが合わなければ改造する予定です。
ハイタイプホームこたつの設計
昨年秋に考えた設計案が以下の図面です。(投影法が正式な三角法になっていません)(~_~;)
作りながら修正していきますので完成時には多少変わると思います。
テーブルサイズ
天板は今ある座卓を利用しますので大きさが決まります。上図の緑の線で1056mm×726mmの大きさです。 天板の下面は縁より内側が窪んでおり、この部分が台に乗ります。よって台の外形は、天板より一回り小さい986mm×656mmにしました。
テーブルの高さ
これが一番悩んだところです。リビングのテーブルはできるだけ低くしたいのですが、低くすると足が窮屈になります。 それと後で実際に使用してわかったのですが、椅子が低いとテレビを見るときは良いのですが、パソコンの作業をするなど長時間前傾姿勢をとると腰が痛くなるのです。勉強机や事務机が高いのは理由があるわけです。
膝を立てて足が当たらない高さ53cmを確保して脚の長さ57cm、テーブル高さ60cmに決定。 これで一旦使用してみて、高過ぎるなら脚を切り、低ければ継ぎ脚を作ることにします。DIYならではですね。
ヒーターは購入するなら薄型のものを使って脚に当たらないようにしたいところです。 今回は古いもの(厚み43mm)を使用しますのでヒーターを移動式にする工夫をしました。複数人で使うときは中央に置きますが、一人で使う時はヒーターを奥にスライドして足下を広く使えるようにするのです。
接合は金具を使用
足と幕板の接合には一番簡単な方法で、右図のテーブル用コーナー金具を用います。
入手先はKQLFT TOOLS コーナー金具(シングル) 4個 ボルト ネジセットです。
中央のボルト穴が2個ある大きな種類もあるのですが、足元を広くするため幕板の幅を小さくしたいので金具も小さい方を選びました。
【追記】YahooストアのShopoooという店で金具具単品テーブル コーナー金具 K-013を売っているのを見つけました。(2015/12/26)
ダボについて
金具だけでなくダボを使って位置決めと補強をしたいところですが、まず金具だけでやってみて、もしダボが必要なら後で追加することにします。
【追記】ダボはボルトで締め付けるときの脚の動きを制限するので、付けないのが正解です。
こたつ布団の発注
軽くてあったか、しかもなめらかなスーパーマイクロフリースを使用した、お得なこたつ布団セッ… |
天板と高さが決まったので合うサイズのこたつ布団を探しますが、この手のこたつが普及していないのでなかなか合ったサイズがありません。
通販で近いサイズの物を見つけたので、売り切れないうちに発注しました。
今シーズン(2015年秋)には同じものは販売されておらず、右のものは同種の売られている例です。
2.ハイタイプホームこたつの制作
古い炬燵の分解とヒーターユニットの取り出し
古いこたつは分解し、ヒーターユニットを取り出しました。右側写真でわかるようにヒーターの裏はトタン板が使用されていました。さらにその奥はハードボードがあります。4隅の板もハードボードです。
販売店でヒーターユニットの説明書を立ち読みすると、”裏板はハードボードであること”という使用条件がありました。
詳しい理由かわかりませんが安全を考えるとハードボードを使用しておきたい所です。しかし、ハードボードは昔は車の内装などにもよく使われていましたが、今は入手困難です。類似品のMDFならありますが代用できるかわかりません。
それで古いヒーター本体だけではなく、ハードボード製裏板やヒーターを固定するため周辺の木材等も含めて再利用することにしました。
テーブル脚の作成
脚、幕板、桟などの木材は、使わなくなった子供用二段ベッドの廃材を再利用しました。
テーブルの脚は、二段ベッドの脚であった角材を利用しますが、角のままだとやや不格好なので加工します。 まず斜め直線カットです。記事マルチプル電動スタンドを使ってみたで紹介したように簡易テーブルソーで加工しました。(右写真)
古材でダボ穴がありますので、埋めておきます。 新しいダボを打ち込んで残った頭部分を鋸で切り取るのですが、普通の鋸はアサリと呼ばれる刃の反りがあるので板に傷がつきます。
写真のようにアサリの無い剪定用鋸「めばえ」を使用したところ、傷は全くつきませんでした。
直線カットの反対側の角の丸みつけはルーターで加工しました。 右が加工後の写真ですが、これも記事マルチプル電動スタンドを使ってみたで紹介しています。
台枠の作成と組み立て
幕板と桟を設計図通り(実際には微修正しながら)切り出します。 切り出した幕板、桟、脚と仮組みしてみたのが右の写真です。
これにヒーターユニットの取付加工し、布団の垂れを防ぐ薄いベニヤ板を上に張って全体を塗装すれば完成というわけです。
右の写真は接合部の拡大です。
3本のビスで幕板に取付けたテーブル金具をM8のボルトで脚に固定しています。脚には「鬼目ナット」と呼ばれるナットを埋め込んでいます。鬼目ナットやボルト類はテーブル金具にセットで付属していました。
脚と幕板の接合は単なる突き当てで接続はすべて金具に頼っていますが、これで十分しっかりしており特にダボを追加する必要を感じませんます。
見えている幕板や脚の切り欠き(段差)は3mm厚のベニヤ板を乗せるためです。ルーターで加工しました。
実は鬼目ナットの埋め込みは順調ではありませんでした。10φの下穴を開けて六角レンチを使ってねじ込むのですが、右の写真ように途中でナットが割れてしまいました。 鬼目ナットの肉厚が薄く強度があまり無いのです。
鬼目ナットをよく見るとテーパー状に根本が太くなっています。穴をテーパー状にするのは難しいので、下穴を半分ぐらいまで11φに広げてやると、次からはうまくいきました。
(なお、写真で鬼目ナットの右下の木部が割れていますが、ベッドの脚時代の金具用スリットの名残のためです。見えないところですが、この後埋め木しました)
3.基本部分ができた
試しに使ってみる
台枠が一応できたので布団を掛けて天板を置いてみます。
上部のベニヤ板はありませんが布団は垂れたりせず、無くても問題ありませんでした。 ヒーターの取付も未だですが、例の温風ダクトで石油ファンヒーターから熱をもらうようにしたのが下の写真です。 さっそく使ってみると、”ぬくぬく~ぬくぬく~”で快適 (=^ェ^=)
塗装も未だですが見えない所なのでこのまま使用開始することにしました。
仕上げ等
ヒーターユニットの取付は来シーズンまでに、塗装は布団を使わないようになって気になれば実施ということで(~_~;)
なお椅子については急遽手配し入手しましたが、高さをテーブルに合わす改造をしています。別途紹介予定です。
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