歩行型草刈機の修理 (2)回転刃カバーのベアリング軸受けを交換

カバーをつけた底面

前の記事 歩行型草刈機の修理(1)Vベルトの交換他 で草刈機の修理を紹介したが、その際ベアリング軸受けを簡単に交換できることがわかった。

実はこの草刈機には、写真のように、草刈刃の回転部の下に皿型のカバーがついていて、この皿が地面に接触しても刃の回転を邪魔しないようにベアリングで空転できる機構になっている。ところが中古で購入したときからベアリング軸受けが故障してスムーズに空転せず、刃の回転力を弱めていたので、カバーを取り外して使用していた。
今回は、このベアリング軸受けを交換して草刈機を本来の形に戻してみます。

現状

現状はカバーなしで使用している
刃を取り付け
底から見た刈刃の取り付けの様子(カバーユニットなし)

右の写真は前回の記事の修理後に撮影したもので、底から見た刈刃の取り付けの様子。 前の写真にある皿型カバーを取り外している。ベアリングの故障で刃の回転トルクを弱めるからだ。 このため回転部が地面の突起物と当たり易くなってしまっているが、これまで使用してきてトラブルはなく使えている。また最近の同種の草刈機には、このようなカバーは無い物が多いようである。

カバー無しでも一応使えているわけだが、前回の記事で紹介したように、ベアリング軸受けの交換が割合簡単であることがわかったので、今回はこのベアリング部を修理してカバーを復活させてみることにした。

修理するベアリング軸受けユニット

下は外してとっておいたベアリング軸受け部である。ベアリング軸受け本体の内側と外側の部品が一体となったユニットになっている。 手で回してみると、砂を噛んでいるような感じでスムーズに回転しない。
右側の写真で内側の深い溝の隙間はカバーが付いていない。取り付け位置が地面のすぐ近くなのに砂埃への対策が甘い構造、そりゃ暫く使えば細かい砂が侵入して具合が悪くなるだろうと思う。

取り出したベアリング(表) 取り出したベアリング(裏)
取り出したベアリングユニットの表裏

修理

軸受けの交換部品を購入して取り替えるわけだが、そのために軸受けの内側(軸を取り付けるためのカラー)と外側(取り付け用枠)の部品を取り外さなければならない。

外枠を外す
ベアリングを叩き出す
万力の上に乗せて叩き出す

嵌めあいになっているだけだとわかっているのでたたき出します。台として大型の万力を使いました。

万力に載せて軸受けを金槌で叩くと軸受けが沈んでいきます。

出てきたベアリング(途中)
半分出てきたものを裏返して見たところ

半分ぐらい出たところで確認のため裏返して反対側を見たのが右の写真です。

この後全部抜けるまで叩き出しました。

内側カラーを外す
中軸を外す(途中)
内側を抜く途中

次は同様にして内側のカラーを叩いて外します。 右は内側カラーが半分ぐらい出てきたところです。この後前部抜きました。

下の写真は3つに分解した軸受けユニットです。 真ん中がベアリング軸受け本体で、「NTN 6202Z」の刻印があり、調べると

NTN(エヌティーエヌ)株式会社製 深溝玉軸受 6202Z 片側鋼板シールド型

であることがわかりました。
深溝玉軸受は、多様な転がり軸受でも最も普及しているタイプのボールベアリングらしい。

外枠、内軸を外したベアリング
内側カラー、ベアリング軸受け、外枠に分解できた

交換用ベアリング軸受けの入手

意外と安いもので、通販で数百円で売られている。 NTN社のカタログNTN深溝玉軸受けカタログ によると、品番末尾の記号でシールドなどの仕様の違いを表しており、元々ついていたZタイプは片面シールドで摩擦係数は優れるが防塵性、防水性に劣る。

多少摩擦係数が悪くなるが、砂埃・水の対策に最も優れるシールタイプLLUを選んだ。
下は購入した エヌティーエヌ(NTN) 深溝玉軸受 6202LLU (両側接触ゴムシール形)
茶色の部分が防塵防水のためのゴムシールである。

購入したベアリング(箱) 購入したベアリング
購入したベアリングの外箱と本体

軸受け、内側カラー、外枠の組み込み

トントンと叩いて入れ込んで下のように簡単に出来上がりました。

新しいベアリングユニット(表) 新しいベアリングに交換したユニット(裏)
新しいベアリングを組み込んだユニットの表裏

軸受けと皿型カバーの取り付け
ベアリングユニットを取り付けた状態
ベアリングユニットを取り付けた状態

まず軸受けユニットを刈り刃の回転軸に取り付けます。

右は取り付けたところです。
取り付けボルトがえらく錆びています(^_^;)

カバーをつけた底面
カバーをつけた底面

次に皿型カバーを4本のボルトでベアリングユニットに固定します。右が取り付け後の状態です。

使用感

使用後
使用により傷が増えたようす

実際に使用してみると地面の突起物があっても回転する刃に当たりにくくなったので安心感が増しました。 もちろんベアリング部に砂を噛むことなく使用できています。

右の写真は何回か使用後のものですが、皿を良く見るとへこみ傷が増えています。これは皿が回転部を守って活躍してくれている証拠です。

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コメント

  1. 篠原 巧吉 より:

    篠原と申します。貴記事を拝見し、大変心強く感じでおります。
    私もaz600をオークションで入手し、大変重宝しております。最近、ロータリー刃交換をdiyでしようと思い、替刃を購入し、いざ交換しようとしたのですが、副ロータ(可変側)のカップの外し方が判りません。主ロータは4本のボルトで止めてあるのですが、副側はボルトが有りません。カップ自体がねじ込みになっているのでしょうか。外し方など分かるようでしたら、ご教授願いますでしょうか。
    お手数ですが、宜しくお願いします。

    • e-farmer より:

      訪問ありがとうございます。

      az600は既に手放してしまいましたが、副ローターのカップも主ロータと同じだったと記憶しています。何故貴殿のaz600と違うのかはわかりませんが。

      ということでお役に立てる情報はありませんが、複雑な構造ではないのでよく観察すれば外し方がわかるのではないでしょうか。

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