5月は夏野菜の植え付けなどで忙しい時期でした。畑が広いと農機は必需品ですが時々トラブルが発生します。先日も、管理機で耕耘中にロータリー(爪が回転する耕耘輪)が外れてびっくりしました。
私はタイプの違う複数の管理機を使い分けていますが、ロータリーを耕耘軸に固定する方法はほぼ同じで、交換の便のためか、負荷がかかる割に簡単な構造になっています。それで使っている内に外れたりし易いですのですが、修復には交換部品が入手できなかったりして、大抵DIY作業が必要になることが多いです。
この記事では、今回のものをはじめ、過去に経験した3件のトラブルを紹介します。
【追記】久保田の耕運機で残っていたピン折れたので追記しました(2017-10-15)
1.平頭ピンが落下して、無くなった
まず、今回耕耘中に外れた件ですが、調べるとロータリーの空転止めの固定ピンが無くなっていました。あたりを探しましたが土に埋もれて見つかりませんでした。
左右ありますので、残っている方のピンを調査のため取り出したのが下の写真です。形状から平頭ピンと呼ばれています。丸頭のものが使われることもあります。
直径10mm、平頭の首下から穴までの長さが108mmあります。
交換部品を探す
ネットで検索しましたが、交換用の部品が見つかりません。近隣のホームセンターに行ってみても短いものは置いていましたが、この長さはありませんでした。
仕方なく、加工すれば使えそうな下記写真のφ10mmのボルトを買って来ました。
Rピン用の穴をあける
平頭ピンの先の方には抜け止めのRピンを付ける穴があります。元と同じ直径3mmの穴をボール盤を使ってあけました。正確に中心にあけたいのですが、適当な治具がないので目分量でしたがうまくいきました。
切断
ディスクグラインダーで切断しました。端面の角を少し落として下の写真のように完成です。
反省点は穴から先の余裕が少なめで、もう少し長くすべきでした。ボルトの頭は純正のピンより大きいですが、大きな影響は無いのでそのまま使います。
2.平頭ピンが折れた
久保田の管理機の8φのピン
これは以前に別の久保田の管理機でやはり耕耘中に外れたものです。こちらはピンが下の写真のように折れていました。下側が折れたピンです。折れた先部分は行方不明です。
上側は反対側の残ったピンで、φ8mm、首下から穴まで102mm、穴の直径は2mmほどです。
このときもネットやホームセンターで探しましたが、交換部品が見つからず、上記同様、ホームセンターにあったボルトを買って来て加工しました。
切断
前記と同じくディスクグラインダーを使って切断しました。
削って直径を細くする
仮に取り付けて見るとピンに比べボルトの直径がやや太く、そのままでは耕耘軸の穴(直径8mm)に通りません。どうやらφ8mmではなくインチネジ規格のものを買って来てしまったようです。(~_~;)
細くするため、下記写真のベンチグラインダーと電動ドリルを使って削りました。
ドリルでボルトを回転させながら、ベンチグラインダーの回転砥石に当てると、丸く削れます。下は未加工のボルトや平頭ピンを並べて見た所です。
この後、Rピン用の穴をあけて仕上げたのが下の写真です。こちらもボルトの頭部分はは加工していません。
再び折れた【2017年10月15日追記】
最近になって、上記の残っていた方のピンが折れました。写真でもわかるようにこのピンは使用中によく摩耗します。使用頻度が少ないのに簡単に摩耗して折れてしまうのは設計上の問題ありです。
今回もボルトを買ってきて加工しました。硬くて摩耗しにくいステンレス製にしようか迷いましたが、軸が摩耗しなくなっても代わりに相手が摩耗する方が困ると思ったので従来通り鉄製を買いました。
加工は、今回は間違いなくM8のボルトを買ってきたので軸を削る必要はありません。
切断
先端をディスクグラインダースタンドを使って切断して、後は角を丸く仕上げます。最近ベルトサンダーを買ったので簡単に研げました。
孔あけ
これも最近買ったVブロックを使って下記写真のように保持し、ボール盤で孔あけしました。
こうして下の写真のようにできました。折れたのは一本ですが、前回取り替えたものも摩耗してきていますので、2本作りました。
3.固定ボルトが折れた
このときは今回と同じ機械でしたが、回転止めではなく、軸に固定するボルトが折れていました。下の写真は、取り外したボルトと新しい交換用ボルトです。
交換用ボルトは前記と同じホームセンターに売っていたものですが、寸法が現用品とほぼ同じでそのまま使えそうです。
折れて残ったネジを取り出す
問題は下の写真のように耕耘軸に残ってしまっている、折れたネジの先端部です。
スクリューエキストラクターを使う
折れネジを取るため、下写真の「スクリューエキストラクター」という工具を使います。タップのような形ですが、左ネジで先端が細くなっています。
折れたネジに穴をあける
残ったネジの太さから、使うエキストラクターのサイズと下穴の大きさを決め、ドリルで下穴をあけます。
潤滑剤を吹き付ける
錆の影響を軽減するため、まずクレ556を噴射しました。
エキストラクターをねじ込む
エキストラクターはその形からわかるようにタップでネジを切る時と同様に使いますが、違うのは左回転ということです。回転には本来タップ回しハンドルを使うのですが、このときは下のようにモンキーレンチを使いました。
結果、下のようにネジが外れてくれました。
エキストラクターとネジを外す
次にエキストラクターとネジがくっついているのを外します。私は下のように万力を使って折れネジを固定して外しました。
ロータリーを取付
新しいボルトを使ってロータリーを固定して修理完了です。(下記写真)
使用前の点検が大事
今回紹介したようなトラブルは、固定ネジが緩んでいる等に気づいておれば防げることも多いと思います。使用前のまめな点検が大事ですね。(^_^;)