スチール椅子のキャスター交換修理

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友人に椅子の修理を相談され、修理してあげることになりました。

現状

物を見せてもらうと、上の写真のように事務用椅子などでよくあるタイプで、キャスターの樹脂製車輪が割れてしまったようである。彼も修理しようとホームセンターでよく似たキャスターを探して買ってきたがネジが合わないので、水道工事用のシールテープを巻いて無理やり付けたそうです。でも使っているうちに取れてしまったので、何かいい方法はないかということでした。

下が壊れた古いキャスターと彼が買ってきたキャスターです。

新旧のキャスター

新旧のキャスター

ネジ部の比較

ネジ部の比較

簡易なベアリングを使った構造やサイズはほぼ同じです。ネジの直径を測ってみると、交換用に買ったは物は直径11.8mmと標準のJIS-M12規格ですが、壊れたものは直径が12.5mmあり、1/2インチのネジらしい。合わないわけだ。

修理

友人がものを置いて帰った後、修理を試みました。

修理法として4つの案

  1. 車輪とその支持金具を新しいものを使い旧来品の本体を組み合わせて使う
  2. 車輪だけを新しいものに替える
  3. 椅子の足についているナットを新しいキャスターにあったM12規格のものに替える
  4. 新しいキャスターを溶接固定する
    ネジはあきらめ溶接で固定してしまうという力技。溶接は自分でできないので依頼する必要がある。

最初1.の方法がスマートな方法だと思って本体と車輪支持金具を分解しようとしたのですが、ネジ止めではなくカシメていると分かりました。カシメだと削ったりして何とか外すことはできても、再使用は困難なのであきらめた。2.の方法は車輪軸が支持金具にカシメて取り付けられているので、カシメを外すと再使用困難。新たにビスなどで軸を作る必要がある。カシメは生産時は低コストで作れるでしょうが、修理はしにくいものです。

ナットを外す

キャスター取り付け部のナットを見ると、下写真のように3点でスポット溶接され固定されている。これなら外せそうなので上記3の方法で修理することにした。

ナットが溶接されている

ナットが溶接されている

スポット溶接部をドリルで穴を開けるようにして除き、金槌と鉄棒でナットをたたくと下写真のように取れました。

ナットを溶接から外した様子

ナットを溶接から外した様子

新しい車輪を取り付け

本来なら新しいナットを溶接で固定したいところですが、ナットで締め付けができれば良いわけですから溶接は省略します。

まず友人の修理によりネジがつぶれていたので、ナットを空で締め付けネジを回復させました。次に裏からナットをあてがい、新しいキャスターねじ込んで取り付けます。

車輪を取り付けの様子

取り付けた様子

車輪側のナットサイズは19mmと大きく、上記写真で分かるように薄い板状のレンチが必要ですが、手元にないので、水道用プライヤを傷防止の布を巻いて使用しました。ナットではなくベアリングカバーごと回すのです。

裏のナットは溶接していないので供回りします。裏にドライバーの先を差し込んでナットの回転を止め、何とか締め付けできました。

下が修理完了した椅子の足です。

修理完了

修理完了。右下が交換した車輪。

新しいキャスターがわずかに高く、床に置くと少しガタつきます。ガタツキが大きいときは入れているワッシャーの厚みを変えて調整すればよいのですが、今回は小さく必要ないと判断しました。

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