一斗缶で作る無煙炭化器 (1)製作開始

製作途中の無煙炭化器S

木材や竹を、煙を少なく燃焼して炭が出来るという「無煙炭化器」というものが売られています。

剪定くずを処分するのに良さげなのですが、値段が高いので、一斗缶(古い灯油缶)で作ってみました。

無煙炭化器とは

モキ製作所の「無煙炭化器」

木材や竹を煙を少なく(無煙)燃焼して炭が出来る(炭化)という燃焼器具で、ステンレス製で「すり鉢の底を抜いたような形」をしており、屋外で使用します。
製造元は(株)モキ製作所というところ。(参照link (株)モキ製作所-無煙炭化器 )

製品には、大さにより下記の3種類のタイプがある。

M50cm  M100cm M150cm
 想定用途  家庭用  農家用  竹林用
 容量  40L  180L  534L
 サイズ  直径60×高さ22cm  直径100×高さ35cm  直径150×高さ43cm
 重量  1.8kg  7.2kg  16.6kg
 直売価格  19,950円  62,800円  138,600円
 送料  2,100円  4,800円  12,000円

「良さそうだが値段が高い」と考えるのは誰しも同じようで、地面をすり鉢状に掘ったり、一輪車の上で燃焼実験された方もおられます。
私も剪定くずを燃やすのに丁度良さそうだけど、値段が高いので買うのをためらっていました。

無煙炭化器のポイント

自作するとすれば、押さえるべきポイントは以下の2点と思います。

形状

すり鉢の底を抜いたような形をしています。

モキ製作所のメディア掲載情報によると、傾斜角度は45度~60度が良いそうです。

材質

売られているものはステンレス製です。 ステンレスは耐久性が良く、熱伝導率が低いのが特徴です。ただ、自作する場合硬くて加工が大変そうです。

無煙炭化器の製作

一斗缶の利用を思いつく

  灯油一斗缶   
古びた灯油一斗缶

先日、古い灯油缶を処分しようとしたとき、これを利用できないかと閃きました。
ステンレスではないので熱伝導率が心配だが、とにかく作って実験してみることにします。

一斗缶を用意します。処分予定の灯油缶2個に追加で2個を入手し、計4個用意しました。

 一斗缶を切り開く

切断砥石を使う
  切断砥石
切断用砥石

切断には切断砥石を使いました。
写真は用意した切断用砥石で、グラインダーにつけて使用します。 これまで使用していたものが磨耗したので試しに少し違う種類(和名と洋名)を買ったのですが、よくみると同じメーカー製でした。左側を使いました。

 天板と底板を切り取る
蓋の切断
天板の切断

まず、天板と底板を切り取ります。
写真は直線部に砥石で切り込みを入れたところ。角は缶詰用の缶切を使いました。

横から帽子のように切り取る方が楽ですが、エッジ部分を残したいのでこのように切りました。

 切り開く
切り開いた一斗缶
切り開いたところ

天板、底板が切り取れたら、側板の一箇所を切断し、切り開きます。角ではなく面の中央で切ります。 切ったところはバリが出来て手を切り易いので注意です。バリ取りをしておきます。

右の写真は切り開いた一斗缶ですが、使用したディスクグラインダーと缶切りも写っています。

 扇型にする
4分割と重ねあわせ
重ね合わせ

更に残りの各面の中央に切り込みを入れます。
底から切り始め、切断寸前で天のエッジを残して止めます。

底側の辺の半分を重ねてリベットで止めると右図のように扇型になります。

上記を4缶分作成しました。

組み立て

出来たものをわっかに繋ぐと「底の抜けたすり鉢」の形になります。
各板をリベットでとめて固定するのですが…。

仮組みして形を確認
4枚合わせ
4缶分仮止め

2個をリベットで繋いだところで、残りの2個を仮止めし、合計4個目をわっかに仮止めしてみたのが右の写真です。

天と底の形は16角形になり、ほぼ円に近くなります。しかし、何か計算がミスのようで開き過ぎて、傾斜角度が30度ぐらいになりました。σ(^_^;)

3缶分に減らして組みなおす
3枚合わせ1
3缶分仮止め

一個減らして、3缶分だけで仮止めすると右のようにほぼ良い角度になりました。売られている無煙炭化器のM50cmタイプとM100cmタイプの中間の大きさです。

灯油缶の高さから3缶分が丁度良い周囲長さになります。 もっと大きいタイプのを作るには、高さのある板を用意する必要があります。

 リベットで固定
3枚合わせ2
3缶分をリベットで固定したところ

3缶分を使用することに決定し、リベットで固定しました。

これで一応形は出来ましたが、近頃(2月下旬)天候が悪く剪定屑が乾燥していないので、燃焼実験は暫く先にします。

下記続編記事に、完成と燃焼実験の様子を掲載しています。

一斗缶で作る無煙炭化器 (2)組立て式への変更と燃焼実験
前回記事 からの続編です。 一応形が出来たのですが、収納スペースが大きくて厄介なことに気が付き、組み立て式に変更しました。ついでに塗装も行いました。 そしていよいよ燃焼実験をしました。


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コメント

  1. 大城茂櫻 より:

    DIY.ファンとお見受けします。
    オイラはDIY.並びに火遊びマニアでもあります。
    炎の立ち上がりと煙突の流れの方向に不思議な関わりがあるように思っています。
    焚き火缶の中での燃焼は
    吸気と排気の関係がストーブの原理の基本を教えてくれていますね。
    シンプルな構造のわりに良く燃える、のは炎の魅力のせいかも。

    https://www.youtube.com/watch?v=B1jj1BXMVwA

  2. e-farmer より:

    ご訪問、並びに記事に引用ありがとうございます。

    なるほど、コロナ禍で飲食店から一斗缶が大量に出るのですね。
    「コロナ禍の副産物。それは一斗缶。
    なぜ?
    だって、飲食店は以前に増して、消毒のためにアルコールが欠かせなくなった。
    小分けのものよりも、一斗缶入りの方がコストダウンできる。
    で、使用量も増えたから、空の一斗缶が大量に出る」

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