我が家の庭の桃の木、今年は桃がたくさんなって豊作です。この機に調べたことを中心に自分の覚えも兼ねてまとめました。
この桃の木は下記記事で紹介しているように、山根白桃という品種で2012年に植えたものです。
完全無農薬といえば体裁が良いですが、実態は放任に近い状態で木が余り成長していません。それでも、近年実がたくさんついてくれます。
目次
栽培について
桃の栽培についての知識を少々。
摘果
桃に限らず、果実はたくさんつくことがあります。そのままですと数は多いけれど一個の大きさが小さくなります。特に市場に出す場合は大きくて品質の良いものにする必要があります。また多果は木の負担にもなり、次年度の成果に影響します。
それで実が小さいうちに選別して不要な実を取り去り(摘果という)、成り数を調整します。
我が家の場合写真のようにたくさん成っています。上記の観点から見れば明らかに成らせ過ぎです。一応摘果はしたのですが、もっと思い切って摘果すべきでした。後述しますが、こういう場合は、未熟なうちに一部を採って加工調理の用途に使うのが良さそうです。
収穫時期
桃は美味しく食べるための収穫時期も難しいです。
早く取ると硬く、甘さが不足するし、長く置きすぎると自然落下したり、害虫にやられたりします。生食用でも完全に熟すより少し前に収穫し、後述する追熟(置き熟し)させるのが良さそうです。
袋掛け
桃やりんごの栽培では実に袋を被せる手法があり、被せるのを有袋(ゆうたい)、被せないのを無袋(むたい)と呼びます。頭書写真の右下に見えているのは、その袋掛けをしたものです。
有袋のメリット
- 害虫から実を守る
これが一番の目的で、病害虫による被害を防ぎます。結果、薬剤の散布の量や回数を抑えることができます。 - 強風や強い日差しから保護し、自然の傷や亀裂や傷を防止する
- 皮が薄くなり食べやすい
- 日持ちがしやすい
- 色が白や黄色(色は品種による)になり、美しい
色をつける場合は、収穫一週間前ぐらいに袋を外します。
無袋のメリット
害虫被害や見た目のリスクを負いますが
- 甘さ・香りに優れる
- 袋を掛けたり外す手間がかからない
という利点があります。
総じて有袋は良品率を上げ、見た目を良くし商品価値を高めますので、営業農家は基本的に有袋で栽培します。ただ、味の面では無袋のほうが優れます。
我が家では、手間いらずの無袋を基本とし、一部袋を被せてバリエーションを楽しむことにしています。
桃を美味しく食べる方法ー生食の場合
私は果物の中で桃が一番好きで、水々しく甘みのある果肉とほんわかとした香りがたまりません。
しかし、家の桃は本場の桃ほど甘くありませんし、買ったた桃でもそれほど美味しくない桃に当たることもあります。桃の品種・産地によるものは仕方がないですが、その中でもなるべく美味しく食べる方法を調べてみました。
熟度を判断
桃には一番美味しい食べごろの熟度があります。入手した桃の熟度は、採取した時期や、どういう経路で入手したかによります。
見た目、柔らかさ、香りなどにより熟し具合を判断します。ただし、ご存知のように桃は大変デリケートなので押さえ過ぎたりしないように注意します。
一般的には柔らかくなって甘い香りが強く漂えば食べごろ! ただし、熟しても余り柔らかくならない品種もあります。
固いときは追熟する
まだ未熟で固い桃の場合、1,2日ほど常温に置いておくと追熟して柔らかい桃になります。すでに柔らかめの桃である場合は、それ以上置くと傷んでしまう恐れがあります。
保管の仕方
桃は日持ちがしないフルーツの代表格で、熟れた桃の場合は3日くらいを過ぎると傷んできてしまいます。
常温で保存し、熟したら食べるのが基本です。
保存するときは日差し、乾燥は避けます。エアコンや扇風機の風に注意します。
なるべく長めに保存したい場合は新聞紙などでそっと包んで、日陰や冷暗所で風通しのよい、涼しいところで保管します。
冷蔵庫での保存
冷蔵庫で上手に保存すれば1週間以上保存が効きます。ただし甘みが半減すると言われるので、どうしても長く保存したい場合以外は避けたいです。
ラップで包むか、少し空気を含ませたビニール袋に入れて保存します。食べる2時間前に冷蔵庫から出して常温に戻します。
おいしい食べ方
食べる1~3時間前に冷蔵庫に入れておく
多少果肉も引き締まり、皮もむきやすくなります
皮ごと食べる
実は、桃の皮と果実のちょうど間にこそ、 栄養素や甘み・旨味をより多く含んでいるそうです。ので皮が気にならない場合は皮ごと食べるのが一番で、実際生産地ではそういう食べ方をします。
私もそうですが、桃独特の産毛が気になる方は、桃を洗ったあと、さらしや布巾などで優しく桃をなで産毛を取る方法があります。
半切りの仕方
果肉の割れ目に包丁を入れて、中の種に沿いながら切れ込みを入れていきます
切れ込みを入れた桃をやさしく両手で包みながら、くるりとひねって半分にカットします。
種が残ったほうは、種と桃の果肉の間に包丁の切っ先で切れ込みを入れて、スプーンですくって種を外します。
皮の剥きかた
- 尻から皮を剥く
桃自体が尻みたいだって、そういうことじゃなくて、枝に付いていた部分の反対側から剥くと剥きやすい。 - 皮のみを剥く
- 手で剥くのが一番
手で剥けない場合は包丁で引っ掛けるようにする - 剥きにくい桃は熱湯に10秒ほど漬けると剥きやすくなる
桃を美味しく食べる方法ー加工調理する場合
桃が生食だけでは多すぎるほど採れたり(嬉しいことに我が家はそうなりそうです)、あるいは生食で甘さが不足している場合、加工調理して利用する方法があります。そうすれば長期に渡って桃を楽しむことができます。
桃のコンポート・コンフィチュール・ジャム
他の果物と同様に桃のコンポート、コンフィチュール、桃ジャムにできます。コンフィチュールはジャムに似ていますが、実を潰さず小片のまま残すものです。
桃酒
梅酒と同じ要領で作れます。また間引いて固くて小さい桃も利用できます。
冷凍保存での活用
桃は冷凍保存で1っヶ月程度の長期保存が可能です。
スープや冷製パスタなど、いろいろなレシピに活用することができます。
冷凍保存の仕方
ラップに包んでフリーザーパックに入れるのが良いでしょう。
- 桃を優しく水で洗い、キッチンペーパーなどで丁寧に水気を拭き取る
- ラップで空気を抜くように包み、フリーザーパックに入れ2重に密封
- そのまま冷凍庫に
解凍
冷凍保存した桃を完全に解凍してしまうと、中の水分が溢れ出し、べちゃっとしてしまいます。中はシャリシャリ感が残っている程度、半解凍状態がおいしく食べるコツです。
そのためにも解凍方法は自然解凍がおすすめです。また、一度冷凍したものは簡単に皮が剥けます。
レシピ例
- 牛乳とミキサーにかけて桃の冷製スープ、
- モッツェレラチーズと合わせた桃のカプレーゼ、
- 半解凍状態の桃をシャーベットのようにトッピングした桃パフェ
特に桃の冷製スープは今年是非作ってみたいと思っています。