もう10年くらい前になりますが、当時放任していた(今も… ^_^;)庭一面にマーガレットに似た花が勢いよく広がったことがあります。他の雑草より綺麗と歓迎したのですが、糞のような臭いがしたのが不満でした。
その後勢いはなくなり消えていきましたが、今年の5月上旬の庭に下の写真の同じような花が咲いています。しかし嗅いでも臭いにおいはありません。勉強と思いネットで調べてみました。
この花はマーガレット?
中央の管状花の黄色と、周辺の舌状花の白のコントラストが美しいですね。
よく似た花がいくつかある
調べていくとこれとそっくりな菊科の花がいくつかあり、花だけを見ていたら区別がつきません。 しかも、日本でマーガレットと呼ばれる花が、過去に変遷してきているので話がややこしい。 今回調べた結果は下の表のようになりました。
種類 | 原産地 | 説明 | 特徴 | 花期 |
---|---|---|---|---|
マーガレット | カナリア半島 | お玉菊,木春菊。明治時代に渡来し、羽状に裂ける葉の形が春菊に似て、茎が木質化するのでこの名がある。 | 枝分かれしてその先に花を咲かせる。茎が木質化する。原産地からも分かるように暖地の花で、日本の冬を越す事はできず、野生化することはない。 | 3月~7月 |
フランス菊 | ヨーロッパ | 江戸末期観賞用に持ち込まれ、寒さに強く日本の冬を越せる事とその強い繁殖力で野生化した。木春菊にマーガレットの名前を取られ、フランス菊と呼ばれるようになった。 | 枝分かれしてその先に花を咲かせる。匂いが悪い | 6月~7月 |
浜菊 | 日本 | 日本の主に太平洋側の海岸沿いに生える | 秋咲き。根元から数本の茎、先の方では枝分かれしない。葉っぱが段々になっている | 10月~11月 |
シャスターデージー | 交配種 | アメリカのルーサー・バーバンクがフランス菊を元に作り日本の浜菊とも交配させて改良。名称は、カリフォルニア州にあるシャスタ山から。 | 枝分かれしてその先に花を咲かせる。耐寒性の常緑多年草 | 5月~6月 |
白花虫除菊(除虫菊) | 地中海沿岸 | 除虫菊はピレトリンという防虫成分を含んでおり、蚊取り線香の原料。フランス語でMarugueritaeと呼ばれ、これから日本でもマーガレットと呼ばれたこともある | 一輪咲きで花の直ぐ下に葉がなく首が長い感じ | 5月~6月 |
ノースポール(クリサンセマム・パルドサム) | 地中海沿岸 | 名の由来は、花付がよく株全体を真っ白に覆うように見えるところが北極を連想させることによる。寒さに強く、草丈が比較的低くでまとまりクセのない姿で用途は広く、春花壇の定番植物の一つ。 | 高温多湿に極端に弱いため、国内では一年草として扱われている。匂いが悪い | 11月~6月 |
日本におけるマーガレットの名の変遷
フランス語でMarugueritae(マーガレット)は、本来フランス菊のことですが近縁種にも使われるようである。日本では、フランス菊の他、除虫菊のことをマーガレットと呼んだ時期があったが、今ではフランスで「木のMarugueritae」とも呼ばる木春菊(モクシュンギク)においてマーガレットの名が定着したわけです。
庭の花は何の花?
マーガレットは暖地の花で日本の冬は越せず、野生化はしないということですので、庭の花はマーガレットでは無いことがわかりました。 では何の花?
①野生化している
②茎が枝分かれしている (右写真)
③臭い匂いがしない
③5月に咲いている
これに全て合致することから、庭の花はシャスターデージーでした。 なんかなじめない名前で、もう少しわかりやすい名前が欲しいですね。
あと、10年前の臭かった花はおそらくフランス菊だったのでしょう。
シャスターデージーと虫たち
庭のシャスターデージーを観察していると、いろいろな虫たちが寄ってきます。 以下はそれらの写真ですが、虫達も花に劣らずきれいですぞ。
黄金虫が花粉まみれになっています。
普通の蜘蛛です。管状花の周辺部が伸びてきています。 今は平たいですが、全ての管状化が伸びきると中央が膨らむ形になります。
以前チューリップにもいた糸を張らない花蜘蛛です。背中(お尻)に人面模様があります。