インクジェットプリンタのカートリッジのインクを使い切る

PM-A900.jpgまだインクが残っているのに使えなくなったインクカートリッジを、ICチップリセッターにより初期化して使い切る話です。

私はエプソン社製複合プリンタPM-A900を発売当時に購入しました。当時の高級機であり、多機能できれいに印刷でき、もう修理対応が打ち切られた今も現役で使用しています。
不満は純正インクの値段が高いことでしょう。その上この高いインクを、全部は使わず破棄していることです。

インクジェットプリンタのインク残量の問題

廃棄しているカートリッジには1/3もインクが残っている

蓋を開けたカートリッジインク切れ表示で交換したカートリッジを振ると音がしてインクが残っているのがわかります。

右はそのカートリッジの蓋を開けてみたものですが、インクが残っていそうな感じです。実際に残量を測定してみると平均で三分の一も残っていました。下記記事で紹介しています。

インク切れしたプリンタインクカートリッジの残量を測定
EPSON社製プリンタPM-A900を使用していますが、インク切れで交換したカートリッジには、振ってみるとまだかなりの量のインクが残っているのがわかります。 具体的に何割ほど残っているのだろうか。 ...

インクの使用量を記録するICチップ

ICチップ基板PM-A900のインクカートリッジには、同社の他のインクジェット式プリンタと同様、印刷を行う度にインク出力回数を記憶するICチップが付いています。右の写真のようにカートリッジの底面に基板が見えていますが、この内部側にあります。

インクの残量は、このインク出力回数を元に概算で計算して出しているようです。 まだインクが残っているのにインク交換の指示が出る原因は、インク残量が正確にわからないため、インク切れが起きないようにするには早めに交換指示するしかないからです。

交換指示後は印刷できない仕様になっています。もしプリンターのメニューに、印刷できるようにする選択肢があればリセットは必要ないと思うのですが。

ICチップリセッターを使ってインクを最後まで使いきる

ICチップリセッターとそのガイドの改造

外箱このICチップを初期化する為のICチップリセッターが、いくつか市販されています。 リセットすると満タン表示になり本当にインクがなくなるまで使えるというのです。(リセッターを使わずにソフトウエアでリセットできるという情報もあります)

右は、以前オークションで890円で買ったEPSONプリンタ用ICチップリセッターです。 EPSONのほぼ全機種対応ということで、対応機種に明確にPM-A900が含まれていなかったのですが、いけるだろうと高をくくって買いました。


この商品は本体とガイドからなり、右の写真は本体にガイドを取り付けた状態です。
ガイドに沿ってインクカートリッジを押し付けると、リセッターの電極ピンがカートリッジ底基板の電極端子に接触する構造です。このガイドは、各機種のカートリッジに合わせて種類があり、この商品にも2種類付属していました。

ところがPM-A900のカートリッジには両方とも合わないのです。♪(≧▽≦;)アチャー


改造後改造前ガイド無しでもうまくピンの位置にカートリッジを当てればよいのですが、実際やってみると全然うまく行きませんでした。

ガイドは必要と認識し、ガイドをPM-A900のカートリッジに合うよう加工することにしました。 右の写真の左側が加工前、右側が加工後です。ヤスリで削って樹脂製ガイドの板厚を薄くしました。

これでリセッターを使えるようになりました。
リセット中

【使用方法】

  • カートリッジを手に持ってガイドに沿ってリセッターに押し付けまると赤ランプが点灯します。(右の写真)
  • そのまま保持して待つと、数秒でランプの色が緑に変ります。これでリセット終了ですのでカートリッジを離します。
  • リセットしたインクカートリッジをプリンタにセットすると新品同様満タン表示になり、ヘッドクリーニングを実施すると正常に印刷出来ます。

これでインクを最後まで使いきることができます。

応用

・過去のインク切れしたカートリッジが残っていれば使える可能性が高い
私の場合この時点で手元にあった約30本を乾燥しないようにビニール袋に密閉して保管し、その後全て使い切ることが出来ました。
・一体型のインクカートリッジの有効使用
プリンタの機種により各色が一体型になっているものがありますが、一つでも色がなくなった場合破棄しなければなりません。黒インクが残っていれば、リセットして白黒印刷をするときに再利用出来ます。
・ヘッドクリーニングは全色のインクをかなりの量消費する
 一個カートリッジを交換してヘッドクリーニングすると、他に残り少ないインクがあると、クリーニング時のインク消費により今度はその色がインク切れになってしまいます。
交換するときは、他に残り少ない色のカートリッジがないか調べて、ある場合は同時に交換したほうがよい。
私はでインク切れしたプリンタインクカートリッジの残量を測定の記事で紹介した精密秤で残量を測定しています。

注意点

リセットしたカートリッジを使うとプリンターの表示は嘘になり、インク切れを事前に知ることは出来ません。実際にインクが切れした色が出なくなり色調がおかしくなって気づくことになります。

もし

リセットによりプリンタに問題が生じた場合は、メーカーの保証外になる

ことを覚悟しておく必要があります。

私の場合ここ数年間に40本以上リセットして使用していますが問題は出ていません。
・以上は、私が保有するPM-A900についてであり、個体の違いや他機種では相違があるかも知れません。

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