ヤンマー製自走草刈り機くるるんで草刈りをしていたら途中でエンジン始動紐(スターターロープ)が切れてしまいました。交換修理を始めたのですが、分解途中でゴムクッションを切ってしまいました。更に組み込み途中に仕組んであるゼンマイバネを外してしまって大変なことになりましたが、最終的には何とか修理できました。
目次
ヤンマー自走草刈り機「くるるん」
以前の記事でイセキの「たすかる」の修理を紹介しましたが、同機能のヤンマーの「くるるん」(下の写真)も持っています。
比較して使いやすい方を残すつもりで、中古で両方買っていました。今回はくるるんを使ってみたのですが、途中でエンストして再始動しようとした時、下の写真のようにエンジンの始動紐(スターターロープ)が切れてしまいました。
エンジン始動紐(スターターロープ)は永く使っていると消耗して切れやすく、切れたときは交換が必要になります。当ブログの管理人としては当然DIYで交換修理することにします。
始動紐の交換修理
リコイルスターターユニットの仕組み
エンジンを手動で始動するリコイルスターターユニットには、引っ張ったロープを自動的に巻き戻すためにゼンマイバネ(リコイルスプリングとかスターターバネと呼ばれる)が仕組まれています。
リコイルスターターは、紐を引いた時ににスタータ内部に設けてある爪が外側に飛び出してスタータプーリーの内側に引掛り、クランクシャフトを回転させ、エンジンを始動する仕組みです。この後紐はゼンマイバネによって元に戻り、その時同時に爪も中心部に納まるようになっています。
スターターユニットの取り外し
まずスターターユニットを取り外して、必要な紐の太さと長さを調べなければなりません。
下の写真のように燃料タンクと繋がっているので、これを分離するため一番手前のナットを緩めたのですが、両者をつないでいる防振ゴムが丸印の部分で切れてしまいました。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
ゴムの芯にはビスが通っていると思っていたのですが、そうではありません。ゴム棒の両端に外向きのボルトがついている構造なのです。まず燃料タンクのツバの両側のネジだけで緩めるべきでした。構造を理解していないと誰でもやってしまいますね、これは。
このリカバリーは後に回して分解を進めます。
写真にも見えているように、スターターユニットをとめているビスはトルクスネジが使われています。なぜここにトルクスネジを使うのかわかりませんが。
で紹介したように、右のトルクスのビットを持っているのですが、このT27のビットが合い外すことができました。
始動用紐(スターターロープ)を購入
分解して紐を調べると、太さが直径4mmで1mの長さであることがわかりました。
右のものがネットで売っていたので早速注文しました。
長さが2mあるので半分に切って使います。
ロープの交換とリールの組み込み
行った作業手順を記述します。
- リールに紐を付ける
下の右側は紐を巻くリールで、紐を取り換えたところです。これを左のバネのついたケースに組み込みます。
- グリースを塗る
嵌める前にバネやその他の摺動する部分に、潤滑のグリースを塗りました。もちろん元ついていて固くなったグリースは先に拭って除去しておきます。 - リールを嵌める
下のようにリールを嵌めて爪とバネをセットします。次に右のキャップのような部品で固定します。
- リールを回転してバネにひっかかっていることを確認
リールを回すとバネの内側端にある曲げにリールの切り込みがひっかかり、バネが効いてくることを確認します。
リールの嵌め込みに失敗し、ゼンマイバネが外れた
こうして紐を交換して一旦リールをはめ込んだのですが、上記4の段階でこけました。かみ合わせがうまくいっていないようで空転します。
仕方なく再びリールを取り外そうと抜いたら、ゼンマイバネも外れてしまいました。
( ̄▽ ̄;)!!ガーン
これは大変なことになったわいと、スプリングを巻き直そうとしましたが全然うまくいきません。コツを知らないとできそうにありません。
枠にスプリングをはめ込むコツ
Google先生に聞いたら、yahoo!知恵袋に参考になるアドバイスがありました
要するに手でバネを小さくまとめてバネの外側の端を引っ掛けて嵌め込むらしいのですが、実際やってみると
- 巻いていってコイルの径が小さくなるとバネの反発が大きくなる
- バネが一列にならずバラバラになる
- 外から締めていくと内側が回転する
ということになり、何回やっても全然うまくいきません。30分ほどでできると思ったのに2時間以上かかっています。50cc用のリコイルスターターともなるとバネが固いので力が必要で指、腕、腰が疲れて限界になってきました。
手だけでは無理だと悟り、スターターのリールを使いバネの内側端を嵌めて何とか小さく巻いて、プライヤで掴みながら嵌めることができました。(^。^;)ホッ 結局3時間くらいかかりました。
後で丁寧に検索したらもっと良い方法がありました。下記の2つYouTubeの動画ですが、ポイントは
- スターターリールのロープを外しておく
- 板の上で作業する
- 外側を板に打ち付けた釘に引っ掛ける
- 内側をリールに引っ掛け小さく巻きあげる
- 小さく巻けたら結束バンド(インシュロック、タイラップ)でくくる
- 釘を抜くなりして板から外す
- 機械の枠にはめ込む
紐の引き出しとハンドルへの取付
あとは次のようにして紐を通し、ハンドルを付けます。
- 紐が根元まで戻るように調整
- 紐を枠の穴に通して外に出しハンドルを付ける
組み込み
スターターユニットを外した本体側は下記のようになっています。永年の垢が溜まって汚れています。
下のようにスターターユニットを取り付けました。
おっと、カバーの取付を忘れています。再度ビスを外してカバーも取付ました。
これで始動用紐の交換作業が終わりました。
なお、始動紐の交換については他の2つの機種でも実施しています。下記記事で紹介していますので参考にしてください。
防振ゴム(ゴムクッション)の補修
接着剤で修理
切れた防振ゴムの修理を行います。強度はそれほど要らないだろうと接着剤でくっつけることにしました。
使う接着剤はボンドG17です。この接着剤は合成ゴムの接着が一番得意で先ごろ百円ショップでも売っていました。接着剤では弱そうですが、実は使い方が間違っていて実力が発揮できていないことが多いのです。この接着剤を使うポイントは
- 両面に薄く均一に塗る
- 5~10分乾かす
- 強く圧着して固定する
特に2はこれまで無視してきましたが、今回はきちんとやりました。
下はクランパーで固定して乾燥しているところです。
これで丸一日置いたらしっかりくっつき、農作業に使っても大丈夫そうです。長期的にはわかりませんので、今度もし外れたらその時に別の方法を考えることとします。
接着が取れた【2018年6月24日追記】
使っているうちに接着が取れてしまいました。やはり接着剤では強度・耐久性がありませんでした。
どうしようかと思案しながら、取れたままで草刈機を使っていましたが、最近になってこの部品が売られているのを発見し、交換修理しました。詳細は次の記事を参照ください。
追記:コメント欄の質問にお応えします
前輪部分の通常状態
通常は前輪部は下のようになっています。
前輪の高さを調節するハンドルは回転しないよう針金でロックされています。
前輪は直進方向にロックされていて、クラッチの片方を握って方向回転するときはロックが解除されるようになっています。
ロックを外した状態
写真のようにハンドルにかかっている針金のロックを倒すとハンドルを回すことができます。また下側のレバーを持ち上げると常に前輪の方向が自由に回転します。
追記:始動紐の交換について更に詳しい記事【2018年7月5日追記】
別のヤンマー製耕運機で始動紐(スターターロープ)が切れ、交換法を詳しく記述しました。
参考にされたい方は、下記記事を参照ください。
コメント
初めてのコメントでず 拝読いたしまして 大変参考になり同じ故障に遭遇した時に不安に悩まず修理に立ち向かっていける勇気を頂きました。御指導していただきたい修理がありますがよろしければ御教授お願い致します ヤンマー自走草刈り機「くるるん」の前輪が作業中に取れてしまい困っています どの様についていたかもわからず作業もできぬまま悩んでいます よろしければ元々どの様についていたのか 修理方法のヒントなどお教え願いませんでしょうか
ブログを見て頂いてありがとうございます。
2、3日中に前輪部の写真を撮って載せますので暫くお待ちください。
記事の最後部に前輪部の写真と簡単な説明を追加掲載しました。
これで分かりますでしょうか?