糠漬けを始めました

糠みそ漬けタッパー 夏は、やはりきゅうりやナスの糠漬けが恋しくなります。
実家では糠漬けを「どぼづけ」と呼んでいつも漬けていましたが、近年糠漬けをしている家庭はずいぶん減ったようです。

先日スーパーで写真の糠漬けのセットを見つけました。

糠味噌とタッパーのセットを購入

先日、スーパーで写真の糠漬けのセットを見つけ、「このまますぐに漬けられる」という謳い文句で、手軽にできそうだったので購入しました。 きゅうりのキューちゃんでお馴染みの東海漬物製です。
糠漬けセット_中身右写真のようにタッパーに糠味噌が入っています。

大きさは、長辺が約20cmで、家で採れる大きなきゅうりは入りません。私は、今ではもう一回り大きいタッパーに移し変えています。

醗酵菌は含まれているのかも知れませんが、ラベルに表示してある「熟成」には程遠く、最初は塩味だけでした。酸っぱ味が出てきて糠漬けの味になるまで一週間ほどかかりました。

以上のように、このセットを購入するメリットは余りなく、以下の知識でもって自分で糠床を作るほうがお勧めです。

糠漬けの手軽な漬け方

以下、今回糠漬けについて調べた方法やノウハウを、私の経験も踏まえてまとめます。

糠床を準備する

一から糠床を作る方法です。

材料
  • 容器
    瓶(かめ)でもタッパーでも良いが、埃や虫が入らぬよう蓋が必要。匂い防止のためには密閉できたほうが良い。タッパーは背が低く冷蔵庫にも入れやすいのでお勧め。
  • 米糠
    後でわかったが、別の地元スーパーで各種の米糠を販売していた。煎り糠もあるが、保存が利くが味が落ちるとされる。
    私はいつも米を買っているところで分けてもらいます。精米している米屋さんなら、副産物ですので無料もしくは安く分けてくれます。コイン精米コーナーに「自由にお持ち帰りください」と置いているところもあります。

  • できれば精製していないあら塩がミネラルが多くて良い。量は 重量比で糠の13%ぐらい 。

  • 雑菌を減らすため湯冷ましを使用 。量は糠と同量。
混合
  • 用意した水の8割を取り、塩を入れて完全に溶かす
  • できた塩水を糠に入れよく混ぜる
  • 糠の硬さをみながら残りの水を加えて調整する
    硬さは味噌汁の味噌くらい。硬くて漬けにくいときは水を足してかき混ぜる。
捨てづけ
  • 最初に醗酵を促進させるために「捨てづけ」をします
    くず野菜を漬けて栄養を補給し、醗酵して味が出るのを待ちます。漬ける野菜は後述の糠漬けに適した野菜(灰汁の強いナスは除く)のくず。漬けたら毎日2回以上かき混ぜ、3~4日後に取り出します。続いて2回目を漬け、計一週間ほどで味が出てくるのを確認できたら、実際に食べる野菜を漬けます。
  • 糠漬けをしている知人がいれば、種として糠床の一部を分けてもらうと早いでしょう。

野菜の漬け方

漬けられる野菜の種類

きゅうり、なすび、にんじん、スイカの皮、かもうり、カブ、大根、キャベツなど。 トマトのように水分が多すぎるものは向かない。

つける前の野菜の処理

きゅうりとなすを漬ける野菜をつける前に以下の処理をします。

  • 洗って水分を取る
  • 大きいものは切る
    なすびは半切り、人参、大根は短冊に 切る。
  • 塩もみする
    塩でいわゆる板ずりをします。なすびなどの色を良くし、糠床の塩の補給も兼ねます。

右の写真はきゅうりとナスを漬けている途中ですが、この後野菜が糠で全て隠れるようにします。

漬ける時間
  • きゅうりはそのままで半日、なすびは半切りにして一日程度で食べごろになります。漬けすぎると塩辛くなったり、酸っぱくなったりします。
  • ナスは色が周辺の糠に移ります。色が落ちるのでできるだけ動かさないようにします。

糠漬けのノウハウ

手入れ
  • 毎日かき混ぜる
    長い間放置すると表面に白いカビのようなものができます。腐敗菌が増加するためで、表面にできるのは好気性だからです。
    毎日表面と底をよくかき混ぜて防止します。手でかき混ぜても良いが、私は木製の大きなスプーンを使います。
  • 夏は暑い(30度以上)と腐敗しやすいので置く場所を考える。
    冷蔵庫に入れるのも良い。ただし本来の乳酸菌の活動も減るので漬かるのに時間がかかります。
  • 長期留守にするときは冷凍保存することもできます
アルコール臭がする場合

完全に密閉していると嫌気性菌が増え、アルコール醸造のようになることがある
この場合は、きっちり蓋をしないで換気できるように工夫する。

水分が溜まる場合

正常な醗酵のためには適切な水分量が大事です。野菜の水分で水が溜まって来た場合は次の対策をします。

  • 布や紙で吸い取る
    あらかじめ窪みを作って時間を置くと水が溜まるので、キッチンペーパーなどで吸い取る
  • 新しい糠を加える
    塩一割を混ぜた新しい米糠を投入する。糠が多くなりすぎる場合は先に古い糠味噌をその分取り出しておく。
味の向上

最初は塩味だけだったのが、醗酵が進むにつれ味が出てきます。更に美味しくするノウハウです。

  • 糠漬けの味は「糠味噌」の味なので、糠味噌を直接口に入れて味を確認する
  • 昆布を入れる
    昆布を小片に切って入れておくと、だしが出て味が良くなります。
  • 唐辛子を入れる
    唐辛子は味を引き締め、腐敗防止にもなります。私はスーパーで見つけた輪切り唐辛子を使用しています。
  • 山椒の実を入れる
    大変香りが良くなります。

糠床のある生活を始めてみて

野菜は自分で作っていますので、糠漬けを好きなだけ食べられるようになりました。
糠漬けを糠床から出して時間が経つと色が悪くなります。かといって長く漬けておくと漬かり過ぎて酸っぱくなってしまいます。ですので食べる分だけこまめにつけています。
また健康上、塩分のとりすぎにも注意が必要です。一日おきに食べるくらいにして楽しんでいます。


糠漬けに使う容器がタッパーでは物足りない人には、少し高級バージョンのホーロー製のがあります

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