かなり前から草刈機(刈り払い機)のスロットル調整レバーの動きが悪かったのですが、とうとうまったくレバーが効かなくなりました。
この草刈機は中古をオークションで買ったものですが、DIYで修理を試みます。
原因
刈払い機は4サイクルエンジンであることで選んだホンダ製のものです。
スロットル部分を分解してみると、下の写真のようにスロットルワイヤーが錆びて切れていました。
これ以外にも燃料タンクの固定が甘いなど、古さ所以の不具合が出てきていますが。
修理
他社製中古部品の流用検討
部品を取り寄せるのが面倒だし、費用もかかるので代替品で修理できないかと考えました。 以前2サイクルエンジンの草刈機を廃棄する時にスロットルワイヤーをとっておいたのを思い出し、これが使えないか検討しました。
- ワイヤーの両端にあるストッパー頭(呼び方がわからないのでこう呼びます)はそのまま使えることを確認
- ワイヤーとその鞘チューブ(これも正規の呼び方を知らない)の長さはほぼ同じで使えそうである
なお、この手の機構は、鞘とワイヤーの相対位置関係で制御する仕組みなので、多少の長さ違いは問題ありません。
流用の課題とホンダの金具の改造
課題は鞘チューブ端のエンジン側への固定方法
ホンダは下の写真(別の草刈機の写真)のように鞘チューブの終端金具が、遊び調整ができる取付金具と一体になっている。
手持ちのスロットルワイヤーは鞘チューブの両端に単にリング状の金具があるだけで、遊び調整や固定の機能はありません。
固定するためにはホンダの金具部分(ワイヤーと鞘チューブを引き抜いたもの)を再利用するのが早いと考えた。 そのときの問題が二つ。
①手持ちのワイヤーがホンダの金具(穴径約3φ)を通らない
ワイヤー端のストッパー頭が軸穴より大きいのである。ホンダはワイヤーを通した後にストッパー頭をカシメてつけている模様だが、私にはストッパー頭を付け直す手段が無い。
そこでホンダの取付金具の内径をドリルで3.5φに広げ、ストッパー頭も少しやすりで削ったら通るようになった。
②鞘チューブ終端の固定方法
ホンダの取付金具に手持ち品の鞘チューブ終端をどう接続して固定するかの問題。
そのままではワイヤー側の鞘チューブ終端金具(外径5.5φ)とホンダの取付金具側(古いワイヤとチューブを引き抜いたもの、外径5.5φ)と突き当てでしかなく、曲げの力でワイヤーに負担がかかってしまう。
右の写真のような、ホームセンターで見つけたサポーターと呼ぶ金属パイプ(内径6φ)と園芸用のクリップ(内径6.5φ)を使って、取付金具に鞘チューブ受けのガイドを追加することにした。
取り付け金具に鞘チューブを固定する時の補強に園芸用クリップを使います。園芸用クリップの両側からパイプと取付金具を差込み接着剤で固めるのである。
- 取付金具側の外形が若干細かったので糸を巻いて調整した。
- 接着剤は、記事「ソケットレンチセットの壊れたドライバーの柄を修理」で使用した「水中用エポキシパテ」を今回も使用した。
- 園芸用クリップは全周ではなく一部欠けているので、その部分はパテを盛り上げて、円柱状に仕上げる。(写真右)
パテが乾いたら余分な突起をカッターで切り取り、ヤスリで仕上げます。
塗装
ねじ部分を養生テープで養生して、右写真のように万力に固定しました。 万力は大型で重いが、その分置くだけの固定無しで安定するので何かと役に立っている。
塗装前に、万力など不要なところに塗料がつかないように養生する。
塗料は車用のシャーシーブラックのスプレー塗料を使いました。
一回目を塗ったら表面の凹凸が目立ったので細目のペーパーをかけ、垂れを防止するため2回目、3回目と分けて吹き付けた。塗料の説明には「速乾性」とあったが、乾燥は30分程度必要だった。
下の写真は、塗装が乾き、養生を外してワイヤーを通してみているところ。
ワイヤーの鞘チューブ終端金具が見えているが、今回作ったガイドの穴にすっぽり全部入る。
組み立て
できた金具を使いスロットルワイヤーなどを元の形に取付けました。下はエンジン部のワイヤーの固定の様子です。
塗装前の表面処理が雑ですね(^_^;)
故障前はスロットルレバーの遊びが大きかったのですが、調整でレバーの遊びをなくせました。ワイヤーが伸びても調整範囲は十分あります。
リード線の保護チューブを交換
ついでに、スロットルワイヤーとスイッチのリード線を束ねてカバーしている保護チューブが老朽化してきているので、その上からパソコンなどの配線に使うスパイラルチューブを被せ保護しました。
下の写真のように軸やハンドルにきっちり沿わせていますが、レバーの動きは軽くスムーズです。
これでまた快調に草刈りができます。
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