刈り払い機の修理 (2)キャブレター

ワイヤーのカバーリング

以前の記事

刈り払い機の修理 (1)スロットル(アクセル)ワイヤー
かなり前から草刈機(刈り払い機)のスロットル調整レバーの動きが悪かったのですが、とうとうまったくレバーが効かなくなりました。 この草刈機は中古をオークションで買ったものですが、DIYで修理を試みます...

で復調した刈り払い機(写真)の調子が最近悪くなってきました。アクセルを全開してもエンジンがふけあがらず、逆に回転数が下がるのです。 キャブレター関係が悪いと思われ、修理を試みます。

【追記】
3.質問があったのでアイドリング調整について追記(2016年8月4日)
2.シーソー用ピンの補修部品を入手できた (2014年8月5日)
1.再び不調になり再修理した(2014年7月24日)

この刈り払い機はホンダ製で、4サイクルエンジンです。2サイクルエンジンとは違うところがあるかもしれません。 また以下記述の部品名称などは、正式名称がわからないため勝手に名づけているものもあります。

キャブクリーナーだけの簡易な方法を試す

アクセルを開くと回転が落ちる現象ですので、キャブレター(気化器、以下キャブと呼ぶ)のどこかに不具合があり、燃料の供給がうまくいっていないことが推定されます。

今は忙しい時期でキャブを分解修理する時間が惜しいので、まず簡易法を試してみます。これで直ればラッキーという気持ちです。

使用するキャブクリーナー

右下の写真の「メンテナンス&キャブクリーナー」という名称のものです。以前の記事

歩行型草刈機の修理 (2)回転刃カバーのベアリング軸受けを交換
「歩行型草刈機の修理(1)Vベルトの交換他」 で紹介した草刈機には、草刈刃の回転部下に皿型のカバーがついていて、皿が地面に接触しても刃の回転を邪魔しないように空転する機構になっているが、ベアリングの故障で外していた。今回は、ベアリング軸受けを交換して草刈機を本来の形に戻してみます。

で紹介した草刈機を中古で入手した時に、キャブの清掃を行うために買ったものがまだ残っていました。

PROSTAFF メンテナンス&キャブクリーナー
Yahoo!ショッピングMonotaRO ¥387円(税込)

キャブクリーナーはいくつかの種類が販売されていますが、値段が張るものが多いです。右のリンクからは格安で買えるので助かります。

このクリーナーは使用時ケーキのような甘い匂いがするのですが、ちょっと中毒になりそうな危険な誘惑を感じるのは私だけでしょうかσ(^_^;)

吸気部カバーを外す
カバーを外した
カバーを外したところ

まず、吸気フィルタ部を覆うカバーを外します。 上部の爪を外すと簡単に外れます。

カバーを外すと右のようにチョーク機構と吸気口が見えます。 写真で見えている輪っか状のスポンジ製フィルタも取っておきます。

作業手順

キャブクリーナーの商品説明にある手順を参考に、作業手順を要約すると以下のようになります。
①エンジンを5分間暖機運転
②アイドリング調整等でエンジンの回転数を上げ、吸気口にキャブクリーナーを噴射
・噴射前にキャブクリーナーの缶を事前に良く振って混ぜておくこと
・説明には10秒間噴射とあったが、噴射によりエンジンの回転が落ちる
③エンジンを停止して5分間放置後、再始動しマフラーから白い煙が出なくなるまで空ぶかし
④上記で回復したら、アイドリングなど再調整して終了

エンジンが止まるまでクリーナーを噴射するのか、止まらない程度に加減するのかは説明ではよくわからないが、条件を変えて数回試してみた。

簡易法の結果

結果は若干良くなったような気がしますが、根本的な改善はしませんでした。

クリーナーはキャブ内部までは到底浸透していないと思われます。この方法で改善するのは吹き出し口付近の汚れが原因のときだけでしょう。 ということで、キャブの内部に問題があるようで、キャブを分解してみるしかありません。

キャブの分解修理

キャブの分解

決心してキャブを分解にかかります。

吸気樹脂部を外す
樹脂部を外した
樹脂部を外したところ

チョーク機構がついている吸気樹脂部は、上の写真で見えている2個のナットを緩めると外れます。 外すと、右の写真のようにキャブが直に見えます。

キャブを外す
キャブを取り外したところ
キャブを取り外したところ

キャブは共締めされていただけなので、手前に引くと右のようにキャブも外れますが、燃料タンクとの間に2本の管が繋がっています。
黒い方が燃料の吸入管、透明な方が余分な燃料の排出管です。

キャブを取り出す
⑪ポンプ部ねじ止め
取り出したキャブレター

キャブから2本の管を抜きます。
黒い方はゴム質で柔らかく、抜け止めリングで止まっていましたが簡単に外れました。 透明の方は抜け止めリングは無いのですが、経年変化で硬化していて外すのに苦労しました。

管を外して取り出したのが右写真のキャブレターで、底面からみたところです。 写真で見えている4本のビスを緩めるとキャブを分解できます。

キャブを分解する
キャブ各部名称

上記写真で手前から、右図で下から
①プレート(押さえ金具)
②プライミングポンプ(キャップ)
③ポンプ樹脂部
④ダイヤフラム
⑤中間ダイキャスト
⑥ガスケット
⑦本体ダイキャスト部
⑧アクセル機構
の順に重なっているのをばらしました。

ただし今回⑦と⑧は一体のまま分解しません。

下の写真は分解して取り出した、ガスケットがついたままの中間ダイキャスト部です。

キャブ分解1 キャブの錆
中間ダイキャストのガスケットがついた裏側(左)と錆びた表側(右)

汚れの状況

上の左側写真はガスケットが伸びて汚れが付着し、右側は錆びています。

写真右でひどく錆びているピンに、丸いへこみのあるシーソー金具がついていますが、押しても動きません。 丸いへこみの下にはバネがあり、正常なら押して離すと戻る動きをするはずです。 動かないのはピンのところで錆で固着してしまっているようで、これではエンジンの調子が悪いわけです。

見えている錆びたビスをゆるめると、この部分も分解できました。

キャブの清掃

清掃に取りかかります。

キャブを金属部と樹脂・ゴム部に分けて金属部をキャブクリーナーを使って清浄します。 ゴムや樹脂はキャブクリーナーで劣化しやすいからです。

もしガスケットなどが金属部と固着して綺麗に剥がせない時は破って剥がし、新品に交換します。 交換部品が入手できないときは無理して剥がさず、劣化覚悟でそのままキャブクリーナーで洗浄するという判断もありでしょう。 今回はガスケットは無事剥がせました。

錆を取る
キャブ部品の錆取り
キャブクリーナー液につけた小物部品

上記中間ダイカスト部を分解した小物部品は ビス、シーソー板、シーソーピン、バネ、バルブピンですが、これらは右の写真のようにキャブクリーナー液に漬けて錆を取ります。

使用した容器は紙コップです。 使用した液は部品を清浄するとき吹き付けたキャブクリーナーが垂れますので容器で受けておいて溜まった物です。 このキャブクリーナーは吹き付けタイプですが蒸発に時間がかかるタイプなのです。

液に漬けることで錆はだいぶ取れましたが完全には取れませんでした。
しかし交換用部品が入手しづらく、仮組みしたら動きは戻ったのでこのまま組戻すことにしました。

ガスケットやダイヤフラムの交換も保留

ガスケットやダイヤフラムの柔らかいゴム部分もかなり弾力性が無くなってきているが、これも部品の入手が困難です。
これまで使えていたし、今回の不調は錆が原因と判断、交換せず試してみることにします。 もしだめならそのとき部品を入手する方法を考えます。

キャブを組み立てる

ということで清掃のみで部品交換無しでキャブの組み立てにかかります。 分解の時に紹介できなかったので、組み立て順に少し詳しく紹介します。

キャブ本体ダイカスト
①吸気口 ②キャブ本体ダイカスト
キャブ本体ダイカストの側面(左)と底面(右)

右はキャブ本体ダイカスト部の側面と底から見たものです。 この底面に他の部品を取り付けて行きます。

ガスケット
③パッキン裏 ④パッキン表
ガスケットの裏面(左)と表面(右)

まず右のガスケット(パッキン)をキャブの底面に形状を合わせて重ねます。

なお、写真の説明の表面とは、キャブ本体を底から見て手前側を指します。

中間ダイカスト部
⑤キャブダイカスト部裏清掃後 ⑥キャブダイカスト部表清掃後
中間ダイカストの裏面(左)と表面(右)

右の写真のようにキャブダイカストは清掃後でも錆が完全に取れていませんが、ビスやピンなど部品が入手できないのでこのまま使います。 もちろんシーソー金具がちゃんと動くことは確認しています。

これをガスケットに重ねます。

ダイヤフラム
⑧ダイヤフラム表
ダイヤフラムの表面

次に右写真のダイヤフラムですが、表裏を間違えないように重ねます。

裏側の写真は取り忘れていましたm(_ _)m

ポンプ樹脂部
⑨ポンプ裏 ⑩ポンプ表
ポンプ部の裏面(左)と表面(右)

次に右のように赤いゴム製バルブがついているポンプ樹脂部を重ねます。

ポンプキャップとカバー金具

ポンプキャップをカバー金具につけ、一緒に重ねます。 これら全て重ねて4本のビスで止めますと、前記「キャブを取り出す」の写真のようにキャブが元に戻るわけです。

刈り払い機を元に戻し、試運転

これでキャブが元の形に組み上がったので、刈り払い機の元の位置に取り付けます。
ねじ止めの前に燃料の管とアクセルワイヤーを取り付けておいた方がやりやすいです。

組み上がったら、ポンピングを十分にして、いよいよエンジン始動です。 難なくエンジンは始動し、アクセル全開でも問題なしです。やった-\(^▽^)/

仕上げにアイドリング調整を行ない完了です。 忙しい時期に時間を取られましたが、なんとか回復しましたので当面このまま使うことにします。

再び不調になり再修理

【2014年7月24日追記】

最近再び不調になりました。キャブを分解してみると、以前と同じようにシーソー金具が軸(シーソーピン)の錆のため動きません。 キャブクリーナーだけでは錆取りが甘かったようです。
ピン(1.6φ)だけでも新品に交換したいところですが、入手法がわからないので、今回も錆取りをして修理することにしました。

 クエン酸で錆散り

以前購入したクエン酸を使う

適当な錆取り剤の手持ちがないので、以前一度試したことがあるクエン酸でやってみることにしました。

クエン酸は、以前右のものを買いました。 量が多くて、当時一番値段が安かった。
食品添加物グレード、純度99.5%以上です。 トイレの黄ばみ取りにはこれが一番です。 他の掃除や料理にも使え、用途が広い。

錆取り液を作る

紙コップに適量の水を入れ、木製(またはプラスティック製)のスプーンを使いクエン酸を入れます。量は今回は適当で計っていません。(^_^;) 濃い方が酸度が高くなり反応が早いです。

ネットに塩を入れると良いとの情報があったので、塩も入れてみました。(錆に関する理論が出ていますが化学は苦手でわかりません(-_-;))

錆を取る
クエン酸で錆取り中
錆取り中

右の写真は錆取りを開始した直後です。 錆を取りたい部分を歯ブラシなどでこすると反応が早くなります。

以前真ちゅう(黄銅)の錆取りをした時は気泡がよく出ましたが、今回は少ししか出ませんでした。金属が違うせいか、塩を入れたせいかはわかりません。

錆のとれ具合の様子を見ながら時々ブラシでこすり、約5時間ほど経過した頃引き上げました。

錆防止のため、十分水洗い後、クレ556等防錆剤を吹きつけておきます。

クエン酸で錆取り後
錆取り後

右の写真が錆取り後です。バネなど錆びていなかったものは別にしてあります。 軸とビスはピカピカとはいきませんが、赤錆が取れ安定した黒錆になっています。

注意点は、クエン酸といえど酸ですので、酸に侵されない容器や道具を使うこと。 放置しすぎると金属がどんどん溶けていくので、様子を見ながら引き上げます。

組み付け
クエン酸で錆取り後組み付け
再度組み付けた状態

錆が取れたところで再び組み付けます。右の写真はシーソー金具を取り付けたところです。

これをキャブに戻してキャブを組み上げ、エンジン本体に組み込みます。

前回やっているので鼻歌交じりで直ぐ完了しました。 早速エンジンをかけてみるとバッチリ復活です。\(^▽^)/

交換部品の入手について

シーソーピンの代替品候補

その後、シーソーピンに使えそうな「直径1.6φで錆びないもの」がないかと探していましたが、加工すれば使えそうな物を二つ思いつきました。
①ステンレス針金
直径1.6φのものが市販されていますので、必要な長さに切断すれば使えそうです。
②アルミ製リベットピン
ハンドリベットに使うピンで、捨てるピン先部分を手持ちのもので測定したら直径が1.4φと1.8φでした。やや細いが1.4φが使えそうです。

今度錆び付いて故障したときには、これらをで試してみましょう。

シーソーピンの補修部品を入手できた
補修部品のピン
入手したピン

【2014年8月4日追記】

私はイセキの歩行型草刈り機「たすかる」も所持しており、こちらもエンジンの調子が悪くなり部品調達のためイセキの営業所に行った。イセキは個人にも補修部品を売ってくれるので”助かる” (^◇^)

エンジンは川崎製のTH48という2サイクルエンジンだが、そのキャブの分解図を見せてもらったところ共通部品らしきものが多い。
上記シーソー金具(フロートアーム)やピン、ビス、スプリングは同じものにみえたので、ピンを発注してみた。

たすかる505の部品で、品番は920432099、品名はピン

今日届いた部品を取りに行って来た。 右の写真がそれ、80円だった。直径を測ると1.6mmでやはり同じものだった。 次回キャブを分解したときに交換することにして、それまでにビスも発注しておくことにします。

アイドリング調整について

質問がありましたので追記します。

カバーを外すと写真のようにスロットルワイヤーの先が見えます。

アイドリング調整

ホンダ草刈機のアイドリング調整の仕組み(赤丸部分)
この写真は新しいタイプですが、旧型も同様です

赤丸部分に注目してください

アクセルを操作するとわかりますが、アイドリングポイントは、スロットルがバネで戻ろうとするのを、右から出ているビスの先端で止めることにより決まります。

よってアイドリング調整は、ドライバーで右方向からこのビスを回して行います。

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コメント

  1. 草刈太郎 より:

    大変参考になります、いつも勉強させていただいております!

  2. e-farmer より:

    訪問ありがとうございます。
    参考になると言って頂くと励みになります。

  3. 國分 新一 より:

    大変参考になりました。ありがとうございました。私の場合WALBRO WYJというタイプでした。
    ダイヤフラムに小さい穴と、燃料供給用のLever-Metering(シ-ソ部品)が減って
    いたので、サイトで探しましたら 八宝屋 happoya.jp/ に、リペア部品が売ってました。
    【 商 品 番 号 】WAB-K20-WYJ
    【 商  品  名 】WALBRO(ウォルブロー/ワルボロ)K20-WYJリペアキット
    【 価 格 (税込) 】983円
    【  数   量  】1セット
    【  小   計  】983円  でした。 ありがとうございました。

    • e-farmer より:

      情報提供ありがとうございます。参考になったということで嬉しいです。

  4. 安藤 より:

    キャブレターの記事読ませて頂きました。ありがとうございます。
    ホンダUMK425HUを使用しています。暖気運転後、チョークレバーを徐々に戻すとエンジンが上がってしまいます。何処を修理したらよいのでしょうか?アイドリング調整は何処でするのですか?教えて頂けたら幸いです。

    • e-farmer より:

      チョークを戻すとエンジンの回転数が高すぎるということですね。
      原因は二つ考えられます。

      1.アイドリング調整がくるっている
       調整の場所がわかるように、記事に追記しましたので参照ください。

      2.アクセル(スロットル)ワイヤーの動きが悪い
       アクセルワイヤーの修理については、別の記事に書いていますので参考にしてください。

      • 安藤 より:

        お返事ありがとうございます。アイドリングのネジの位置、わかりました。スロットルの調整も再確認してみます。

  5. onefanfan より:

    キャブレターのアイドリング調整には説明にあるアクセルワイヤー調整ビスによる方法と説明写真赤丸の左上 真鍮穴内のキャブレター スロー調整スクリューでも可能です、時計ドライバーが必要です【^L^】

  6. minosuke より:

    e-farmerさま
    老婆心ながら・・・
    このタイプのキャブに使われているダイヤフラムには二種類あり、「ガスケット」とされているものがポンプダイヤフラムとガスケットが重なったもので、「ダイヤフラム」とされている方がメタリングダイヤフラムとガスケットが重なったものです。ご参考までに。

    • e-farmer より:

      専門的な情報ありがとうございます。なるほどおっしゃる構造になっていますね。

      私はあるメーカーの分解図を参考にしましたが、名称はメーカーによっても違ってくると思います。

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