私はドコモのiPhoneとiPadを使用していますが、スマホやタブレットを格安SIMにすると通信費を大幅に安くできるらしいとは以前から知っていました。先頃時機到来と思い、格安SIMへの乗り換えを実行に移したので紹介します。
現状と格安SIMへの乗り換え検討
現状はドコモのiPhone6とiPad air2の2台持ち
私は昨年3月にドコモに乗り換えてiPhoneとiPadを購入しました。
- スマホ:ドコモ iPhone6
購入当時の最新機種はiPhone6Cだったのですが、機種一括0円だった旧機種のiPhone6にしました。
通話は5分間話放題プランです - タブレット:ドコモ iPad air2
2台目プラスという契約で、機種代、通信料とも安かったのでiPad air2を購入しました。
タブレット(iPad air2)を使ってみて便利と思う用途は- 人と会って写真を見せるのに良い
- リビングルームで大きい画面でメール、買い物ができる
- 大画面カーナビとして使える
あと同時に固定回線もドコモ光にしました。
- ドコモ光
携帯と両方契約すると月々料金の割引があります。
夜のインターネットの速度が遅いので後日これも乗り換えました。下記記事で紹介しています
購入後一年余りが経過し機種一括0円購入の縛りも切れたので、格安SIMへの乗り換えの検討を開始しました。
格安SIM・MNVOとは
スマホやタブレットには通信のためSIMと呼ばれる小型のICカードが入っています。このSIM入れ替えにより、従来より低価格なインターネット・通話サービスを提供する業者がMVNO、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)で、 MVNOが発売するSIMは格安SIMと呼ばれているのです。
MVNO事業者は自前の通信施設を持たず、キャリア・携帯会社(MNO: Mobile Network Operator 移動体通信業者携帯会社)の通信インフラを借りています。
田舎でも心配無用 – 電波が届く範囲は大手キャリアと同じ
田舎なので格安SIMは電波が届かないのではないかと心配される方がおられると思いますが、心配無用です。上記のように大手キャリアの電波を使いますので格安SIMの電波エリアは大手キャリアと全く一緒なのです。つまりある端末で格安SIMに替えても電波強度を示すアンテナは同じように立ちます。(私自身が電波過疎地域で実験した訳でありませんが、心配な方はネットなどで調べてください)
むしろ格安SIMで懸念されるのは後述のように混雑による通信速度や通話品質などの低下ですが、この点電波がすいている田舎の方が有利です。
SIMロック端末・SIMフリー端末
従来の日本の携帯端末では他キャリアのSIMを使えなくしてあります(SIMロック)。そのため格安SIM業者が対応できる端末が制限されます。ドコモに対応する格安SIMが圧倒的に多く、次にauで、ソフトバンクはほとんどありません。
この制限がなくどのSIMでも使えるのがSIMフリーの端末(SIMフリーのPhoneなど)です。
SIMフリー端末でなくても2015年5月以降に販売された機種なら、購入後6か月以上経過すればSIMロックを解除してもらえます。
データSIM・音声SIM
SIMにはネットのみ使える「データ専用SIM」、ネットと通話もできる「音声通話SIM」の2種類があります。
SIMカードのサイズ
3種類の大きさがあります
- 標準SIM(mini SIM):15×25 ガラケーやiPhone 3G / 3GS
- micro SIM :12×15 iPhone 4 / 4Sや多くの格安スマホで採用
- nano SIM:8.8×12.3 iPhone 5以降、今後はこれが主流になる
電話は今まで通り使いたい
音声通話に関して、私の条件は
- 通話プランがあり、今まで通り電話として使えること
- 通話料を節約したいが通話中に途切れたりするのは嫌だ
- 通話量は少ないのでその分安いプランが良い
乗り換えで一番の問題はキャリアメール
格安SIMへの乗り換えで一番の問題はキャリアメールが使えないことです。
キャリアメールとは
ここでいうキャリアメールとは、3大キャリアのdocomo、au、softbankとYmobileなどが発行するメールアドレスで、携帯電話の迷惑電話対策で「キャリアメール以外を拒否」に設定されていてもはじかれないメールです。
キャリアメール以外は受け取ってもらえないことがある
大手キャリア間の乗り換えでもメールアドレスが変わりますが、格安SIMの場合は独自のメールを発行していないか、発行していてもキャリアメールとは認識されません。
ガラ携使いの人などで多いのですが、「キャリアメール以外を拒否」に設定していると一般のeメール(PCメール)は受け取ってもらえないのです。
3大キャリア以外で拒否されないキャリアメールが使えるのは以下二うがあります。
- UQモバイル
AU回線のみ対応 有料 - Y!
格安simではなくて1000円/月ほど高く、y!モバイル対応の端末が必要
いずれもドコモのiPhone では加入できません。
対応策はg-mailとSMSで代用
実は一年前ドコモにMNPしたときから、今日のことを想定していましたので、キャリアメールをできるだけ使わないようにしてきました。その方法は
- メールはG-mailを設定して使う
- pcメール拒否の人にはSMS(電話番号で届くショートメール)で対応
という方法で、格安simでもSMSが使えるものなら、同じ方法で行けます。今回の乗り換えでも携帯のメールアドレスの変更を通知した人は一人だけでした。
SMSの利用価値
SMSとはショートメッセージサービスの略で、携帯の電話番号に送るメールです。
- タイトルがつかない
- 写真は送れない
- 字数は全角70字まで
という制限がありますが、キャリアが違ってもやり取りできます。g-mailなど一般のeメールを拒否している人にも届きます。
SMSならeメール難民にも見てもらえる
田舎のためか年齢のせいか、自治会の役員会で、「携帯は持っているがメールが使えません・使いません」というeメール難民が多くて困りました。(´・_・`)
試しに携帯(キャリアはバラバラ)にSMSで一斉送信したところ、6人中2人しか返事がありませんでしたが、後で電話で確認したら全員メールを見ていました。ヾ(・・ )ォィォィ
SMSは字数制限で長文は書けませんが、用件を伝えるだけなら十分です。あらかじめSMSで連絡すること(長文ができず挨拶が抜きになったり、複数に分けて送ることなど)を理解してもらっておくと良いです。SMSで不十分な時は必要に応じて電話などでカバーすればよいわけです。
固定回線とのセット割引がなくなる
auのスマートバリューなど固定回線とセットで割引がある場合は、それがなくなります。私の場合ドコモ光とのセット割引(800円/月)がなくなります。
その他のデメリット
電波の届く範囲は使うキャリアと変わりませんが、格安SIMと端末の組み合わせによってはテザリング機能が使えなくなったり、大手キャリアに比べて回線混雑時に通信速度が低下したりすることがあります。
移行にかかる一時費用
解約違約金
違約金なしで解約するには2年間隔の更新月を待たなければなりません。今解約すれば違約金はいくらかを調査しました
一台当たりの違約金は9,500円(税込み10,260円)です。私の場合タブレットと2台の解約ですので、この2倍かかります。
端末購入サポート解除料
端末購入サポートが途中の場合は解除料がかかります。
私の場合機種一括0円でしたが、購入後12ヶ月以内の解約は29,808円の解除料がかかります。今回一年を経過していますので解除料はかかりません。
MNP手数料
MNPを利用すれば電話番号は変わりませんが、下記手数料がかかります。
- MNP移出 2,000~3,000円
- MNP移入 通常の申し込み手数料にプラスしてかかる場合があります
新規加入手数料
SIM代も含み3000円余りかかります
キャッシュバックなど
新規入会キャンペーンでキャッシュバックなどの特典がある場合があります。
格安SIM業者の選択
私が求める条件
- ドコモ対応であること
私のiPhone6はドコモ用でSIMフリー化ができません。ドコモは対応する各安SIMが多くて幸いです。(というか、そのために一年前の乗り換えの時ドコモにしました) - 音声プランがある
- 通信速度が極端に遅くない
- SMS(ショートメール)が使える
- 現在持っているドコモのiPhoneとiPadの2台を使うのに有利なプランがあること
- とりあえず3GB以上の通信データ量は欲しい
現状ほとんどwifiで使っており、データ量は要らない。まず3GBで試し、不足するならプランを変更することにする
具体的に候補として検討した概要は以下の通りです。
楽天
- 3.1Gプラン 1600円/月 通話20円/30秒
- 5分間かけ放題(超過分10円/30秒) 850円/月
- 2台目割引キャンペーン中
ビッグローブ
- 3Gプラン 1600円/月 6Gプラン 2,450円/月 通話20円/30秒
- 3分間かけ放題(超過分10円/30秒) 650円/月
- シェアSIM 手数料 3,000円 月々は無料 但し、5G以上のプランが条件
月々3000円でほぼ今と同じモバイル環境が実現できそうです。
その他
他に話放題プランがある格安SIMもあるが、通話品質や通信速度が懸念されたりで良さそうなものがなかった。
結局私はシェアSIMと3分間かけ放題があり、比較的評判が良いBIGLOBEに決めました
申込と解約手続き
実際に行った手順を紹介します。
dカード(ゴールド)解約
NTTdocomoのdカードゴールドは通信料に10%のポイントが付くメリットがあるので加入していましたが、ドコモ携帯を解約すればゴールドのメリットがなくなります。次回の年会費支払いが迫っていたので通常カードに変更しました。完全解約ではなく普通カードに変更したのはドコモへの支払い関係でのトラブルを予防するためで、近い将来これも解約するつもり。
現状保持ポイントの移行
携帯を解約してもdポイント会員を継続すればdポイントは消滅するわけではないが、使いにくくなるのでドコモの通信料支払いで6,000ポイント使いました。
dポイントの移行手続きをしないで解約するとポイントが消滅する
注意点はdポイントは携帯と紐づけされているので、そのまま解約するとポイントが消滅することです。携帯の解約(MNP申込)前にDポイントクラブに入会して移行手続きをしておく必要があります。idの変更が必要です。
- idの変更
ドコモのメールアドレス ➡ pcメールアドレス
これでポイントの消滅はなくなりますが、解約後は次のいずれかのカードを作っておいた方がよいでしょう。いずれもDポイントクラブのメニューからできます。
- dポイントカードを新しく発行してもらう
- dカード(dポイント付きのクレジットカード)との紐づけを行う
(解約しているのに携帯電話番号関連の表示が出るが構わずチェックを入れて進む)
私はこれで残っていた600ポイントほどが使えるようになりました。
MNP予約番号取得
電話番号が変わらずキャリヤを乗り換えられるMNPの予約番号はwebで取得できます。
ただ、私の場合固定インターネット回線のドコモ光を契約中で紐づけされているため、webではエラーになり、電話で取得しなければなりませんでした。
格安SIM申込
特典がある価格COMから申し込みました。特典は6か月後に12,000円キャッシュバックです。
iPad用にシェアSIMも申し込みたかったが、新規申し込みのWebでは考慮されていなかったので、後日にすることにした。
2台目プラスの解約
MNPはwebとか電話どちらでもできますが、2台目プラスの解約はドコモショップへ出向かないと解約できないことが分かりました。
平日の午前中に行ったのに混んでいて待たされました。
順番が回ってきてもオペレーターが手間取っている。本部に問い合わせた結果、MNP手続き中は紐づいている2台目も契約の変更ができないという。
また、月内は2台目プラスの契約が生きているので良いが、解約が来月になると単独契約になり一月分の料金がかかるという。
結局2台目の解約は、MNP予約前か、MNP後に解約しなければならないことが判明し、その日は帰ってきた。わかったことは、どうせドコモショップに出かけなければならないなら、ショップで両者を一緒に解約するのが一番楽だということです。
後日データの単独契約も解約できました。毎月の支払いはクレジットカード払いでしたが、どいうわけか、携帯(iPhone )解約以降の解約金等の請求は全て振込用紙になりました。
移行作業
SIM入手とインストール
価格コム経由でBIGLOBEに申し込み、2日ほどでSIMが届きました。
直ぐに設定ができないでいたら、「手続きがない場合は明日自動でMNPが実施される」というメールがきました。自分でしたかったので慌てて設定に取り掛かかりました。
SIMの交換
- iPhone(iPad)の電源をオフ
- SIMを取り出す
付属していたピンを使います。なくした人は太めのゼムピンを変形すれば代用できると思います。 - 新しいSIMを入れる
- 電源をオン
biglobe simアプリのインストール
- biglobe IDの入力
- ios7向けBIGLOBE LTE・3G APN設定プロファイルのインストール
iPhoneに右のBIGLOBE SIMアイコンができます - 契約情報の確認
MNP開通手続き
- マイページでモバイル契約情報 SIMカード契約情報
- MNP開通ボタンを押す
- 電源を入れ直す
3時間経過しても圏外
上記1,2を実行して3時間待っても開通しない。(≧◇≦)
フリーダイアルに電話した。
- 私「私のMNPの手続きが完了しているか?」
- 担当「NTTのシムは使えるか?、電源を入れなおしたか?
電源を入れ直してダメなら、フリーダイアルから技術サポートに電話しなおしてください」
結局、電源を入れなおしてOKとなったが、説明書にはこのことは書いていなかった。
このように私の場合MNP開通に3時間以上かかりましたが、正常に行けばすぐ終わり、携帯が使えない空白期間は短くて済むようです。
その他手続き
- BIGLOBE電話の動作確認
- シェアSIM申込
- 支払方法設定(私の場合変更)
BIGLOBE電話
BIGLOBE電話とは
- 通話料が通常の半額
- 3分間話放題はこのアプリを使うことが条件
- 発信番号の先頭に0063がつく
相手には0063がつかないで表示されるようです。固定電話でも0063がつかないで表示されました。 - 履歴は発信のみ
- iPhone の連絡先が使えます。
BIGLOBE電話アプリをインストール
アップルストアからアプリをダウンロードして問題なくインストールできました。
iPhone に右のアイコンができます。
iPadにはシェアSIM
iPhone 開通後直ぐwebで申込んで、SIMが届きました。
- SIM交換
- ios7向けBIGLOBE LTE・3G APN設定プロファイルのインストール
これで問題なく開通しました。
ドコモのSIMに戻して通信できない
ドコモの解約は未だなのでドコモと通信速度の比較をしようと思ったのですが、docomoのSIMに戻すと通信できないのです。APN設定が変わってしまっているためのようです。
APN設定を戻せば通信できるはずですが、戻し方がわからず面倒になってあきらめました。
費用効果計算
格安SIM移行で費用がどうなったか以下にまとめます。
月額利用料
iPhone 従来のドコモ
- パケット定額料 5,000円
- spモード 300円
- 音声 5分間話放題 1,700円
- ユニバーサルサービス料 2円
- ドコモ光とのセット割引 -800円
計6,202円(税込み6,698円)
通話料の定額超過分、機体保証料は計算外です。
iPad 従来のドコモ
「2台目プラス」という契約でした。
- データプラン 1,700円
- Xiシェアオプション定額料 500円
- spモード等 300円
- ユニバーサルサービス料 2円
計2,502円(税込み2,702円)
iPhone 格安SIM (BIGLOBE)
- LTE・3G 6ギガ 1,250円
- 音声通話オプション 700円
- 3分間かけ放題 650円
- ユニバーサルサービス料 2円
計2,602円(税込み2,810円)
iPad 格安SIM (BIGLOBE)
- シェアSIM利用料(データ)200円
- ユニバーサルサービス料 2円
合計202円(税込み218円)
毎月支払額まとめ
以上を表にまとめると以下のようになります。
変更前 | 変更後 | 節約額 | ||
金額 | 金額 | 割合 | ||
iPhone | 6,698円 | 2,602円 | 39% | 4,096円 |
iPad | 2,702円 | 218円 | 8% | 2,484円 |
合計 | 9,400円 | 2,820円 | 30% | 6,580円 |
金額は税込みです。
一時費用
ドコモiPhone
- MNP転出手数料 2,000円
- 解約違約金 9,500円
計11,500円(税込み12,420円)
ドコモipad
- 解約違約金 9,500円(税込み10,260円)
BIGLOBE初期費用iPhone
- 申込事務手数料 3,000円(MNP移入料はなし)
- SIMカード準備料 394円
計3,394円(税込み3,666円)
- キャッシュバック -12000円
価格コムから6Gプラン申込の場合、6か月後にキャッシュバックがあり、これを考慮すると
キャッシュバック考慮の初期費用合計 -8,334円
BIGLOBE初期費用iPad
- SIMカード追加手数料 3,000円
- 追加SIMカード準備料 394円
計3,394円(税込み3,666円)
一次費用まとめ
一次費用をまとめると以下のようになります。
ドコモ
解約費用 |
BIGLOBE
初期費用 |
合計 | |
iPhone | 12,420円 | -8,334円 | 4,086円 |
iPad | 10,260円 | 3,666円 | 13,926円 |
合計 | 22,680円 | -4,668円 | 18,012円 |
一次費用の総額は18,012円で毎月節約額6,580円の2.7か月相当になります。なので3か月経過すれば元が取れる計算です。もしiPadがなく、iPhoneだけなら1か月で元が取れます。
次の契約更新月までドコモを継続すると違約金20,520円を払わずに済みますが、違約金を払って解約した方がずっと節約になります。(・∀・)
実際に使ってみて
BIGLOBE電話
BIGLOBE電話は問題なく使えています。ただ次の点は注意が必要です。
- BIGLOBE電話のアイコンがらかけないと安くなりません。
今は慣れなくてうっかり従来通りかけてしまいます。 - BIGLOBE電話はかけるとき専用で、受信履歴がありません。
携帯内蔵の受信履歴からかけると内蔵電話から発信します。BIGLOBE電話でかけるときは受信履歴で相手を確認してBIGLOBE電話アプリ内で電話帳(iPhoneの連絡先)を検索してかけることになります。 - 内蔵電話の履歴にBIGLOBE電話からの発信履歴も残る
その表示は、内蔵連絡先の名前ではなく「0063+電話番号」となる - 通話音質が時々悪いときがある
普段は問題ないのですが、ネットが混んでいるような状況で悪くなる時があります。
あと、固定電話への発信者通知が「0063+電話番号」になるという情報があったが、実際は0063はつかず、問題なかった。(eo光の光電話で受けて確認)
通信速度
混んでいるときはやや遅いです。同条件での比較測定はできませんでしたが、ざっと6割くらいの感じです。私の場合ほとんどwifiでの使用ですし、オンラインゲームなどもしませんので問題ありません。
通話エリア
広い範囲を移動して試したわけではありませんが、NTTドコモのときと同じように問題なく使えています。
結論として
ドコモの時と比べて通信速度や通話品質でやや劣るときがありますが、我慢できる範囲なので苦になりません。これで維持費が大幅に安くなるのは大いに助かります。(^∀^)