我が家の風呂は石油ボイラーの循環式で、設置からずいぶん経ち、時々風呂釜付近の床が濡れるようになっていた。近頃濡れる量が多くなってきたので放っておけなくなり、調査を開始した。
この風呂ボイラーは長府製で昭和54年に設置し、平成5年に釜(LHS型)を交換しています。 パッと見ただけでは水漏れの原因がわからず、強風時の煙突からの雨の吹き込みかなと思っていました。
調査
まず風呂釜の下を覗き込んだ。
風呂釜の下が濡れており本体から漏れているようだ。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
自分で修理できる!? 溶接技術がいる!?
ボイラーの釜の補修部品の問い合わせ
まずメーカーの長府にボイラーの釜について問い合わせした。 型番を聞いてすぐ「製造年月日が古いので部品はありません。修理できません」と即答された。
水漏れ箇所の特定
確かに古いので取替えの時期が来ているのだが、家自体の改築を考えているので3年ぐらいもたしたい。なんとか修理できないか調査開始。
浴槽を改めて見ると、右の写真のように釜から錆が出てきてステンレスが錆びている。「もらい錆び」というものだ。釜の中が錆びているということか。
水漏れ箇所を特定するため、風呂釜と周辺を掃除し、釜からボイラーを外した。
右は釜内部の灰を清掃した炊き口部分。ここから内部を覗く。
覗き込むと、右の写真のとおり湯が通る熱交換パイプは濡れておらず、ここでの水漏れは無いようだ。
穴を発見
炊き口のさらに下を調べると、釜底の焚き口辺の最下部より少し右に
最下部より左側にも同様の長穴が有り、計2カ所も。
右の写真はレベルで本体の傾きを見ているのですが、左(炊き口側)が低く傾いています。 これでは浴槽の湯を落としても釜に湯が残り、その水面付近が錆びやすくなります。今回発見した穴はその水面の位置でしょう。
修理
分解・清掃
穴が開いているところは、火に直接あぶられる所ではないので修理可能と判断し、分解・清掃にかかります。
まず、前面周辺のステンレス製飾り枠が邪魔になるので取り外しにかかったのですが、固定しているステンレスビスが固着していて取れません。
「クレCRC556」や、「ねじっ太郎」を使ってもだめ。ドリルでネジごと削ってなんとか外れた。ステンレスビスは硬いので苦労しましたが。
次に穴周辺のボロボロ部分を取り除き、ペーパーがけしたのが右の写真。左側の穴を下から覗いたものだが、随分大きな穴だ。
右側も同様にペーパーがけした写真。こちらも穴が大きい。
ソケットレンチセットの壊れたドライバーの柄を修理
の記事で紹介したエポキシパテ水中用を使って修理しようと思うが、エポキシパテだけでは穴が大き過ぎるのでパッチ(当て板)を作成することにした。
パッチ板の作成
アルミ缶(お茶の空き缶)よりパッチを作成する。 右は空き缶にペーパーをかけて塗料を剥がしたところ。
水漏れ箇所の穴の大きさより少し大きく切り取ります。アルミですので簡単に切れます。
缶のカーブ利用してボイラーの円筒のカーブと合わせます。 塗料はペーパーで剥がします。
エポキシパテで接着
出来たパッチにエポキシパテ(水中用、最下部に参考リンクあり)を塗り、穴にあてがう。押さえつけて、はみ出たエポキシパテをならす(写真左側)
次にパッチ全体を覆うよう形を整える。不足する場合はエポキシを追加して塗る。 乾いたらペーパーがけしてふくらみを取り、なめらかにする。(写真右側)
これらの写真は、ボイラーの左側の穴を埋めた様子です。
写真のように、右側の穴も同様に行いました。
エポキシパテが乾いたら、防水を確実にするため、エポキシを覆うように上から錆止め塗料で塗装します。
水漏れ確認
塗装が乾くのを待って、いよいよ浴槽に水を入れてみた。
「水漏れ無し!よっしゃー」と声を出して完成写真をとっていたら、あれれ水滴のふくれが発生している。 (≧▽≦;)アチャー
この施工法では問題ありか?
もう一度塗料をはがしてみたら施工法の問題ではなく、エポキシパテを塗った外側に小さな穴が残っていたのを見逃していたのである。
穴は微少なのでアルミ板は省略し、この穴周辺までエポキシを塗り広げて穴を埋め、再塗装した。
再度水漏れを確認 。今度は完璧に止まった。\(^▽^)/
全体に塗装をして仕上げ
仕上にボイラー前面等を錆止め塗装をした。乾燥後に元の形に組み上げたのが下の写真。
これでようやく安心して風呂に入れます。
(この記事は、2011年12月に実施したものをまとめたものです)