今年(2016年)の十五夜(中秋の名月)は9月15日で、少しずれて今日9月17日が満月です。残念ながら当地では雲がかかっておぼろにしか見えていませんが。
庭では丁度、十五夜草(ジュウゴヤソウ)と呼ばれる紫苑(シオン)の花が咲いています。秋風が吹いて心寂しくなりがちなこの季節、眺めていると今はいない人のことを思い出させるような花です。
紫苑は昨年下記の記事でも取り上げましたが、キク科で十五夜草のほか鬼の醜草(オニノシコグサ)とも呼ばれる背の高い花です。そのため花がつく前は背高泡立ち草と間違えやすく、夏の初めに間違えて刈ってしまいそうになりましたが、思いとどまって残ったものです(^_^;)
紫苑は、中国北部と東北部、モンゴル、シベリア、朝鮮半島に分布しますが、日本には、古代に中国から朝鮮半島を経て薬草として渡来しました。花が美しいので薬草より観賞用として栽培が盛んになり、「源氏物語」や「今昔物語」にも名前が出てきます。現在は、九州や中国地方には野生化したものの自生状態がありますが、次第に数が減少し、環境省レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。