今年、畑を宅地にして建物を建てたので不動産登記が必要になったのですが、「なんでも自分でやってみよう」の私としては、登記申請に挑戦することにしました。
今回自分でする登記の種類は、当初
・地目変更登記 ・建物表題登記 ・建物保存登記
の三つの予定でしたが、後に
・住所変更登記 ・抵当権設定登記
もすることになりました。本記事は地目変更登記までとし、残りは続編記事にします。
【追記】申請書のワードファイルをダウンロードできるようにしました。(2014.12.19)
不動産登記を自分で申請
不動産登記は本人登記が原則
普通、不動産の登記は司法書士や土地家屋調査士に依頼しますが、実は自分でできるのです。 というか、「本人登記」と言って本来自分でするのが原則(制度・法律上)なんです。
以前「抵当権抹消登記」を自分でしたことがある
10年ほど前になりますが住宅ローンを完済したときに、借りていた銀行から抵当権抹消登記に必要な書類が送られてきました。 その中に「抵当権抹消登記」を自分でする方法も書いてありましたので自分でしてみたのです。 始めは専門用語にとまどいましたが、申請自体はそれほど難しくなく、登記所職員の対応も割合親切だったと記憶しています。
今回トライする不動産登記の種類
不動産登記にもいろいろ種類がありますが、今回必要となった一連の登記は次の通りです。
①土地所有権移転登記 -土地の所有権を移す
②地目変更登記 -土地の地目を現状の田から宅地に変更する (代行料3万5千円)
③建物表題登記 -新築の建物を登記簿に載せる (代行料10万円)
④建物保存登記 -建物の所有権を明確にする (代行料4万円)
⑤抵当権設定登記 -融資をうけるため抵当権を設定する(代行料7万円)
⑥住所変更登記 -所有者などの住民登録住所の変更をします
①は遺産相続が絡みましたので、司法書士にやってもらい完了しています。
⑤は、融資を受けるために必要なのですが、融資側が個人登記を嫌うので 司法書士にやってもらう予定です。 (追記:後に住所変更登記と抵当権設定登記もすることになりました) ですので、残る②③④⑤⑥を自分でやることにします。
ちなみに、カッコ内は専門家が出してきた代行料の見積もりですが、②③④⑤の合計で24万5千円でした。 特に表題登記が割高ですが、表題登記は図面を書くことが必要で司法書士ではなく土地家屋調査士の専門になっているためと思われます。
参考にしたもの
今回私が参考にしたものは
【サイト】
【書籍】
「自分で登記をする会1」
減失登記、建物表題登記、保存登記、抵当権設定登記、相続登記にの例について物語風に進行する形で説明。登記制度の仕組みを理解しやすくする配慮がされており、初めて登記をする人にはうってつけの良い内容。
「わかりやすい不動産登記の申請手続き」
「登記実務の全てを詳解」と謳うように網羅的で専門家向けかも。素人にはとても「わかりやすい」とは言えない。
両方あわせて読むと理解しやすい。節約できる登記代行料に比べれば両方買っても安いものです。
地目変更登記の申請
家を建てるために畑を宅地に造成しましたが、地目を宅地に変更する登記ができていません。 一番簡単なので最初に行うには丁度良く、まずこれを行います。
下調べ - 現状の登記内容
まず現状登記がどうなっているのか調べます。
公図、地積測量図(地域によってはない)、登記事項証明書(謄本)などです。
以前の登記で残っていればよし、なければ登記所で取得します。 不動産の所在地により管轄の登記所が決まっており、法務局ホームページの各法務局・地方法務局 管轄別日本地図から調べることができます。
- 謄本
私は前回の所有権移転登記(司法書士代行)のときのに全部事項証明書が残っていました。今回の土地は畑として使っていましたが、登記上の地目は以前の「田」のままです。 - 公図
以前のコピーがありましたが、10月11日 新ためて取得しました。 - 地積測量図
当該地番には無いことがわかりました。
必要書類
申請書
法務省のホームページに申請書の様式があり、ワード97の形式のものをダウンロードして、ワード2007で作成しました。出来上がりは下のようなかんじなりました。
- 添付書類欄は 農地転用許可証しか書かなかったが、住所証明書、案内図も書いたほうが良かったらしい。
- 今回3筆をまとめて申請です。一筆につき、変更前と変更後の2行づつ使います。
- 面積の単位は平方メートルですが、宅地は小数点以下二桁「.00」まで書きます。
【追記】上記例のワードのファイルをアップロードしました。
良ければ編集してご利用ください。 (2014.12.19)
ブログ移転に伴いアップロード可能になった「.docx形式」に変更しました。(2015.8.30)
住所証明書
※私の住所が登記簿上の記載の住所から変わっているので、登記簿上の住所から現在の住所までの異動の経緯が分かる住民票の写しか戸籍の附票の写しが必要となる。
農地転用許可証〔9月28日 業者より入手済〕
農地を宅地に変更するには農地法により農業委員会の許可がいる。今回宅地に造成するときに業者が代行して許可をらってくれている。
案内図
現地付近の地図のこと。インターネットの地図にマーキングを入れて作成した。
インターネットの通常の地図表示では住所指定したところにフラッグが立ち邪魔になる。私の対策は
①マピオンの「全画面+超印刷」を用い、フラッグを印刷範囲からずらして、印刷でPDFファイルに出力
②「Photoshop Elemnts」で取り込み、周辺の余白、表題、当該のマークなどを追加加工して印刷。
後で気がついたが、建築確認申請書についているものをコピーした方が早かった。
登録免許税
地目変更登記は無料である。
実際の申請
2013年10月11日に申請に行った。相談コーナーがあり、一人待ちであった。
相談はその専門担当者がいて、地目変更登記の書類を見てもらった。このときに現状の確認のため登記の謄本を参照するので、用意しておいた謄本を見せた。
結果、書類に特に問題なし。 受け取り時用の書類に印鑑を登録した。(原本受け取りに同じ印鑑が必要)
これを、提出コーナーの事務職員に提出。
登記完成予定日を尋ねると、現地調査があるので1週間くらいかかるという。 なお、現地調査は土地家屋調査士が申請すると省略されるが、本人登記はやるらしい。
さらに、「登記完了日を早く知りたい」と言ったら、登記が完了したら電話をくれることになった。
申請手数料などの費用は全くかからななかった。(事前に公図や謄本を取るのにはかかる)
登記完了
10月16日 登記官より完了の連絡がありました。
11日の昼頃申請し、3連休を挟んで16日の10時に完了連絡だから予想より早い。 現地確認は昨日15日にしたのだろうか? ま、本当に見るだけだけだし、事務作業量も少ないので妥当なところですけどね。受付の事務官は、混み具合を考慮せず一律に余裕をみて完了予定としているんだろう。
10月29日になって次の保存登記申請のため登記所に行きました。
申請時に提出していた受け取り用紙に同じ印鑑を押印して確認の後、別の受取台帳に受領の押印をして、登記完了証と返却書類(原本類)を受け取りました。 右がその登記完了証です。
以上、地目変更を自分で登記申請して登記完了しました。
土地家屋調査士の見積もりで地目変更は3万5千円でしたが、その分が節約できました。♪(゚▽゚*)
※個人情報保護のため実際の申請内容とは変えている部分があります。
コメント
本当にDIYで何でもやるんですね。感心するやら驚くやら。jwーCADは難しくないですか?
> 本当にDIYで何でもやるんですね。感心するやら驚くやら。jwーCADは難しくないですか?
やってみれば地目変更なんか簡単ですよ。申請書のフォーマットに記入するだけです。
これで代行手数料3万5千円も取られるなんて! バカらしくなります。
JW-CADは慣れです。操作に困ったらネットでググレばすぐわかりますしね。
「取りあえず何でもやってみよう。」HP管理者ですが事情がありましてHPが移転となりましたので現在のHPにリンクを変更願います。当方のHPリンクにも加えさせて頂きましたのでよろしくお願いいたします。
http://www.nande-mo.com
追伸:私を同じような事をしている人がいて面白いですね。私も昨日運搬車のキャブのオーバーホールを行ったり、次のiPhoneを何処にMNPしてiPhone6を手に入れるかとか研究中です。
HP移転の連絡ならびに当ブログへのリンクの追加ありがとうございます。貴HPへのリンクを変更しました。
登記のときは大変参考にさせていただきありがとうございました。
> 追伸:私を同じような事をしている人がいて面白いですね。私も昨日運搬車のキャブのオーバーホールを行ったり、次のiPhoneを何処にMNPしてiPhone6を手に入れるかとか研究中です。
改めて貴HPを拝見してみると、ほんとにやっていることが同じでビックリしています。
私も自治会会計、不動産の確定申告と節税も同様にやっているんです。
今後ともよろしくお願いします。