ナビダイアルの落とし穴。固定光電話などIP電話からの通話が86円/3分

ナビダイアルの通話料が3分86円

先月の電話料金請求の内訳をみたとき、ナビダイアルの通話料が874円もありびっくりした。 記憶をたどると確かにナビダイアルを使ったが、時間は30分ほどだし、なぜこんなに高いのか疑問に思った。

ナビダイアルはフリーダイアルのように無料ではないけれど、固定電話からかけた場合”通常の電話番号にかける通話料より格段に安い、少なくとも高くならない”と思っていたが、それはIP電話が普及した現在では大きな間違いだった。

先月の通話料請求内容と確認調査

請求明細

先月の通話料の請求明細は

  • 内訳項目:NTTコミュニケーションズご利用分
  • 請求内容詳細:ナビダイアル/テレドームへの通話料
    「0570/0180」で始まる番号への通話料
  • 料金:810円(消費税込み874円)

となっていた。かけた先や通話時間はわからない。

NTT西日本に問い合わせ

通話明細を調べることにした。

NTT西日本の「Myビリング」に登録すると明細をwebで見ることができるというので早速、登録申し込みした。しかし、登録完了までに日にちがかかるという。

待っていられないのでコールセンター(フリーダイアル)に電話した。 担当者に回され少し手間取ったが 、ナビダイアルに2回で計30分の通話であることがわかった。 810円(税込み874円)/30分であるから、81円(税込み87.4円)/3分とずいぶん高い。直接電話すると我が家は光電話なので全国8円(税込み8.64円)/3分である。

担当者は、ナビダイアルの料金については、NTTコミュニケーションズは別会社なのでわからないが、業者との契約で通話料が決まるので、サービス料込みなのかもしれないと言った。

eLTaxヘルプデスクに問い合わせ

ナビダイアルでかけた先は償却資産税の申告の記事で書いているとおり、地方税ポータルシステム(eLTAX)のヘルプデスクだ。 ナビダイアルと並列して03の電話番号も記載されているので、今回はこちらに電話した。その回答は
・コールセンター自体は九州にあるが、受付拠点(東京03)までの料金がかかっているのではないか。
・通話料にサービス料を付加している訳ではない。
・直接の電話番号で問い合わせても全く問題無い。受ける側は同じである。

ナビダイアルの調査

これまで何となくしか知らなかったナビダイアルとは、どういうものなのかを調査した。

ナビダイアルとは

0570+6桁の電話番号で、全国規模に一般消費者向けに事業を展開する企業や官公庁のコールセンターへの問い合わせ窓口番号として利用されている。

NTTコミュニケーションズが提供するサービスで、フリーダイアルのようにコール振り分けやガイダンスのような高度多彩な機能を発信者負担で実現するもの。
例えば地域別にコールセンターがある場合に、一つの番号を告知するだけで、自動的に近くのコールセンターにつながるようにできる。

なお、NTTコミュニケーションズは、旧来の日本電信電話株式会社 (NTT) から分割された4社のうちの1社。都道府県を越えて行なわれる長距離通信事業、フリーダイヤルなどの特殊付加電話サービス事業、インターネット・サービス・プロバイダ事業 (OCN) をNTTから受け継ぐとともに、国際通信事業に新規参入した。(出典:NTTコミュニケーションズ – Wikipedia

ナビダイアルの通話料はどう決まるのか

発信地から事業者の拠点(あるいは着信用アクセスポイントなど)までの通話料(NTTコミュニケーションズの定めた料金)を発信者が負担する。
又はオプションとして、ある程度の金額を事業者(着信側)が負担して、残りの分を掛けてきた人に負担させる(例として、市内通話相当8.5円/3分を掛けてきた人に負担してもらい、残りの市外通話分を事業者が負担)という設定ができる。

そう言えば過去のナビダイアルを利用時には市内通話の料金でかけられたと記憶している。着信側の負担が無い場合でも「ナビダイヤルで請求される通話料は、あくまで通常の通話料に沿った金額が上限で、一般電話でNTTを利用して定価で通話するよりも不利益になることはない」というのが私の認識だった。

ナビダイアルの料金表は以下のNTTコミュニケーションズのホームページにあります。 ナビダイヤル(通話料)|NTT Com  以下代表的な例で、通話料を見てみます。

NTT一般固定電話(アナログ加入電話)からの発信の場合

一般固定回線から発信の料金
県内の通話の場合はNTT東西と同等で、県間にまたがる場合元々NTTコミュニケーションの通話料なので同じだ。このことから「一般電話でNTTを利用して定価で通話するよりも不利益になることはない」というのは、その通りであった。ここでいう一般電話というのは、昔からのアナログ加入電話のことです。

他社回線(他社直収、ひかり電話、他社IP電話回線からの発信の場合

NTTコミュニーションズ独自の電話サービスからの発信は安い(例:NTTコミュiniケーションズのひかりライン回線から発信は8.5円/3分)が、その加入者はごく少数派である。NTTアナログ電話以外の最近の固定IP電話ほとんどは「他社回線」に分類される。東西NTT光電話も、グループ会社であるが、他社扱いであり、今回私が利用したNTT西日本の光電話もこの中に入る。

発信が他社回線の場合の料金は下記のようになっている。

他社回線(他社直収・ひかり電話・他社IP電話回線等)から発信の料金
区域内(市内)は若干違うが、その他は上記とまったく同じである。

近畿から東京までの料金は距離が100km超であるから、80円(税込み86.4円)/3分。 NTT光だと東京03に電話しても8円(税込み8.64円)/3分だから、実に10倍もナビダイアルが高いことがわかる。

つまり、光電話やiP電話など最近の通話料の安いデジタル系固定電話(IP電話)を使用していても、ナビダイアルは従来のアナログ電話相当の料金を取られるわけです。

携帯・PHSからの発信の場合

携帯・PHSからの発信の通話料は下記のとおり

携帯・PHSから発信の料金
①携帯電話の「固定電話への通話料は20円/30秒だから120円/3分である。それに比べると安い。
②IP-Phone SMARTは8.円/30秒だから48円/3分である。更に050plusG-Call050なら8円/3分。 これらと比べるとかなり高い設定になっている。

更に注意すべきは、携帯電話の かけ放題サービスや定額通話料の対象外になることだ。スマホなどではかけ放題のプランが主流になってきていますが、このナビダイアル通話は別途有料加算されます。

ナビダイアル番号で無駄な通話料を払わないために

ナビダイアルにかけると、最初「22.5秒につき10円かかります」というようなアナウンスが流れるので、 一度電話を切って3分当たりいくらかを計算し、高くないか確認した方が良いでしょう。 通話料で損しない方法は、一般的には以下のようになります。

アナログ電話からかける場合-ナビダイアルを使う

直電と同じか、良心的な事業者の場合直電より安い。

光電話やIP電話からかける場合-通常の番号に直接かける

NTTコミュニケーションのサービス電話以外からは、直電の方が圧倒的に安いのでナビダイアルは利用しません。(NTTコミュニケーションのサービス電話でも多分同等になると思う)

携帯電話からの場合-格安IP電話サービスを利用、またはナビダイヤル
  1. IP-Phone SMART、050plus、G-Call050等を利用できるなら利用して通常の電話番号に電話する
  2. そうでない場合はナビダイアルを使う。ただし話し放題プランなどは適用されないので注意。

携帯からの直電は一番高くつきます。

ナビダイアル関係者にもの申す

消費者としてはコールセンターなどはフリーダイアルにして欲しいところですが、酔っぱらいが話し相手を求めてかけてくる等の事例を知っていますので、有料のナビダイアルもやむを得ないと思います。

しかし、携帯電話や光電話、IP電話が普及した近年は、消費者にとってはナビダイアルのデメリットが目立ってきているのが現状です。
アナログ時代はナビダイアルの方がメリットがあったが、今はアナログ電話以外からの発信では、直接電話するよりナビダイアルの方が通話料が高くつき、私の例のように条件によっては10倍になります。携帯電話のかけ放題の落とし穴もあります。

ところが、告知が不十分なため、私もそうでしたが一般消費者のほとんどはこのことを知らないのが現実です。

NTTコミュニケーションズ殿

CSR(企業の社会的責任)を重視される貴社がにおかれましては
1.消費者に、光電話や携帯からナビダイアルを利用すると通常の番号にかけるより通話料が高くつくことを広く告知すること (携帯のかけ放題プランの対象外になることも含めて)
2.採用企業・団体に「上記の告知とナビダイアルには通常番号を並記すること」を促す

の2点を至急実施されるべきだと思います。

なお、電話した時に「この通話は22.5秒あたり10円かかります」とアナウンスがありますが、「1分あたり27円」とか「3分あたり81円」に相当とも言ってくれないと、とっさに一般電話番号の場合と比較できず、それが異常に高いことに気づきません。 改善を要望いたします。

ナビダイアル採用の事業主殿

貴事業におかれまして、消費者の利益を尊重されるならば、ナビダイアルが直接電話するより通話料が高くなる可能性がある場合
1.消費者にたいし、ナビダイアルの通話料金についてわかりやすく告知すること
2.直接電話できる番号を並記すること
を要望いたします。

ナビダイヤルの番号に「IP電話を除く」の表示

ナビダイヤルの番号に「IP電話を除く」の表示(赤印は筆者)

【追記】2016年9月27日
実際表示されている例を発見しました。写真はクレジットカードのポイントサービス用電話番号の表示です。

ナビダイアル番号の下に「IP電話を除く」と書いてあり、直接の電話番号も併記されています。

でも、普通の人は「IP電話を除く」の意味が分からないでしょうね。かければちゃんとかかりますから。


【追記】(2014年3月21日)
専門的に詳しくておもしろい解説 ナビダイアルの謎-無線にゃん を見つけ、思わず膝をたたきました。

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