高枝切りハサミを遠隔ケーブル掴みに改造

改造の完成

改造した高枝切りハサミ

遠くのケーブルを掴む工具が欲しい

天井照明を取り付ける電気配線工事で、人が入り込めない天井裏の奥のケーブルをつかんで引っ張ってくる工具が必要になりました。最初は竹竿に針金を通し先にわっかを作る方法も考えましたが、以前トイレ(汲み取り式)に携帯電話を落とした時(~_~;)、高枝切りハサミに細工して使ったのを思い出し、この方がスマートだと思いました。

高枝切りハサミ

高枝切りハサミは、枝を切って掴む機能があり、果物の収穫などに使われます。各社からが販売されています。amazonで高枝切りハサミを見る

大抵伸縮式で長さを変えることができるようになっていて、これを利用すれば広い範囲に対応できます。下は我が家の高枝切りハサミの先の部分です。アルスというブランドですが、さすがの国内生産品で、随分前に購入したが今だに問題なく使えています。

高枝切りハサミの先端部分

高枝切りハサミの先端部分 使用後の手入れができていない (-_-;)

写真で右側が枝を切るための刃ですが、このまま使うとこれが対象物を切ってしまいます。この刃をなくして掴む機能だけにすればよいと考えました。

現状品のハサミ部分を分解

ねじ止めされているので分解してみると、下の写真のように刃の部分が本体から外れました。

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この刃には枝を掴むための金具(以下掴み金具と呼ぶ)がネジ止めされていて、枝を切る刃と掴み金具の支持を兼ねています。これを刃が無くて掴み金具を支持するだけの板(以下支持板と呼ぶ)に改造すれば今回の目的は達せられます。

以上により支持板を新しく作ることにしました。そうすればこの部品を交換することにより、今回のように掴むだけと、本来の切って掴む高枝切りハサミとに使いわけできます。

掴み金具の支持板を作成

元の刃の板厚は3mmですので、同じくらいの厚さの鉄板を探したところ、以前買って予定変更で使わなかった建築用金具が丁度板厚3mmだったので使うことにしました。下写真がそれで、マジックで必要な形を書いてみたところです。

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建築用平板金具に必要な形を写した

これをディスクグラインダーに切断砥石をつけて切り出しました。火花(火の粉)は出ますが、板厚3mmの鉄板といえど簡単に切れ、昔金鋸でギーコギーコ切っていた時と時代が変わったものです。

この後やすりで形を仕上げ、次はボール盤で孔を開けます。孔径は6mm、4mm、2.5mmです。

孔位置は下写真のように元の刃の孔をガイドにして現物合わせしました。ボール盤を使うと3mm厚の鉄板でも楽々ですが、最初の6mmの孔明けでびっくりするくらい熱を持ちました。次から切削油を使用するときれいに切粉が出てスムーズに開きました。

刃と支持板を重ねて6mmの孔を開けたところ

刃と支持板を重ねて6mmの孔を開けたところ

ネジ切り

M5を一か所とM3を2か所のネジを切ります。タップを板に直角に当てながら回すのは、手の感覚だけなので意外と難しい。途中からボール盤にタップをつけ、手回しで使う方法を利用した。最初の食いつきができれば、あとは手で大丈夫です。ここでも切削油が重要です。

下写真のように支持板ができました。

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早速掴み金具を取り付けてみると、板が掴み金具から少し出たので、やすりで削って修正しました。下は掴み金具を取り付けたところ。

掴み金具をつけた支持板

掴み金具を取りつけた支持板

組み立て

できた改造部品を使って組み立てたところが下記写真です。前記の原状写真と比較すると刃がなくなっているのがわかります。

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A面

反対側は下のようになっています。

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B面

上記写真で、今回作った方(左)は掴み金具が出ているが、反対側(右)は逆に支持板側が出ている。これは支持板が枝を切るための迎え刃であり、当然刃が先に当たるようになっていて、この刃を削って落とすと通常の高枝切りとして使えなくなります。

迎え刃の当たり面はほぼ平なのでケーブルなどはこのまま使っても問題ありません。もし傷つきが心配な物に使う場合は布などを巻いて対処すれば良いでしょう。

実際に使ってみた

早速天井照明を追加する電気工事で使いました。(というか、このために作ったんですが)

今回工事する部屋の上は二階になっていて、天井裏は隙間高さが20cm程しかなく人が入り込めません。こういう状況で、下の部屋から天井裏に入れたケーブルを手元(部屋横の通路にある天井点検口)まで引き寄せたいわけです。

天井点検口から入れられるか

天井点検口は約45cm平方と小さく、高枝切りハサミは縮めた状態でも1.8mの長さがあるので周辺に余裕がないと天井裏に入らない。今回はギリギリ入りました。

入れた後に長さを伸ばせるか

屋根裏の点検口周りは空間に余裕がないので、伸縮を固定するレバーが遠くなり手が届きにくい。これも手を伸ばして何とか伸ばすことができました。

ケーブルを掴んで引っ張れるか

天井裏は暗いので照明して見えるようにすると、下の写真のようにケーブルを掴むことは思い通り簡単にできました。

使用中

実際に使っているところです

掴んだ後は手前に引っ張るのですが、力が入らずケーブルのたるみ分しか引っ張れません。
このため、たるみがなくなると、(一人でしている工事なので)下に降りて部屋側からケーブルを送らねばならないのです。この時、高枝切りハサミに元からあるロック機構を使って、握りを放してもケーブルを掴んだまま保持できたのがよかったです。

このようにして高枝切りハサミ改造の遠隔ケーブル掴みを使って目的を果たすことができました。(^∀^)

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