日本で唯一「人が暮らす湖上の島」沖島

堀切港

堀切港

琵琶湖に浮かぶ沖島は、淡水湖の島としては日本で唯一、人が住んで暮らしています。世界的にも珍しく3か所しかないそうです。私はこれまで沖島に行ったことがなかったのですが、この夏2回行く機会がありました。

沖島について

海なし県の離島

沖島の位置

滋賀県と沖島の位置 (引用:ウイキペディア)

沖島(おきしま)は琵琶湖の中央よりやや下、東岸寄りに位置します。(右の地図を参照)

一番近い対岸である近江八幡市長命寺の半島部からは、北約2㎞(最短部1.3~1.5 ㎞)の沖合にあり、通称、沖の方にある島「おきのしま」と呼ばれていました。

くびれがある形は「ひょっこりひょうたん島」に少し似ていて、その大きさは東西2.5㎞、南北1㎞、面積は約1.5k㎡で、琵琶湖に浮かぶ島のうちで最大の島です。

住所表記は滋賀県近江八幡市沖島町。人口約300人、住民のほとんどは漁業関係で生計を立てています。

昔は生活に不便でしたが、今では電気、上水道はもちろん、下水道、光通信回線まで整備されています。

沖島の歴史

沖島は記紀の時代から多くの文献にあらわれ、琵琶湖の水運と漁業に重要な役割を果たしてきました。本格的に人が住むようになったのは、保元・平治の乱(1156~1159)による源氏の落武者7人が山裾を切り開き漁業を生業とし居住したことに始まると言われ、彼らの苗字(南、小川、西居、北、久田、中村、茶谷)を受け継ぐ子孫が多いのです。

もっと詳しくは 琵琶湖に浮かぶ沖島/近江八幡市観光協会  に解説があります。

沖島へのアクセス

対岸にある竿飛びの神事で知られる伊崎寺にほど近い堀切港から、沖島町町営の定期渡船「おきしま通船」が出ています。堀切港まではJR近江八幡駅からバスが出ており、平日は市民バスもあるが、いずれも便数は少なく、一時間に一便程度である。渡船の時刻表などは 沖島アクセス/沖島町離島振興推進協議会 に記載されているので参照ください。

公共交通で京都発~1時間45分で到着

午前中に沖島に到着するにはどれくらいかかるか調べたら意外と早く、下記のように京都を7:45発で9:30には沖島に着きます。

【JR琵琶湖線】京都発7:45~近江八幡着8:20 (新快速 670円)
【近江鉄道バス】近江八幡駅発8:40~堀切港着9:12 (北口6番乗り場:休暇村行き、710円)
平日のみだが、市民バス(あかこんバス)近江八幡駅発8:35~(島・沖島町コース 堀切港行 、小人数のみ、200円)もある。12人乗りですので団体は遠慮しましょう。
【おきしま通船】堀切港発9:15~沖島港9:30 (遅れると次は一時間後)

上記バスで9:15の船に間に合うか微妙にみえますが、待ち時間をなくす便宜のために設定されていて、船は乗り継ぎを待ってくれるそうです。船の切符は乗ってからなので、とにかく船に乗ればよい。料金は500円、船の中にある自動販売機で切符を買う。(紙幣は千円札のみ可)

なお、便数は限られますので、乗り遅れると一時間単位で遅くなります。事前によく確認が必要です。また船の定員は50人ほどで、めったにないが休日等で観光客が多いと船に乗れない可能性があります。

車で行くときの駐車場

堀切港にある駐車場は契約者専用で、一般車の港内への侵入は禁止になっていますので、訪問者は歩いて5分ほどのところにある沖島町来島者用駐車場(無料)を利用します。前記の 沖島アクセス/沖島町離島振興推進協議会 に地図と道案内が記載されています。

島内を散歩

船が出発したら10分程で沖島の港に到着します。港で船を降りたらまず島内を散歩してみます。出会う地元の人は年配が多く、ここでも過疎化・少子高齢化が感じられます。

交通手段 船と三輪自転車

島内の道は細くて車やバイク、信号もありません。代わりに一家に一艘の船があるわけです。

そして島内でよく目にするのが、かご付きの三輪自転車です。この島では車が無いので荷物も運べることが大事なのです。

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サドルにかぶせてあるのは雨よけの空き缶

写真のように大抵サドルには空き缶がかぶせてあります。自転車を外に置いておくので雨対策です。外に置くのは、家が狭く道から一段高いところにあることが多いのと、盗難の心配がないからでしょう。

沖島小学校

沖島小学校

沖島小学校

港に降りて右手(東)に細い道を行くと沖島小学校があります。映画で有名な「二十四の瞳」を彷彿させます。学童数はさらに少ない10人ほどですが、地元島内の児童は3人で、他の児童はわざわざ船で通って来るそうです。校舎は新しく立派でプールもあります。

給食は朝の通船で届き、当番児童がリヤカーを使って学校まで運びます。帰りは、4時の通船で帰る生徒や先生に合わせて一斉に終業します。

こういう雰囲気のある小学校って憧れます。もし、もう一度小学校に行くならこんな小学校がいいなあ。(*゚ー゚*)
ある先生は、この小学校に赴任したくて毎年希望を出していたが、とうとう実現しかったとか。

弁財天(厳島神社)

小学校の運動場からさらに歩いて10分くらい湖岸沿いの細い道を行くと赤い鳥居があり、由緒書に弁財天(厳島神社)とあります。

厳島神社鳥居

右下は桟橋です。船から参拝する鳥居は、広島の厳島神社と似ています

ここからかなり急階段を5分くらいかかって上ると、小さいが端正なお堂がありました。

弁財天御堂

天女像が安置される御堂

由緒書によるとこの弁財天は、水火風の災害を避けて船の往来を守り、また雨乞いの神として信仰されている。

釣り人と猫と浜風と

平日で人は少なかったですが、釣りを楽しむ人もいました。ブラックバスかブルーギルが主でしょう。

釣り人の近くにたたずむ猫がいました。釣った魚がもらえるのを期待しているようです。

釣り人と猫

「早く釣れないかなあ」

写真家の岩合光昭さんが写真集で紹介したのをきっかけに、沖島は猫島としても知られるようになりました。飼い猫はいなくて野良猫が10-20匹ほどいるようですが、この日港で数匹、この浜ではこの猫しか見かけませんでした。

前記の沖島町のHPに「沖島の猫は社交的です。エサをあげなくても寄って来てくれます」とある通り、こちらが近づくと寄って来て撫でてやると喜びます。

湖ですので波は静かで、水面を伝わってくる浜風がたいへん気持ちいい。潮風のようにべとつかず、さわやかなんです。猫も、釣りが坊主で魚はもらえなかったけど、うっとり居眠り。気持ちよさそう。

気持ちよさそうに居眠りする猫

気持ちよさそうに居眠りする猫

食事などの店

島内の店は少なくてわかりにくいですが、上記沖島町のHPに紹介があり、もんてみて!沖島ガイドマップ も発行されています。ちなみに「もんてみて」とは「帰ってきてみて」という意味。

湖島婦貴(ことぶき)の会

おきしま通船から降り立ってすぐの漁業会館の屋台で、地元漁師の奥さんたち(湖島婦貴の会)が料理した魚の佃煮等を販売しています。お弁当は予約販売ですが、船を降りてすぐ注文すると島内を散策した後お食事できます。

港屋

港の近くにお店があり、湖魚のお土産、食事を提供しています。食事は予約が必要。5名から25名まで¥2,000円(税込一人前)から

ホームページ:沖島 港屋(おいしい食事あります)

いっぷくどう(古民家カフェ)

路地を入ったところにある暖簾のかかった古民家。飲み物、手作りお菓子と野菜中心の「きままらんち」を提供。店主の都合により不定休なので、「いっぷくどう 開いているかで 運試し」そんなつもりで行くのが良いそうです。ブログ:おきしま いっぷくどう

民宿「湖上荘」で昼食

沖島には民宿が2軒あります。そのうちの一軒、湖上荘は沖島の西側の夕日がとてもきれいなところにあります。料理がおいしいと評判で、ここで昼食を予約しておいたのです。

刺身

琵琶マスと鮒(ふな)の刺身

港から湖岸沿いに左(西)方向に歩くこと10分くらいだったろうか、細い道の一番奥にありました。

コース料理で、琵琶ます、鮒(ふな)、うろり、天然ウナギ、もろこなど琵琶湖で取れる魚類を、刺身、マリネ、てんぷら、煮つけ、酢の物、鮒ずしなどのいろいろな調理で堪能しました。

沖島の魅力

アオサギ

アオサギ。日本古来のアオの色はこの灰色っぽい色をさす

沖島は一口で言って何もない田舎風情が魅力。コンビニはもちろんないし、飲み物の自販機も港に一台あるだけ。島内を散歩すると必ずしもきれいな景色ばかりではない。野ざらしの大型ゴミや朽ちた空き家もあり、地元漁民の生活がある。

同じ近江八幡市域なのに、町屋の整った家並みとは全然違う、湖で隔てられ船でしか行けないというだけでこんなに違うのか。我々の日常とは違った風情、昔懐かしい情景が手つかずでたっぷりある。しかもこんな近くに。

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